塔山郁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズの第四弾。今回は新キャラクターが登場する。
薬局の話に限定すると話のカラーに偏りが出そうかなと思ってたけれど、主人公の爽太が勤めるホテルのエピソードと絡めることで楽しく読み続けられている。
今回は自分が誰か分からないお婆さんの話とマルチ商法にハマった母を助けようとするホテル従業員の話、そして、馬場さんの結婚相手にまつわる話だった。
人が弱ったり苦しんだりする時、最初に頼るのが薬だと思う。その頼る気持ちを利用したりするのは本当に許せないし、一度頼ってしまったらそこから自分の心を引きはがすのも易しいことじゃない。
「引き返す」ことの難しさ、自分のしたことを恥ずかしいと思って立ち止まって -
Posted by ブクログ
ちょうど新型コロナの最も激しい頃の話。色々と思い出しながら読んだ。
日常が失われ、主人公の水尾爽太が勤務するホテルも宿泊客は激減。毒島さんも薬剤師である仕事上、人と会うことは避けましょうということで、二人の仲はいったんストップしている。
そんな中、馬場さんが発熱した。新型コロナの可能性が高いと判断され、濃厚接触者である爽太とともにホテルの最上階に隔離されることになる。
読みながらこの頃の生活が鮮明に蘇り、感慨深かった。
今もまだ、しっかり予防していかなければならないけれど、あの頃は本当に落ち着かない日々だったな。
描かれたエピソードはどれも印象的で、特に赤ん坊を育てている若い母親の話が心に -