塔山郁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは、心霊現象か、それとも巧妙なトリックか。最後のページを閉じるまで、読者はその境界線で宙吊りにされるだろう。『705号室に、泊まらないでください』は、ホラーの皮を被った、極めて精巧なミステリー作品だ。
じっとりとした恐怖が肌にまとわりつくような序盤から中盤にかけての雰囲気作りは、まさしく一級品のホラーのようだ。
しかし、本作の真髄は、その巧みに張り巡らされた伏線の数々にある。何気ない室内の描写、登場人物の些細な会話、主人公が感じる小さな違和感。それらが終盤、パズルのピースがはまるように一気に収束し、事件の全貌が明らかになる瞬間は圧巻の一言に尽きる。
読み終えた後、もし結末に「ピンとこ -
Posted by ブクログ
705号室の怪異に絡め取られた人達の話から始まり、その後そこに怪異を持ち込んだ人の話へと移り、また絡め取られた人達の話に戻るという展開。
タイトルから、705号室で色んな怪異が繰り広げられる話なのかと思ってたけど、微妙に違ってました。
ホテルマンに命を奪われたあの女性が、何故あのお部屋に呼ばれたのか、その理由が終盤に明かされるところが印象的。
大体は、偶然とか生に執着していないとか、ふんわりとした理由で終わりそうなのに、しっかりめの原因があったところ、そこが良かったです。
ただ、枝葉の部分が長めで…しんどかった。ちょっと斜め読みをしてしまいました。雑誌で連載されてたの?って思えるくらいの肉 -
Posted by ブクログ
初読み作家さん。
タイトルから都市伝説系のホラーかと思ったら、割とガチ系の呪いものだったのでびっくり。
序盤の数章は一人の視点で語られていたのが、温泉旅館の因縁話辺りから複数視点に変わりだして、混乱するなぁと思っていたところに、因縁話が長いもんで中だるみしてしまい、怖さがどこかに行ってしてしまった。
やたらと一文が長くて、それを頭の中で音読するとまるでラップをしているかのようで意味が頭に残らないというか上滑りするというか、さすがに長すぎるだろうと文章の長さばかりが気になって、はっきりいって読みづらい…と、このくらいの長さよりもっと長かった(笑)
これがこの方の個性だとしたら私は合わなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレホテル側にしてみれば迷惑極まりない話だなとは思った。
発端を持ち込んだ人は元旅館の人間とはいえ、ある意味とばっちりでは。
それで従業員もお客様も巻き込んでの騒動になっていて気の毒に思えた。
様々な人たちの視点から語られる705室に関わるホラー話。
それぞれの人間の話が妙に生々しく、そんなところまで語らんでもと思える部分まで赤裸々に書かれているので、705室の謎はどうなったと思うことも。
一人称で書かれているところはよかったのだが、三人称のところは一文が異様に長い時があり(何なら何行にも渡る一段落がまるっと一文だったり)読みにくいところも。
もう少し細かく切って欲しかったなあ……ホラー的怖さ -
Posted by ブクログ
ネタバレ706号室に泊まった男は金縛りにあったり705号室からの騒音を感じるが、朝確認すると誰も泊まってないとのことだった。
清掃員の女性も705号室は昔から倉庫だったことを知っているが、この度客室にすると聞いて嫌な予感がしている。(ってか10年で2人が自殺してるホテルって普通なのか?)
デリヘル嬢は805号室で仕事をした後、705号室に立ち寄って、部屋の中から伸びてきた手によって部屋に引き込まれる。
そして施設係の山田が、705号室の改装中に竹筒を壁の中から発見し狂う。デリヘル嬢を引き込んで殺したのも、音を立てていたのも山田だった。
デリヘル嬢の送迎係が705号室に電気がつくのを見てたり、部