東野圭吾のレビュー一覧
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2026年の1冊目として選んだ。
最初の事件の被害者の息子である「桐原亮司」と、容疑者の娘である「西本雪穂」。本来交わることのない2人の成長過程と、その周囲で次々と起こる事件が描かれていく。物語は、2人に何らかの関連がありそうだという空気を漂わせながら進み、徐々に最初の事件の真相が明らかになっていく構成になっている。
「桐原亮司」「西本雪穂」ともに小学生から30歳までを、終始第三者視点で追っていくが、2人の心情や内面の心理描写はほとんど描かれない。そのため、本性が分からない不気味さを強く感じた。
「西本雪穂」の行動は、魔性の女にも見えれば、行き過ぎた純愛のようにも映る。一方で「桐原亮司」は -
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ネタバレ伏線がわかりやすくて、回収もちゃんとしてくれたからすごくスッキリした。
麒麟の翼読んだときにも思ったけど、物語の構成がすごく練られていて、今回は物語の内容も相まって、エンジニアとしても優秀だったんだろうなと思う。
この作品の好きな所は、肝心の二人の心理描写が全然ないこと。第三者から見た印象とか、神視点でしかないのが、余白が合って凄く良い。
考察見たけど、雪穂が純愛を貫いたのか、それとも魔性の女なのか、二択あってなるほど、となった。
誰に感情移入するかで感想が変わるんだろうけど、心理描写がないのでメイン2人に感情移入できないのが不思議な気持ちになる。そこがよい。
思想強くてすまんけど死は -
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ネタバレ強く心に残ったのは亮司と雪穂の生き方の違いだった。二人は同じ過去と罪を抱えているはずなのに、結末で見えたその人生はあまりにも不均衡に見えた。
亮司は最初から最後まで影に生きている。自分の幸せを望むことも、未来を選び直すこともしない。
その姿は静かで、感情を表に出さない分、余計に胸に刺さった。彼は自分の人生を生きなかったというより、生きることを最初から放棄していたように思えてしまった。
一方で雪穂は、過去の被害者でありながらも、名前を変え、立場を変え、光の中で生き続ける。彼女もまた可哀想な存在だと思う。
それでも、読み進めるほどに、どこか「ずるさ」を感じてしまった。
雪穂は生き延びるために選 -
Posted by ブクログ
優しい小説だった。これは時代を超えた魂の邂逅と共鳴、そして赦しの物語だ。
敦也と浪矢雄治という、ほとんど人柄は違うがおそらく相性はとてもいい二人の、心のこもったすれ違いをメインに、様々な人物が温かく交錯する。
この作品の特筆すべき点は、誰一人として裁かれないところにあるだろう。ミステリ・サスペンス特有の『断罪されること』に心が耐えられないような、きわめて優しい方々にも、きっと安心して読める作品だ。
まったく共感できない人物が一人だけ出てくるが、彼さえも裁かれない。裁きは読者の審判に委ねられている。
さて、僕は主にこの敦也と浪矢雄治に共感しながら読んできた。下記の文章はこの二人を軸にして、進