ユゴーのレビュー一覧

  • 死刑囚最後の日

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    平野啓一郎氏の「死刑について」にて取り上げられていた本。読んだ後ずっしりと気持ちが重くなる感覚。日本では存続している死刑制度だが、その存在について改めて考えさせられる一冊だった。
    またこの作品をユゴーが20代のうちに書いたといのには驚いた(出版時26歳だという)。本当に死刑囚の手記を元に書いたのかと思うほどに責苦に溢れた主人公の心情を細かく表現し、読んでいると心が苦しむ場面も多くあった。
    死刑囚も一人の人間であり人権がある。これとどう向き合っていくのか、自分なりに考えたい。

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    2023年12月06日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    邪恋やら暴動やら、そして可憐な乙女の運命。
    フランス版時代物、大ロマン小説。

    ジプシーゆえに魔女狩りというのか、死刑を宣告されるエスメラルダ。その美しい娘はストーカー的に恋する中年の聖職者に追いかけられ、死刑から救ってくれた醜い背むし男にも純愛をささげられるが、娘は娘でちゃらんぽらん美男に恋焦がれるその行き違いの皮肉さ、どうしようもなさ。

    まあまあと、笑って楽しめたはずなんだけど、今は悠長に物語をたどっていく気がしないリアルの世界情勢。従って感想も何がなし滞ってしまってた。

    悪夢を見ているようだ、いえ、現実がフィクションを超えてしまった。
    人間の文明はどこに向かうのだろうか!

    この『ノ

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    2022年03月28日
  • レ・ミゼラブル(五)

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    全5巻を読み終えての感想。
    古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。
    主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。
    特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的

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    2022年03月20日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    ネタバレ

    前巻で亡くなったファンチーヌの娘、コゼットと、刑務所から脱獄したジャンバルジャンの交流を軸に話が展開する。
    途中、ナポレオンの敗戦と修道院に関する、本筋と離れた著者による解説がある部分が、やや読みにくいが、その他は古典といえるほど古い話であっても、引き込まれる面白さがある。特に最終盤の不法に侵入した修道院から、いかにしてジャンバルジャンが逃げ出すか、というのは、現代ミステリーにも一脈通じるスリルが味わえる。

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    2022年01月29日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    ネタバレ

    フランス文学の古典ということで、構えて読んだが、思いの外面白い。フランス史とキリスト教の知識があまりないので、それがあればもっと楽しめそう。
    長い刑期を終え、出所したジャン・ヴァルジャン。出所の直後も刑務所上がりとして扱われ、絶望に打ちひしがれた中、司祭の家て盗みをはたらき、再度警察に捕まりそうになる。
    しかし、司祭の弁明で、彼の罪は不問とされる。その際に受けた人間的扱いから、彼もキリスト教の愛に目覚め、他者に奉仕するように。その数々の善行から市長にまで昇り詰めるが、過去が追い縋ってきて、再び全てを失うことに。。。というのが、この巻のあらすじ。
    犯した罪は許されないのか?というのが、物語の主題

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    2022年01月15日
  • レ・ミゼラブル(四)

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    政府に対する反乱が起こっていく町の様子が細かに描かれていて、緊張感が伝わってきた。ガヴローシュけっこう好き。

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    2022年01月01日
  • レ・ミゼラブル(五)

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    まずは読破できた喜び。がんばってよかった!

    遠回しな表現がフランス文学?なのか、でも、クライマックスが近づくにつれ、その感じが心地よく、感情が昂った。やっぱり娘には会いたいよね。

    ユゴーの事を知りたくなったし、歴史的背景を勉強してみようか、という気にもなってしまった。
    100年以上前の作品の思想は、今も大切にすべきであることに変わりなし。

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    2021年04月02日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    上巻の街並みなどの景観説明が必要だったのかが最後まで分からなかった。
    僕には必要ない駄文としか思えない。
    それに比べると下巻の物語の展開は凄まじく、面白い。
    フロロの鬼気迫る台詞は読む者を圧倒する。
    この物語には本当の悪人は出て来ない。
    精々、フェビュスの人間性に難が有るが時代背景や自分の恵まれた環境を考えれば仕方ない。
    なのに、皆が不幸になる。
    エスメラルダの母親の一生はなんだったのか?
    カジモトはフロロに育てて貰うより、捨て子のまま死ぬ方が良かったのではないか?
    このような酷い仕打ちを受けなければならないのか、遣り切れない嫌な後味が残る。
    人を愛する事は罪なのか?己の欲望を叶えようとする事

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    2021年03月03日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    小学生だったか中学生だったか...
    ミュージカルを観る予定があり、5巻買ったのですが、この本の半分位までしか読めず。
    結果、あっという間に読んだ部分は終わり、あとは兎に角ミュージカルを必死に観ていました。
    観終わってから5巻全てを読み終え、大きな達成感と共に、凄い作品だったなぁ...と思った思い出があります。ミュージカルは未だに人気ですが、この本が重厚で内容が骨太いところがあるからだとも思います。

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    2021年01月23日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    劇団四季の予習として。

    ディズニーでは「勇敢なフィーバスとかっこよくて美しいエスメラルダの愛」「フロロはただの悪者」のように描かれているけど、実際は卑怯でずるがしこい色男のフィーバス、弱くてわがままで他人に依存的、未熟なエスメラルダ。そりゃ16歳だもんな。わかってはいるが、女としては好きになれない。ディズニーのエスメラルダ程強くてすばしっこいわけでもないし。フロロの苦悩も人間らしい。カジモド、エスメラルダのこと「見た目さえ良ければいいのか!」と言ってるがそれはカジモドもフィーバスも同じなんじゃないかと。

    ディズニーは大衆・子供向きで、劇団四季はまだ原作に近い。カジモドも、ディズニーは弱い存

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    2020年01月21日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    ネタバレ

    全く内容知らずに読んだのだけど…

    どうなるんだろう?!と。
    大丈夫だよね?って。
    レ・ミゼラブルは救いがあったものね…

    って読み終わったら、完全に悲劇やん!

    誰も助からないという。ハムレット かよ。

    冤罪は多かったとのこと、ひどい世の中だ。


    エスメラルダ、フェビュス殺しで絞首刑。
    フェブュス、司教補佐クロード・フロロに刺されたけど生きていた。それなのにエスメラルダの刑が確定しているし面倒なので放置したクソ野郎。
    それなのに、エスメラルダはわかっておらず、最後まで愛していた純粋おバカさん。
    おこもりさんは、エスメラルダの母親だった。最後に再会するけど、母親は頭を打って死ぬ。
    司教補佐

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    2019年08月18日
  • レ・ミゼラブル(五)

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    ユゴー 「 レミゼラブル 5 ジャンバルジャン 」

    ジャンバルジャンの更生やコゼットの愛の物語だけでなく、人間の闇や フランスの混沌も描かれている。まさしく人間劇場。面白かった。

    フランスの歴史、隠語集など本編と繋がらない部分に かなりのページを割いていたが、著者の意図を知りたい

    本のテーマは 進歩。レミゼラブル=虐げられる人
    *悪→善、不正→正義、虚偽→真実、欲望→良心、虚無→神、物質→魂、怪物→天使 への進歩
    *レミゼラブル(虐げられた人たち)が進歩するために必要なのは 光(道徳心、教育)

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    2018年08月04日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    ユゴー 「 レミゼラブル 1 ファンチーヌ 」表紙絵につられて購入

    テーマは
    *文明社会の掟と処罰
    *キリスト教道徳の実践者(正しいとは)
    *ミリエル→ジャンバルジャンへキリスト道徳が承継

    正しくあれ
    *人々の魂を救う
    *学問

    1章 正しい人
    「迷ったり〜してもいいが、正しい人であれ」
    「罪をできるだけ少なくすることが 人間の掟」
    「人間は無知という暴君を持っている〜人間は学問によってのみ支配されるべき」

    2章 転落→ジャンバルジャン
    「文明には恐るべき時がある〜刑罰が破滅を宣告する時」

    「キリストの神聖な掟が 我々の文明を支配する〜掟は文明の中まで入ってない〜奴隷制は依然としてあ

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    2018年08月02日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    『時代を乗り越える』

    こんなに素晴らしい作品だと思わなかった。
    素晴らしい。
    どんな時代にも、息吹を吹き込む理由がわかった。
    ジャンのように生きていくベクトルは
    これからどこに辿りつくのか?
    気になる。

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    2018年02月24日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    やはりユゴー…レミゼラブルと同様にロマンありつつ現実的なところで話が終わる。
    上巻と違ってどんどんストーリーが進むので途中、展開を予想して読み進めたくなかったです。オチまでは読めませんでしたが、悲しいお話だけどリアルな話だったんでしょうかね…。

    どうでもいいですが、私の中で赤毛のアンに続いて長ゼリフを書かせたらすごい人にランクインしました。

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    2016年12月12日
  • レ・ミゼラブル(三)

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    物語の細かい端々の物事まで描写や説明がすご過ぎて、「で、今何の話だっけ」となる事がままある。けれど、この巻の最後、一気に今までの主役達が集まってきてドキドキの展開に!盛り上がった。

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    2016年07月02日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    一巻目のファンチーヌの話は、本当にハラハラしながら読みましたが、二巻目のコゼットの話はゆったりしたかんじで読みやすかったです。

    ジャンバルジャンは、再び牢獄に入ってしまい、ファンチーヌとコゼットのことについて約束したことはどうするのかなと思いましたが、ジャンバルジャンは見事に牢獄から抜け出して、コゼットを助けに行ったので良かったです。
    牢獄から抜け出したジャンバルジャンですが、ジャベールに追われながらコゼットと逃げるシーンは、ハラハラドキドキしながら読みました。でも、無事に修道院で庭師として働いていたフォーシュルバンに助けてもらい、コゼットと共に修道院で暮らすことになったので安心しました。

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    2014年10月28日
  • レ・ミゼラブル(四)

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    【読書その143】最近にはまっている海外文学の古典シリーズ。今のマイブームはユーゴーの「レミゼラブル」です。現在最後の5巻の読書中です。何度も映画になっていますが、かなり省略されているので、本書を読むと、いかにスケールが大きい小説なのかを痛感します。心震える恋愛小説ですが、これまで読んできた恋愛ものの小説に比べて、愛に関する心理描写が非常に繊細で衝撃を受けています。

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    2014年05月09日
  • レ・ミゼラブル(三)

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    ネタバレ

    レミゼもようやく3巻終わりました。
    マリユスのターン。
    マリユスは映画だと、ただの愛に生きるピュアな良い子かなあという感じで、良さが全然わかんなかったんですが、こうして半生を読んでみると、わーん、名刺とかつくっちゃって、家出とかしちゃって、バカな子だ・・!と思いつつも、なんだかとてもじわじわきます。

    待ち伏せのところ、あれ映画にはなかった・・? すごくよかったなぁ・・。
    レミゼは文章とか言い回しも魅力的だけどちゃんとエンターテイメントしているというか、ハラハラドキドキ感が毎回すごいなあと思います。

    つぎもたのしみ!

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    2013年07月17日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    1巻と同様、始まりの100ページが長い!
    時代背景の描き込みかも知れないが
    途中で修道院の話が、もうひとつ加わると
    物語のどこに、どうつながるのか、そっちが興味の対象。

    とは言え、コゼットを軸に、ジャベールやフォーシュルヴァン
    を加えてにドラマもしっかり動いており
    物語の大きな流れ、うねりを感じる五分の二

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    2013年07月04日