東野圭吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ガリレオシリーズ3作目にして、初の長編。
映画は観ていたものの、小説を読むのは今回が初めて。直木賞受賞作だけあって、その完成度の高さに圧倒された。
天才数学者が仕掛けたトリックに、天才物理学者が挑む――と書けばキャッチーだが、湯川学は挑んだというより、本当は気づきたくなかった真実に気づいてしまった、と言う方が正しいのかもしれない。
犯人は物語の冒頭で明かされているため、本作はハウダニットを追う物語だ。前作までは、一見不可能に思える殺害方法を科学の力で解き明かしていく構成だったが、今作では人間の思い込みを巧みに利用したトリックが軸となっており、より正統派ミステリーという印象を受けた。
巧 -
Posted by ブクログ
湊かなえさんの『Nのために』のドラマを見ていた。
主人公が「究極の愛とは何か?」を問われるシーンがある。そこでわたしが思い出したのが、この『容疑者Xの献身』だった。久しぶりに再読しようと思っていた矢先のことだった。
本作はミステリとしても一級だけど、究極の愛を描いた名作でもあると思う。読むたびに、読者に対して強い問いかけを感じる。
あなたにとっての愛とは?
いや、多くのミステリは、愛を動機に罪を犯す。その意味では、本作が特別なのではない。でも、わたしにとっては、本作は究極の愛の作品なのだ。すべてが明らかとなった時に、これほどに衝撃を受けたミステリはほかにない。
また、それを「献身」と表現する -
Posted by ブクログ
20年弱に渡る主人公たちの人生を、共に歩んだ気持ちになりました。
一つ一つの出来事が徐々に繋がっていき、次第に大きな渦となり周囲を巻き込んでいくような感覚。
ラストスパートでたしかに二人は白夜の中を歩いていたんだと思い知らされました。
最後は雪穂の人間としての恐ろしさが遺憾無く発揮されていて、この小説を読んだ人とすぐに感想を共有したくなる衝動に駆られます。
なるほど主人公の二人の心理描写が全くと言っていいほど描かれていないということに、解説で気付きました。
他人の内面なんて客観的には行動からでしか推察するだけであり、本当のところは本人にしかわからないというのは、現実でもそうであり、我々が常日 -
Posted by ブクログ
800ページを超える分厚い本を読んだのだから、それなりの時間がかかったはずなのに、読み終えると「あっという間だった」と感じてしまう。
ものすごい引き込まれ方をさせられた。
危うく寝食を忘れるところだった。
亮司と雪穂が主人公であり、これは彼らの物語なのに、彼ら自身の心情が語られる場面は一切ない。
ふたりが顔を合わせて会話する場面すら描かれない。
読者は、彼らに関わった人々の証言や視点からその言動を知り、心情はもちろん起きたことの真相まですべて推測するしかない。
しかし、そのヒントの散りばめられ方はあまりに緻密だ。
ほんのわずかな描写やたった一行から、無関係と思われたピースとピースがカ