塔山郁のレビュー一覧
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三話からなる短編構成なのはこれまでどおりですね。以前の作品ではそれぞれ独立した短編が最後でつながっている部分もみえて面白かったのですが、本作では宇月さんがそのつなぎ役、といったところでしょうか。
二話目のマルチ商法的なストーリーでは、宇月の本物の知識の前でマルチまがいの商売を企んでいる相手が徹底的にやり込められているいて、その反論内容も理論に裏打ちされたものではないのがなんだか滑稽。でも、そんなトークであっても体調不良に苦しんでいる人はかんたんに手を出してしまう、という見本でしょうか。天然とか耳障りのいい言葉に無意識・無条件に反応してしまうことは結構ありそうで、気を付けなければ、と思います。 -
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ネタバレ夏だしなんとなく怖い話が読みたくてタイトルで選びました。タイトルと表紙はラノベっぽさがありますが、内容は真面目な警察小説でした。
主人公は後遺症で幽霊がハッキリ見えるようになった、女性警官です。幽霊が見えると言っても一発で犯人がわかるわけでもなく…殺された方に犯人を聞いても教えて貰えなかったり、嘘つかれたり。万能では無いところがなんでもありにならずにいい塩梅でした。
4つの事件がありましたが『ダークサイドソウル』と『ナイトストーカー』が特に背筋がゾクゾクするほど怖かったです。やっぱり生きている人間が1番怖いです。
結末が切ない気持ちになるお話もあれば、ゾクゾクした気持ちになるものもあり、 -
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捜査一課の刑事・橘川七海は、初めての女性捜査一課長になるや...と言われたほどの優秀な刑事であった。
しかし、ある事件による負傷が元で、休職することに。そして、長い昏睡の後、霊の姿が視え、声が聴こえる体質に。
いろいろ悩んだ末、死者と対話出来る刑事として、上司了解のもと、新たな部署で活動を開始する。
・ラブ・アブダクション
・ダークサイドソウル
・イノセントボイス
・ナイトストーカー の4篇。
『イノセントボイス』の中で、たとえ自分は死んでも、幼い妹(2才)だけは救いたい...まだ幼い兄(4才)のその気持ちに涙しました。
続編を希望します。 -
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現代の「医薬分業」の実態がミステリ形式で気軽に読めるところが面白い作品。
そもそも日本は欧米に比べて医薬分業制の導入が遅れていたが、分業元年と言われる1974年(昭和49年)はもちろん、その後も長い期間薬は病院でもらって(購入して)いた記憶がある。そもそも法律はあるものの医薬分業が進まなかったのは、病院が薬を購入する価格と患者に処方(販売)する価格差が大きく、それが病院の大きな収入源となっていたからであり、そのために患者を大量の薬漬けにする病院側の行為が社会問題化したのが医薬分業普及のキッカケと言われている。日本薬剤師会の最新データによると、現在の日本の医薬分業率は82.1%。90%台の地域も -
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悍ましく恐ろしいサスペンス・ホラー。
いままでにも幾冊か塔山郁さんの著書を読んだが、なかでも薬剤師・毒島花織の名推理は好きなシリーズだが、それとは全く趣きも異なり驚いた。
滝川美優がフリーのライターになり、家族とは疎遠だったがとりあえず実家に戻る。
近所のエリート一家が住んでいた家が、いつからか霊能力者の母子に乗っ取られていると気づいたときから、そこに住んでいた早瀬一家の行方が気になり…。
最初から滝川美優は、嵌められていたのか…
蠱毒という呪術がある。
毒虫などを一つの器のなかに閉じ込めて、お互いに食らわせる。最後に生き残った一匹を呪いの道具にするというものだ。
それを虫ではなく猿を -
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ホテルマンの水尾爽太は、医者から処方された薬を丹念に塗るも足の痒みが治まらず、人知れず悩んでいた。
薬をもらいに薬局に行くと、毒島という女性薬剤師が症状についてあれこれ聞いてくる。
そして眉根を寄せて、医者の診断に疑問を持ち……。
ホテル客室の塗り薬紛失事件に、薬の数が足りないと訴える老人、
痩身剤を安く売る病院など、毒島は薬にまつわる事件や謎を華麗に解決していく!
病院や薬剤師、薬への正しい向き合い方もわかる一冊です!
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祖母の本棚より
実際にある薬の名前をもじっているから、この薬ならこうなるかな…と予測しながら読むのも面白かった。
シリーズ化しているかと思って調べてみたら、めちゃくち -
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「薬剤師・毒島花織」シリーズ第六弾はスピンオフ作品。漢方薬局に勤務する薬剤師・宇月啓介のお話である。
漢方薬局てんぐさ堂を訪れるお客さんの話を聞き、体に合う漢方薬を勧めるのが宇月の仕事だが、じっくり話を聞いていると原因は心の不調だったりする。日常生活の中にとんでもないストレスの種があって、びっくりするのと同時に引き込まれた。新型コロナの後遺症で味覚がおかしくなる話や、仕事の相手がトラブルを持ち込む話など、どれも本当に解決が難しい。他人ごととは思えない。
宇月の聞き方も説明の仕方も、とても丁寧で配慮があって読んでいるだけで落ち着く。まるで心療内科の先生みたいだ。
最後に、今までの話に登場した患 -
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安定の満足度。少し間が空いたけれど、「薬剤師・毒島花織」シリーズ第五弾。
今回はホテルマン水尾爽太と薬剤師毒島さん、刑部さんの三人が伊豆の宿泊施設に行く話である。デジタル・デトックスが売りのそこで、三人は少し風変わりな参加者と出会う。
全部で三つの中編が収められているのだが、最初の宿泊施設の顛末が終盤の展開に絡んできて統一感があった。今回は全体的に、メンタルに作用する薬の話が多かったように思う。
仕事で何かと毒島さんと自分を比べて落ち込んでしまうという刑部さん。過去の自分が時折甦ってきて虚無感に苛まれるという馬場さん。悩みが無い毎日を暮らしているように見えても、みんな自分の心と精一杯折り合 -
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ネタバレリバーサイドホテルの705号室で起きた、奇妙な出来事の話。
その部屋に泊まると、その場で人が死ぬわけではない。
ただし、泊まった人間が後に死ぬ、という噂がある。
宿泊者は共通して、恐ろしい夢を見たり、説明のつかない体験をしたりする。
しかも異変は705号室だけにとどまらず、周辺の部屋でも起きていた。
705号室には誰も泊まっていないはずなのに、隣の706号室では壁越しに物音がすると訴える宿泊客が現れる。
また、性風俗で働く女性が、705号室の真上にあたる805号室に呼ばれたあと、消息を絶ったという出来事もあった。
では、その部屋に何があったのか。
手がかりは、かつて705号室に