ユゴーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レ・ミゼラブルの第2巻。コゼットとジャン・バルジャンを中心とする展開。
ジャベールは相変わらずの執念深さでジャン・バルジャンを追い続ける。強い正義感は片方から見たら異常でしかないよなと改めて思う。加えてコゼットの養父母のずる賢さも度を超えているが、ジャン・バルジャンも施しを続けて目立つとか大金をためらいもなく払うとかちょっと無防備すぎるだろと思う。
ユゴーが時折物語の中で描くように、監獄と修道院のように一見相反するものをよくよく観察するとどちらも抑圧的な環境で贖罪をするという共通点が浮かび上がる。そして修道院が亡くなった修道女の願いを叶えて墓地ではなく修道院の地下に埋葬するように善か悪かは法律に違反してるかどうかだけで測れるものでもない。ジャベールもジャン・バルジャンも養父母もそんなファジーで不条理な社会を映しているように思う。 -
Posted by ブクログ
邪恋やら暴動やら、そして可憐な乙女の運命。
フランス版時代物、大ロマン小説。
ジプシーゆえに魔女狩りというのか、死刑を宣告されるエスメラルダ。その美しい娘はストーカー的に恋する中年の聖職者に追いかけられ、死刑から救ってくれた醜い背むし男にも純愛をささげられるが、娘は娘でちゃらんぽらん美男に恋焦がれるその行き違いの皮肉さ、どうしようもなさ。
まあまあと、笑って楽しめたはずなんだけど、今は悠長に物語をたどっていく気がしないリアルの世界情勢。従って感想も何がなし滞ってしまってた。
悪夢を見ているようだ、いえ、現実がフィクションを超えてしまった。
人間の文明はどこに向かうのだろうか!
この『ノートル=ダム・ド・パリ』の結末も救いがないとも言えるし、人間の業の深さは果てしがない。 -
Posted by ブクログ
全5巻を読み終えての感想。
古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。
主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。
特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的反応であり、物語に引き込まれた。
また、ジャン・ヴァルジャンの作中でのさまざまな行動は、人間を信じる、ということに対する覚悟と信念の大切さ、それを持続する困難さが伝わった気がする。
他者を信じると共に、正直でもあったジャン・ヴァルジャンの行動原理は、小説の最後の方のマリユスへの述懐、自分が自分を捕らえようとすることから目を背けられない、というものであり、これも読者には当てはまる部分もいくつかあると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレフランス文学の古典ということで、構えて読んだが、思いの外面白い。フランス史とキリスト教の知識があまりないので、それがあればもっと楽しめそう。
長い刑期を終え、出所したジャン・ヴァルジャン。出所の直後も刑務所上がりとして扱われ、絶望に打ちひしがれた中、司祭の家て盗みをはたらき、再度警察に捕まりそうになる。
しかし、司祭の弁明で、彼の罪は不問とされる。その際に受けた人間的扱いから、彼もキリスト教の愛に目覚め、他者に奉仕するように。その数々の善行から市長にまで昇り詰めるが、過去が追い縋ってきて、再び全てを失うことに。。。というのが、この巻のあらすじ。
犯した罪は許されないのか?というのが、物語の主題のようである。彼の身代わりとして罪を問われている人物に対して、身代わりとするか、正直に自首するか、という葛藤は人間の本質的な弱さと理想の葛藤を上手く表しており、今も読まれるストーリーとして残っていることに納得。 -
Posted by ブクログ
上巻の街並みなどの景観説明が必要だったのかが最後まで分からなかった。
僕には必要ない駄文としか思えない。
それに比べると下巻の物語の展開は凄まじく、面白い。
フロロの鬼気迫る台詞は読む者を圧倒する。
この物語には本当の悪人は出て来ない。
精々、フェビュスの人間性に難が有るが時代背景や自分の恵まれた環境を考えれば仕方ない。
なのに、皆が不幸になる。
エスメラルダの母親の一生はなんだったのか?
カジモトはフロロに育てて貰うより、捨て子のまま死ぬ方が良かったのではないか?
このような酷い仕打ちを受けなければならないのか、遣り切れない嫌な後味が残る。
人を愛する事は罪なのか?己の欲望を叶えようとする事が悪なのか?
自分を見失った時、その人の人生は終わりなのか?