塔山郁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ホテルマンの水尾爽太は、医者から処方された薬を丹念に塗るも足の痒みが治まらず、人知れず悩んでいた。
薬をもらいに薬局に行くと、毒島という女性薬剤師が症状についてあれこれ聞いてくる。
そして眉根を寄せて、医者の診断に疑問を持ち……。
ホテル客室の塗り薬紛失事件に、薬の数が足りないと訴える老人、
痩身剤を安く売る病院など、毒島は薬にまつわる事件や謎を華麗に解決していく!
病院や薬剤師、薬への正しい向き合い方もわかる一冊です!
**
祖母の本棚より
実際にある薬の名前をもじっているから、この薬ならこうなるかな…と予測しながら読むのも面白かった。
シリーズ化しているかと思って調べてみたら、めちゃくち -
Posted by ブクログ
「薬剤師・毒島花織」シリーズ第六弾はスピンオフ作品。漢方薬局に勤務する薬剤師・宇月啓介のお話である。
漢方薬局てんぐさ堂を訪れるお客さんの話を聞き、体に合う漢方薬を勧めるのが宇月の仕事だが、じっくり話を聞いていると原因は心の不調だったりする。日常生活の中にとんでもないストレスの種があって、びっくりするのと同時に引き込まれた。新型コロナの後遺症で味覚がおかしくなる話や、仕事の相手がトラブルを持ち込む話など、どれも本当に解決が難しい。他人ごととは思えない。
宇月の聞き方も説明の仕方も、とても丁寧で配慮があって読んでいるだけで落ち着く。まるで心療内科の先生みたいだ。
最後に、今までの話に登場した患 -
Posted by ブクログ
安定の満足度。少し間が空いたけれど、「薬剤師・毒島花織」シリーズ第五弾。
今回はホテルマン水尾爽太と薬剤師毒島さん、刑部さんの三人が伊豆の宿泊施設に行く話である。デジタル・デトックスが売りのそこで、三人は少し風変わりな参加者と出会う。
全部で三つの中編が収められているのだが、最初の宿泊施設の顛末が終盤の展開に絡んできて統一感があった。今回は全体的に、メンタルに作用する薬の話が多かったように思う。
仕事で何かと毒島さんと自分を比べて落ち込んでしまうという刑部さん。過去の自分が時折甦ってきて虚無感に苛まれるという馬場さん。悩みが無い毎日を暮らしているように見えても、みんな自分の心と精一杯折り合 -
Posted by ブクログ
ネタバレリバーサイドホテルの705号室で起きた、奇妙な出来事の話。
その部屋に泊まると、その場で人が死ぬわけではない。
ただし、泊まった人間が後に死ぬ、という噂がある。
宿泊者は共通して、恐ろしい夢を見たり、説明のつかない体験をしたりする。
しかも異変は705号室だけにとどまらず、周辺の部屋でも起きていた。
705号室には誰も泊まっていないはずなのに、隣の706号室では壁越しに物音がすると訴える宿泊客が現れる。
また、性風俗で働く女性が、705号室の真上にあたる805号室に呼ばれたあと、消息を絶ったという出来事もあった。
では、その部屋に何があったのか。
手がかりは、かつて705号室に -
Posted by ブクログ
シリーズの第四弾。今回は新キャラクターが登場する。
薬局の話に限定すると話のカラーに偏りが出そうかなと思ってたけれど、主人公の爽太が勤めるホテルのエピソードと絡めることで楽しく読み続けられている。
今回は自分が誰か分からないお婆さんの話とマルチ商法にハマった母を助けようとするホテル従業員の話、そして、馬場さんの結婚相手にまつわる話だった。
人が弱ったり苦しんだりする時、最初に頼るのが薬だと思う。その頼る気持ちを利用したりするのは本当に許せないし、一度頼ってしまったらそこから自分の心を引きはがすのも易しいことじゃない。
「引き返す」ことの難しさ、自分のしたことを恥ずかしいと思って立ち止まって -
Posted by ブクログ
ちょうど新型コロナの最も激しい頃の話。色々と思い出しながら読んだ。
日常が失われ、主人公の水尾爽太が勤務するホテルも宿泊客は激減。毒島さんも薬剤師である仕事上、人と会うことは避けましょうということで、二人の仲はいったんストップしている。
そんな中、馬場さんが発熱した。新型コロナの可能性が高いと判断され、濃厚接触者である爽太とともにホテルの最上階に隔離されることになる。
読みながらこの頃の生活が鮮明に蘇り、感慨深かった。
今もまだ、しっかり予防していかなければならないけれど、あの頃は本当に落ち着かない日々だったな。
描かれたエピソードはどれも印象的で、特に赤ん坊を育てている若い母親の話が心に