あらすじ
累計25万部突破「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズ著者の原点! 第7回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作。
小学6年生の男子生徒がクラスメイトを毒殺した。男子生徒は、同じ毒で服毒自殺を遂げ、犯行動機がはっきりしないまま事件は幕を閉じる。30年後、ある人物が当時の関係者たちを訪ね歩くと、思いも寄らぬ事実と驚愕の真実が明らかに――!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
薬剤師毒島花織シリーズの作者のデビュー作で、このミス大賞の優秀賞だそうです。
お話しは小学6年生の時に起きた、同級生毒殺事件とそれに伴う犯人の同級生の自殺の真相を、30年後に調べるというもの。
調べられたものはインタビューという形式だったり、手紙という形式だったりで語られて、単純なイタズラではなかった。
先が気になって読み進めたけど、作家になった副委員長の女性の作品の抜粋はちょっと意味がわからなかった。
Posted by ブクログ
塔山郁さんのデビュー作!
小学生が毒殺されるという衝撃な事件から始まる。
30年後関係者へのインタビューや手紙で真相を掘り起こしていく。
長編小説だったけど、展開が気になって
読む手が止まらなかった!
Posted by ブクログ
多感な小学生が教室で体験した毒殺事件が時を止めた
ひとつの事件を30年後に当事者の証言を元に再構成
する作業が見もので、証言があれば担任の甥の報告書
児童の姉からの接触等、様々なパターンで事件の輪郭
がピントが合う・・・と思えば別角度からの視点だと
真相が別にある様に見えるため、人間の数だけ真実が
ある
Posted by ブクログ
30年前、一人の少年が学校給食を食べて死亡した。その数日後、クラスメイトが、自分が毒を混入したと遺書を遺し、自殺した。
事件はこれで本当に解決したのか?
30年前の事件に関わる人たちの口から語られる、当時は見えなかった真実。あの時、あのクラスで何が起きていたのか。
語られる人によって、人物像が二転三転する、というのは、ままある手法だなぁという気も。キーパーソンとなる二人の間にある、友情なのかなんなのか分からない関係にもさほど共感は出来ない。小学生ってこんな感じだっけ?という…
伏線がわりと分かりやすく張ってあるので、まぁまぁ推察しながら読める。
デビュー作というのがうなずける作品であった。
Posted by ブクログ
医者の息子で学級委員を務める容姿端麗な6年生の楠本大輝が、給食の牛乳を飲んで死亡した。事件の三日後、クラスメイトが牛乳に毒を混入したことを告白した遺書を残して廃工場で自殺。それから30年後、癌で死期を悟ったある人物が覆面作家の小説を読んでその作家の正体に気づき、事件の真相を調べる決意をする。
素人が証言を集めるという設定にちょっと引っかかる。見ず知らずの他人に語るかなあ。見ず知らずだから語るかな……
最後の二人の対決は一幕の舞台にしたら見応えがあるような気がする。
物語としては淡々としていてフラットに読める。みんな素直にしゃべるなあという点だけ違和感があるが。真相も二転三転してびっくりというよりは、読者が自分でたどり着けるようにフェアな書き方をしている。
起きたことは解明されたが、人の心の中まではわからない。
Posted by ブクログ
「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズは、好きで読んでいるが、この作品はデビュー作で2009年の単行本、2010年に文庫本上下巻を新装版にしたものである。
小学校六年六組で起きた毒殺混入事件、その3日後にクラスメイトが牛乳に毒を混入したことを告白した遺書を残して自殺。
事件は終息したが、それから30年後当時の担任がある小説を読み衝撃を受ける。
作者が何者か、知っていると感じた。
そして余命僅かだと推測される彼が甥に頼んだのは、30年前のことを彼らのことを知ることだった。
読みながら12歳という微妙な年齢の心の内を考えないわけにはいかない…とそんな気持ちなった。
簡単に判明し自殺で終わった事件だが、何かあると…、二転三転する内容に怖さを感じる。
不安や孤独のなかでのクラスの崩壊に為す術ももなく、ただただ流されてきたという事実。
誰が何を追求するわけでも、できるはずもなく…年数だけは経過していった。
唯一無二の真実など存在しない、居合わせた人の数だけ、それぞれの心に真実は存在するのだから。
小学生の頃の記憶は、それがとても罪深いことだと感じたときに後悔が残りいついつまでも悔いるのだろうか…。などと思ってしまった。