ユゴーのレビュー一覧
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ネタバレ感動に満ち溢れていた。本当の善人がここにいた。その人はとても悲しく、貧しく、時には卑しく、輝かしい程の聖なる光で包まれていた。
この本は自分にとって聖書のような本。キリスト教ではないから難しい言葉も多かったが、伝えたいことはしっかり理解する事はできたと思う。
今の心の感動を言葉に表すことは難しい。5巻を通して、ハラハラドキドキもしつつ、ココロがここまで清らかになれるものなのかと感動し、とてもズルく生きる人々を軽蔑しながら、どこか尊敬していた。
ここに登場する人々は、生きていた。生きながら無為に生きる事は誰1人しなかった。どのような境遇でも、自分の信念を持っていた。1人1人の人物を忘れる事な -
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ネタバレ面白すぎる。1巻からこの重厚感。当時のフランスの価値観や様子がよく伝わる。
心が清らかである事が、どれだけ無惨な事かを実感する。いや、なろうとする過程が悲惨なのか。心が綺麗な事は、一種の貧しさなのか。正直者は賞賛されるが、醜さには勝てないように感じた。
ジャンバルジャンは、良い司祭との出会いで人生を変えた。その過程を読むととても心が痛くなる。それは辛い境遇からくる辛さではなく、自分の邪な心に訴えかけられるような、その心を思わず否定したくなってしまう。常に正しくある事、必要以上に持たない事。どれだけ今の自分が浅ましい人間なのだろうと実感させられた。
このお話は5巻まである。ゆっくり読んでい -
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フランス文学者の鹿島茂先生が述べますように、この作品は序盤は本当に読んでいて苦しい展開です。
ユゴーは話の本筋になかなか入ってくれないのです。これは『レ・ミゼラブル』でもそうでした。
ですが、この苦しい展開を超えると怒涛のごとく物語が進んでいきます。
中盤以降はもう止まりません。『レ・ミゼラブル』もものすごく面白い作品でしたがこの作品も負けていません。
強烈な個性を持つキャラクターたちとノートルダム大聖堂を中心にして動いていくストーリー。
特に終盤のノートルダム大聖堂での戦いはまるでハリウッド映画そのもの。縦横無尽にカメラが動く迫力あるシーンを見ているかのようです。
この作品はあま -
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ネタバレ【ジャン・バルジャンが聖人に生まれ変わっていく長い旅の始まり】
物語全体を通して、ジャン・バルジャンが聖人に近づいていく課程が描かれています。1巻では、以下の内容が綴られています。
・物語全体を通してバルジャンの目標となるミリエル司教のエピソード
・憎しみを持ったバルジャンが「正直者」として生まれ変わる
・「正体を明かすべきか否か」正直さとは何か問われる大きな試練
【理想人としてのミリエル司教】
冒頭のミリエル司教のエピソードが秀逸でした。ミリエル司教はこの物語で最大の聖人であり、理想的な人物として描かれています。物語全体を通して、ジャン・バルジャンは多くの苦しみ、葛藤を味わい、成長し -
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ネタバレ悲惨な結末を迎えた革命、多くの仲間の死。しかし、愛するコゼットをなんとしても守り抜くためにも、マリユスだけは救い出さねばならない...再びバルジャンのスリリングな逃避行が読み応え十分でした。
ジャベールの方はというと、悪人は変わることができないという考え(信念)が揺らぎ、自分が信じていた者が根底から崩れていくことに絶望します。これは、ジャン・バルジャンがミリエル司教に赦され、ひどく苦しんだ時と状況が似ています。バルジャンは苦しみ、再度悪事を働くなどしたあげくに乗り越えましたが、ジャベールは耐えきれず、死を選びます。人は変わることができるが、それには大変な苦しみを伴うというのが、この物語のメッ -
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ネタバレノートルダムの鐘で知られる原作。
アニメとは話が異なるらしい。
今まで、読んだことも映画やアニメで見たこともないので、完全に初めて。
読みやすい。
ヴィクトル・ユーゴーは、『レ・ミゼラブル』の小説を読んだり映画で観たことがあるだけで、本書は2作目。
どちらも余談が長いが、建築と印刷の解説はしつこく同じことが繰り返して言っているけど、なかなか面白かった。
昔は建築で主張を残したが、今は印刷になった!…というようなことを長々とあれやこれやと書いている。
カジモドの鞭打ち刑は悲惨。
海外ドラマの『アウトランダー』でジェイミーが鞭打ちされるシーンを思い出した。
このドラマの鞭打ちは、かなり -
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ああ無情(レミゼラブル)は面白かったからノートルダムもディズニーでアニメ化されてるし面白いんじゃないかなって思ってたんですが。
なんと1章まるまるパリの建物や情景を描くのに使っていて驚きました。印刷技術の発達についても。
下巻を読み始めてから思いますが、様々な有名建築を描いてくれることで(知ってるのがノートルダムぐらいだった)ノートルダムの時代のパリを想像しつつ話を読み進められますね。あくまで私の想像は京都で、ノートルダム=京都タワー的な感じですが。
あと、今までは石に刻むことが1番情報を残していたが、印刷出来るようになってからもっと手軽に残るようになった。そして色々な表現が自由になり新た