塔山郁のレビュー一覧
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ネタバレ三話構成。内一話はコロナ関連のお話。
「ノッポちゃんとアルコール依存症」
アルコール依存症を治す魔法は実在するのか,という話。
「毒親と呼ばないで」
幼い娘を持つ若い母親が異常なほど頻繁にどうめき薬局にやってくるという。一番の目的はその母親が毒島さんと話がしたいということのようだが,それ以外にもちょっと懸念があって...。
「見えない毒を制する」
ホテル・ミネルヴァのフロント係の同僚,馬場が発熱した。時期的にコロナ発症が疑われるため,総支配人判断で,宿泊客のいない最上階の一室に隔離することに。水尾もちょっとした不注意から馬場からの感染を疑う事態となり,馬場と同じフロアで自主隔離しながら,馬場の -
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あちゃ☆
アンソロジーにはよくあるけども、ほとんど読んだことがあった!
「ビブリオバトルの波乱」岡崎琢磨……珈琲店タレーランのシリーズ
「緋色の脳細胞」小西マサテル……『名探偵のままでいて』シリーズ
「知識と薬は使いよう」塔山郁……薬剤師毒島さんシリーズ
「ふくちゃんのダイエット奮闘記」友井羊……『スープ屋しずく』シリーズ
「暗い部屋で少年はひとり」 柊サナカ……谷中レトロカメラ店シリーズ
最後のカメラのお話だけ未読だった♪
タイトルは暗そうなイメージで、実際途中までそっち方向にミスリードされるけど、実は強く前向きな少年の姿と決意を表していた。小品ながら、佳品。読後感がよい。 -
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30年前、一人の少年が学校給食を食べて死亡した。その数日後、クラスメイトが、自分が毒を混入したと遺書を遺し、自殺した。
事件はこれで本当に解決したのか?
30年前の事件に関わる人たちの口から語られる、当時は見えなかった真実。あの時、あのクラスで何が起きていたのか。
語られる人によって、人物像が二転三転する、というのは、ままある手法だなぁという気も。キーパーソンとなる二人の間にある、友情なのかなんなのか分からない関係にもさほど共感は出来ない。小学生ってこんな感じだっけ?という…
伏線がわりと分かりやすく張ってあるので、まぁまぁ推察しながら読める。
デビュー作というのがうなずける作品であった。 -
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ネタバレ医者の息子で学級委員を務める容姿端麗な6年生の楠本大輝が、給食の牛乳を飲んで死亡した。事件の三日後、クラスメイトが牛乳に毒を混入したことを告白した遺書を残して廃工場で自殺。それから30年後、癌で死期を悟ったある人物が覆面作家の小説を読んでその作家の正体に気づき、事件の真相を調べる決意をする。
素人が証言を集めるという設定にちょっと引っかかる。見ず知らずの他人に語るかなあ。見ず知らずだから語るかな……
最後の二人の対決は一幕の舞台にしたら見応えがあるような気がする。
物語としては淡々としていてフラットに読める。みんな素直にしゃべるなあという点だけ違和感があるが。真相も二転三転してびっくり -
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「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズは、好きで読んでいるが、この作品はデビュー作で2009年の単行本、2010年に文庫本上下巻を新装版にしたものである。
小学校六年六組で起きた毒殺混入事件、その3日後にクラスメイトが牛乳に毒を混入したことを告白した遺書を残して自殺。
事件は終息したが、それから30年後当時の担任がある小説を読み衝撃を受ける。
作者が何者か、知っていると感じた。
そして余命僅かだと推測される彼が甥に頼んだのは、30年前のことを彼らのことを知ることだった。
読みながら12歳という微妙な年齢の心の内を考えないわけにはいかない…とそんな気持ちなった。
簡単に判明し自殺で終わった事件