【感想・ネタバレ】レ・ミゼラブル(五)のレビュー

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Posted by ブクログ

最終巻は1832年暴動の強烈な描写で幕を開ける。マリウスを救出するジャンの命をかけた行動、見事としか言いようがない伏線回収を経て物語は静かに終わる。重厚な歴史文学、教養文学かつ壮大な娯楽小説の本書は読書の楽しみを与えてくれた。必読!

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2023年06月11日

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ネタバレ

悲惨な結末を迎えた革命、多くの仲間の死。しかし、愛するコゼットをなんとしても守り抜くためにも、マリユスだけは救い出さねばならない...再びバルジャンのスリリングな逃避行が読み応え十分でした。

ジャベールの方はというと、悪人は変わることができないという考え(信念)が揺らぎ、自分が信じていた者が根底から崩れていくことに絶望します。これは、ジャン・バルジャンがミリエル司教に赦され、ひどく苦しんだ時と状況が似ています。バルジャンは苦しみ、再度悪事を働くなどしたあげくに乗り越えましたが、ジャベールは耐えきれず、死を選びます。人は変わることができるが、それには大変な苦しみを伴うというのが、この物語のメッセージの一つではないでしょうか。

バルジャンの苦しみは続きます。何とかマリユスを助け出し、コゼットとの結婚にこぎ着けたものの、自分がかつて罪を犯したということを打ち明けられず、コゼットの近くにいることも、離れることもできず...

そんな苦しく、終わりのない旅を続けたジャン・バルジャンが、ついに赦されたというラストは感動的でした。長い物語で読むのは大変でしたが、大満足です。

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2022年10月10日

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一貫して作者がこの物語を通して伝えたい思想というものが感じられて、とても深い感動を覚えた。物語に挿入されるフランスの様々な情勢についての話もとても詳細に書かれていて、本当にすごい本を読んだと思う。

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2020年08月30日

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自分の魂まで清められるような物語。
途中別の本を読むための中断を挟み、結構時間がかかり
ようやく読み終わったが、ヒトコト「読んでよかった」
正しく生きる人になるために、
自分にとって大切な人のために生きるために
自分の持てるすべてを出し切って。

最初は「よくコレを映画にしたり舞台にしたりしたいと
思ったもんだ」と思ったが、読み終わってみると
映画化・舞台化したくなるし、できることなら
どんな役でもいいから出演したい、と思うような
登場人物の一人ひとりが活きている壮大なドラマ。

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2014年07月19日

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ようやく五冊読破。物語を追いかけるのはおそらくもう4、5回目ほどになりますが、それでも要所要所涙がこぼれてきました。作者の思想、哲学からパリの歴史、思潮に文化、いろいろなことに触れつつも、ジャン・バルジャンの人生をたどってゆくかんじでした。罪は善行で償われることはないのか、わたしからしてみればもういいじゃん!としか思えないのに!(笑) 一番印象に残っているのは人物の葛藤の描写で、もう圧倒されました。それぞれの生きざまがかっこいい!胸をつくような言葉に揺さぶられまくりです。すべての人々が本当に幸福になったかと言われればそうではないけれど、幸福を求めて動く姿には本当に人間がでるなあ!と。なんというか言葉に尽くせないけれど、本当にすばらしいお話でした、ありがとう!

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2014年03月15日

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ネタバレ

第五部「ジャン・ヴァルジャン」
暴動のさなか、コゼットのためにマリユスを助けに行くジャン・ヴァルジャン。自分のためでなく、また、自分の血のつながった娘ではないにもかかわらず、コゼットのために動くジャン・ヴァルジャンは格好良かった。また、コゼットとマリユスが結婚した後、身を引こうとするジャン・ヴァルジャンも揺らぎながらも自身の正義に従って生きているかんじがして、格好よかった。マリユスに自身の生い立ちを語ったのも、司祭に習った正義に従ったため、というのも良かった。
ティルディナイがジャン・ヴァルジャンを救ったり、マリユスの誤解を解く手がかりとなったりしたことが、作者の構成力の高さをうかがえた。
帯に書いてあったことだが、ユゴーが「?」「!」の手紙のやり取りをしていた人ということは、とっても驚いた。

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2013年08月04日

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ネタバレ

読み終わったいまとなっては、もはや感動しかない。内容のレビューなんてとてもする気にはなれない。
そもそもこれは本当に小説なのだろうか。小説とはなんなのだろうか。
この作品は、小説という形を借りた、小説とは違うもっと別の「なにか」のように思えてならない。しかしそれはなんなのだろう、と考えたときに、うまく言い表せる言葉が見つからない。
この作品では、作者の言いたいことすべてが余すところなく綴られている。いわゆる「小説」ならば蛇足となることも、すべて書かれている。正直、読んでいて辟易としたが、これはなくてはならないものだと思う。物語としては必要はないのかもしれないが、この作品はただの物語ではないと考えるからだ。
それと、登場人物が型にはまりすぎている、という指摘もあるが、それも「小説」として捉えると確かにそうだが、作者のやりたいことは小説的に面白い、素晴らしい作品をつくることではないように思え、それが先から述べているようにただの物語ではないので、これはこれでいいと思う。
小説ではない「なにか」。その「なにか」を言い当てることはできないが、作者の目指していたものが徹底追尾、余すところなく、首尾一貫してできていたと確信できる作品だった。小説を書きたいのではなく、自分の伝えたいことを伝えるのに有効な方法が小説だった、そんなように感じた作品だった。

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2013年07月07日

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読み終わりました。
ここまで良いとは思いませんでした…このような作品に出会えて、幸せです。

映画は見ていませんが、やはり原作は良いですね。
誰もが一度は読むべき作品です。

あー、幸せ!本当に幸せ!

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2013年04月09日

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やっと最後までたどり着いた。バリケードからジャン・ヴァルジャンがマリユスをつれだすところ、テナルディエと会うところ、ジャヴェールと会うところ、微妙に映画と違う。重症だったマリユスがなんであんな簡単に回復して、あんな元気だったジャン・ヴァルジャンがなんであんなタイミングよく死ぬのかと疑問だったが原作で解決した。というか映画で最後フォンティーヌが出てくるのはやはりあれは司祭のほうが良かったのではないか。

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2013年02月22日

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ミュージカルのレミゼにはまり、本も5冊まとめ買い。
ストーリーに全く関係のない歴史的な難しい部分などがかなりあり、飛ばし読みしたところもある。

でも、色々と考えさせられる本で、これぞ文学!という印象。
最後は号泣した。

もう少し歳をとったらもう一度読み直したい。

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2011年07月15日

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一大叙事詩だ。人生の全てが詰まっている。いかなる人も、人が裁いてはならないし、否定してもならない。自分の人生を素直に受け入れていくことがどれだけ美しい生き様であるかを、知ることができる。ユゴーの世界観に触れないことは、人生の10年分を損することに等しい、と言っても過言ではないだろう。

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2010年11月19日

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第五部「ジャン・ヴァルジャン」。1832年6月5日、パリの共和主義者は一斉に蜂起し、市街戦を展開する。その中には傷ついたマリユスや、彼を助けるジャンの姿も見られた。やがてコゼットとマリユスは結婚し、ジャンはマリユスに自分の素性を語り、離れて暮らすことになるが、コゼットがいなくなるとジャンは心身ともに衰え、二人が駆け付けたときにはすでに死の床にあった──。

激しく繰り広げられた市街戦によってマリユスの友人が全員戦死したり、テナルディエはどこまでいっても悪人のままでしかなかったり、ジャンの心の葛藤であったり──クライマックスに向けて様々な場面が描かれ、心に痛みを覚えたり、手に汗握る戦闘にこちらもハラハラさせられたり、二人の結婚に思わず笑みがこぼれたりと、自分の中でいろんな感情が交錯した巻だった。
コゼットとマリユスに見守られてのジャンの最期、またそこに至るまでのジャンの決意、マリユスの発見など、感動的な要素もとても多かった。
「憐れな人々」に対するユゴーの無量の愛、現代にも通じる囚人や娼婦に対する人々の偏見や権力による抑圧など、まさに作者の想いが魂となって結実したといえる、名作中の名作といえる作品であろう。

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2010年09月21日

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名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。

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2009年10月04日

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全5巻を読み終えての感想。
古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。
主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。
特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的反応であり、物語に引き込まれた。
また、ジャン・ヴァルジャンの作中でのさまざまな行動は、人間を信じる、ということに対する覚悟と信念の大切さ、それを持続する困難さが伝わった気がする。
他者を信じると共に、正直でもあったジャン・ヴァルジャンの行動原理は、小説の最後の方のマリユスへの述懐、自分が自分を捕らえようとすることから目を背けられない、というものであり、これも読者には当てはまる部分もいくつかあると思う。

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2022年03月20日

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まずは読破できた喜び。がんばってよかった!

遠回しな表現がフランス文学?なのか、でも、クライマックスが近づくにつれ、その感じが心地よく、感情が昂った。やっぱり娘には会いたいよね。

ユゴーの事を知りたくなったし、歴史的背景を勉強してみようか、という気にもなってしまった。
100年以上前の作品の思想は、今も大切にすべきであることに変わりなし。

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2021年04月02日

Posted by ブクログ

ユゴー 「 レミゼラブル 5 ジャンバルジャン 」

ジャンバルジャンの更生やコゼットの愛の物語だけでなく、人間の闇や フランスの混沌も描かれている。まさしく人間劇場。面白かった。

フランスの歴史、隠語集など本編と繋がらない部分に かなりのページを割いていたが、著者の意図を知りたい

本のテーマは 進歩。レミゼラブル=虐げられる人
*悪→善、不正→正義、虚偽→真実、欲望→良心、虚無→神、物質→魂、怪物→天使 への進歩
*レミゼラブル(虐げられた人たち)が進歩するために必要なのは 光(道徳心、教育)

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2018年08月04日

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ネタバレ

レミゼは自分の中での位置づけが難しい。
モンテクリスト伯と同じくらい大好きな本だけど読み終わると当分読みたくないと思う。
好きな本は何度も読み返すタイプだがレミゼは一旦読み終わると次に手に取るまでにかなりの期間があく。
読みた……い気もするけどいや今はいいや……を1年以上かけて10回程繰り返したあとに読みたいが勝ってまた手に取る。そうすると一気に読む。で、また当分見ないこれ、となる。
理由は全部、ジャン・バルジャンがかわいそすぎるから!!!!!
同じ理由で読み終わる頃にはマリユスが大嫌いである。
マリユスに関しては読みたい気持ちが勝ったときでも普通に大嫌いである。もーほんとにもーーーーーーー。

全然話は変わるがこれとモンテクリスト伯を同時に読むとフランス革命がどういうものだったのか、いろんな側面から見れてそこも面白い。

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2011年06月21日

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ユゴーさんは話を作るのが上手いなと思う。最後はもう少しジャン・バルジャンが救われると個人的に嬉しかったが、あんなもんかな。

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2014年08月03日

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いよいよ最終巻でした。マリユスがコゼットと幸せになれたことは良かったのですが、ジャン・ヴァルジャンが可哀想で。暖炉の火が消されてたり椅子がなくなってたり、じわじわ疎外されるのが一番辛いですよね。最後にコゼットに会えて幸せな人生の終わり方だったのでしょうか。

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2013年09月17日

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第五部「ジャンバルジャン」。バリケード戦に参加したマリユスはバリケード陥落の直後、ジャンバルジャンによって、パリの下水道へ逃れる。ジャンバルジャンは負傷し気絶したマリユスを背負い、真っ暗な下水道を流砂に飲まれそうになりながら、出口まではこぶ。出口を開けたのは脱獄し下水道に逃れていたテナルディエであった。ジャンバルジャンは下水道を出たところを、バリケードで助けたジャベールに捕らえられる。彼等はマリユスをジルノルマン老人のところへおくった。ジャンバルジャンはジャベールに逮捕されるつもりでいたが、ジャーベールは失踪し自殺する。傷の回復後、マリユスとコゼットは結婚する。ジルノルマンがあっさり認めたのだ。結婚式の翌日、ジャンバルジャンはマリユスに徒刑囚であったことを告白し、分かれて暮らすようになる。マリユスは内心、ジャンバルジャンの罪を恐れていた。しかし、テナルディエがジャンバルジャンが下水道で「死体」を運んでいたと密告しにきたことで、彼に命を救われたこと、マドレーヌ氏こそジャンバルジャンであり、コゼットの持参金が後ろ暗い金でないことを知る。マリユスとコゼットは、いそいでジャンバルジャンの家に行くが、ジャンバルジャンは既に死にかけており、若い二人に看取られながら、死んでいった。心をうつ物語である。アンジョルラスの革命の演説、ガブローシュの最後、ジャベールの葛藤、ジルノルマンの結婚祝いの演説など印象深い場面が多い。「下水」の歴史にも詳しく、中国と比べてパリは人糞の活用を知らないなど、ディテールが細かい。すこし、ナショナリズムや進歩崇拝が行きすぎていると感じるところもあるが、「レミゼラブル」(虐げられた人々・虐げる人々のダブルミーニング)が目の前にいる時代であれば、非難することはできない。現代にも「レミゼラブル」はいるが、過激な革命は、社会の基盤を破壊してしまう。やはり穏健な修正をして行かねばならないだろう。ユゴーは革命の悲惨さにもふれている。革命家に同情しながらも、人類が本当に幸福になるにはどうすればいいかを追求した作家なのである。「愛する、もしくは愛した、それで十分だ」という言葉がその答えの一部であろう。登場人物はアンジョルラスやジャンバルジャン、ジェベール、マリウス、コゼット、ファンチーヌなど、テナルディエみたいな悪漢もふくめ、みな世間で生きるのに妥協がなく、善や悪に対して、過激で不器用、そして純粋だ。名作である。

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2011年02月24日

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