塔山郁のレビュー一覧
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「薬剤師・毒島香織の名探偵」シリーズにも登場していた宇月さんでは⁇と思ってたらやはりそうだった。
まさか、スピンオフだったとは。
宇月さんの職場である「漢方薬局てんぐさ堂」にやってくる患者さんのちょっとした謎をサクッと解決する。
漢方医学に関する知識も豊富な宇月さんならではの視点から患者の不調を解く全四話。
第一話 漢方薬入門〜32歳の出版社に勤める編集者加納有紀は、入社当時に担当した池崎から大麻をテーマとした本を出版してくれないかと持ち込まれたが、預かったのは原稿だけではなかったことを知らずに、直後にてんぐさ堂の宇月に気づかれる。
深く立ち入ることなく、やんわりとした警告だけ…という宇月の落ち着き加減も凄い。
第二話 夏梅の実る頃〜70歳を過ぎた箕輪京子は、間接リウマチとアトピー性皮膚炎の既往歴があり、漢方を処方しているが、ドングリが苦手になった理由があって…。
子どもの頃に祖父の病気に効くと友だちから渡されたものが、ドングリではなくマタタビの実だったことに気づく宇月さん。
第三話 ノーテイスト・ノーライフ〜情報番組の一コーナーで食レポをするユリアは、コロナの陽性判定が出た後から味覚障害に悩まされていた。
近くのクリニックでは薬も出してくれず、仕事に支障が出るのは困るとの思いで漢方薬局にやって来る。
すぐに効果が出るものではなく、毎日飲み続けて数週間、あるいは数ヶ月かけて症状を緩和させたり、体質を変えていくのが漢方薬を使う治療であるが…。
食レポをしているので焦りがあった。
唯一、味のわかるものが、サルミアッキというお菓子で…。
このリコリス菓子を大量に食べて意識障害を起こしてしまう。
飴に含まれる甘草の過剰摂取が原因だとわかる。
第四話 長男の務め〜川島は、長男であるが故に父の世話も視野に入れていたが弟や妹にも話をしなければと思っていたことは…。
相続のことかと思っていたが、宇月に個別に相談したいことは毒草のことで。
庭木や樹木、雑草で毒性の強い植物で人を殺すことはできるか、ということだった。
自然死のようにぽっくりと殺すような毒草はないというのが明らかになったわけだが、なんとも言い難い複雑な話ではあった。
このことから宇月が自身の左手と左脚の麻痺の原因が、大学生の頃に恋人に紅茶に毒を入れられたことを話す。
やはり薬に纏わる話は、知らずにいると危険もあるということがわかった。
ある意味怖いことである。
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Posted by ブクログ
ネタバレ5人の作者の著書から選ばれた5篇。
小西マサテルさんの「緋色の脳細胞」以外は
初めてだったので色んな作風が読めて
面白かったです。個人的には友井羊さんの
「ふくちゃんのダイエット奮闘記」が
予想の少し上をいかれる結末に楽しめたし、
グルメと摂食障害の組み合わせの作品は
今まで読んだことがあったようでなかったので
興味深く読めました。
岡崎琢磨さんの「ビブリオバトルの波乱」は
本作を読んだことがないのでえっ!店員さん
そんな感じでぶっこんで来るのと驚き、
柊サナカさんの「暗い部屋で少年はひとり」は
すごいやさしい世界でほっこりした。
塔山郁さんの「知識と薬は使いよう」は
今までにあまり読んだことのないジャンル
だったのですごく面白く、本編の方も
読みたくなりました。あぁ~これがこの本に
仕組まれた罠だったのか・・・ -
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〈薬剤師・毒島花織の名推理〉シリーズ第五作。
今回は毒島花織の活躍は控えめ。逆に主人公の水尾爽太が頑張っている。
「毒消し山荘の奇妙な事件」
『デジタル・デトックス』を売りにした伊豆山中の宿にやって来た、爽太・毒島・刑部の三人。だが五月女という男性客は何故か毒島を気にしているようで、爽太は気が気ではない。
ヨガやアロマもこういう使い方をされると妖しさ満載。その結末は…。
余談だが、帰路で『無人島に行くときに薬を一種類だけ持っていけるとしたら』という話で盛り上がる毒島と刑部の薬剤師の話が面白かった。結局一つに絞れず三つになっていたし。
「うつの双つの顔」
あの馬場さんが食欲をなくし気力もなくして欠勤が続いている。シリーズ初期の無茶苦茶な馬場さんはすっかり息をひそめて変わり果てた姿に。
一方で爽太の勤務先のホテルにもお騒がせ客が。彼女は馬場とは逆にハイテンション。だが彼女もまた何かしらの病を患っているらしい。
毒島の知り合いの漢方薬剤師・宇月再登場。全く嫌味の無い誠意も知識もある薬剤師に見える。結局医師や薬剤師と患者もまた相性やいい出会いかどうかというもののように思えてくる。
爽太が懸命に馬場に気遣っているのが嬉しい。
同僚・くるみ同様、わたしも双極性障害については昔「躁うつ病」と呼ばれていたころの知識しかなかった。うつ病とは全く違うメカニズムで起こる病気で治療法も違うということを初めて知った。
馬場が良くなることを祈るのみ。続編では体調が良くなった姿を見たい。
「カンナビス・クライシス」
どうめき薬局に新たに加わった薬剤師がどうも問題児らしく刑部は苛々している。そして爽太は旅行会社の予約サイトの口コミに批判的な書き込みをされて頭が痛い。
だがその二つの事件は爽太をピンチに追い込んでいく。
どうめき薬局の秘密が少し明かされたのは興味深い。これまでミステリアスだった百目鬼社長の人間味が見えてきた。
二話の問題客については希望の光のようなものがあったが、三話についてはどうなのか。家族にこういう人間がいると堪らない。だが本人もまた何らかの問題を抱えているし、その中でどう周囲の人たちと折り合いをつけ社会で生きていくのかは難しい。
そこに手を差しのべる百目鬼や当人を冷静に分析できる毒島は素敵だが、個人的には刑部に近い私としてはどうしても刑部に肩入れしてしまう。
彼女の劣等感も感情も分かるので彼女が今後前向きになってくれたら良いなとも思う。
次回こそ爽太と毒島の関係に変化があるのか、また馬場の体調がどうなるのかに注目したい。
※シリーズ作品一覧(全てレビュー登録あり)
①「薬も過ぎれば毒となる」
②「甲の薬は乙の毒」
③「毒をもって毒を制す」
④「病は気から、死は薬から」
⑤「薬は毒ほど効かぬ」本作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ノッポちゃんとアルコール依存症」
展開的にはなんとなく想像できるけれども、少し強引かなぁと思った。
水尾は、偽薬を飲ませたかもしれないと言っていたけど、一般人がそんな簡単に手に入れられるものなのかしら。いまいち、めでたしめでたしとはいかないストーリーだった。
「毒親と呼ばないで」
免疫の仕組みやワクチンの働きなどの説明は、今こそ読んでほしいな。
でも、いくら仮名で話してる設定とはいえ、医療職でもない赤の他人に何の病気で罹ったかべらべら話す薬剤師は嫌だなぁ。最後に他言しないように釘は刺していたけれど。
「見えない毒を制する」
これは面白かったし、とても緊張感のあるストーリーだった。鳩に関係あるのかなとは思ったけど、オウム病というのは初めて知れて興味深かった。
馬場さんが改心して本当によかった。 -
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。
今回も薬剤師の毒島さんとホテルマンの水尾が、ホテル内での出来事で薬に纏わる難事件を解決する。
それでもこのシリーズは、毒島さんの恩人だという男性、宇月さんが中心になってる感が、強めであった。
なにしろ漢方に関する知識が半端ない。
まさしく漢方医学のプロである。
漢方って、中国古来のものと思っていたが、違っていたことに、そうなんだ…と。
やはり、奥が深いなぁと思った。
第一話 私は誰、ここはどこ?
第二話 サプリメントと漢方薬
第三話 秘密の花園
特に第二話は、マルチ商法的な話でもあり、これは更年期障害の辛さを感じている女性なら簡単に手を出してしまいそうだなと思った。
しんどい時に何気なく手を出してしまうサプリメントや漢方。
医薬品では無いこのことばで、身体には優しいイメージがインプットされるのだ。
そして、「水」。
これは怪しいと思うのだが、もともと水なんてあんまし違いがわからない私には、意味はないのだが。
だが、わからないでもないと思った。
頭痛持ちである私は、『頭痛封じ守』が欲しいと思ったのだから。
今回も薬について考えることが多かった。
自分でも良く知ってからでないと簡単に使用できないかもと思ったりした。