塔山郁のレビュー一覧
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〈薬剤師・毒島花織の名推理〉シリーズ第五作。
今回は毒島花織の活躍は控えめ。逆に主人公の水尾爽太が頑張っている。
「毒消し山荘の奇妙な事件」
『デジタル・デトックス』を売りにした伊豆山中の宿にやって来た、爽太・毒島・刑部の三人。だが五月女という男性客は何故か毒島を気にしているようで、爽太は気が気ではない。
ヨガやアロマもこういう使い方をされると妖しさ満載。その結末は…。
余談だが、帰路で『無人島に行くときに薬を一種類だけ持っていけるとしたら』という話で盛り上がる毒島と刑部の薬剤師の話が面白かった。結局一つに絞れず三つになっていたし。
「うつの双つの顔」
あの馬場さんが食欲をなくし気力もな -
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ネタバレ「ノッポちゃんとアルコール依存症」
展開的にはなんとなく想像できるけれども、少し強引かなぁと思った。
水尾は、偽薬を飲ませたかもしれないと言っていたけど、一般人がそんな簡単に手に入れられるものなのかしら。いまいち、めでたしめでたしとはいかないストーリーだった。
「毒親と呼ばないで」
免疫の仕組みやワクチンの働きなどの説明は、今こそ読んでほしいな。
でも、いくら仮名で話してる設定とはいえ、医療職でもない赤の他人に何の病気で罹ったかべらべら話す薬剤師は嫌だなぁ。最後に他言しないように釘は刺していたけれど。
「見えない毒を制する」
これは面白かったし、とても緊張感のあるストーリーだった。鳩に関係 -
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シリーズ4作目。
今回も薬剤師の毒島さんとホテルマンの水尾が、ホテル内での出来事で薬に纏わる難事件を解決する。
それでもこのシリーズは、毒島さんの恩人だという男性、宇月さんが中心になってる感が、強めであった。
なにしろ漢方に関する知識が半端ない。
まさしく漢方医学のプロである。
漢方って、中国古来のものと思っていたが、違っていたことに、そうなんだ…と。
やはり、奥が深いなぁと思った。
第一話 私は誰、ここはどこ?
第二話 サプリメントと漢方薬
第三話 秘密の花園
特に第二話は、マルチ商法的な話でもあり、これは更年期障害の辛さを感じている女性なら簡単に手を出してしまいそうだなと思った。
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Posted by ブクログ
『薬剤師・毒島花織』シリーズ4作目。連作短篇集で3話からなる。薬剤師の花織の活躍をホテルマンの水尾爽太の視点から描く。
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3話目で珍しく薬草毒物殺人が絡む本格ミステリーになるかと思ったのですが、結局は大山鳴動して~の展開で、やっぱりなと笑ってしまいました。それでも多数の毒性植物の解説はおもしろく読めました。
ただ、今回初登場の宇月の薬剤の説明は堅苦し過ぎて、まるでテレビやラジオの解説番組を聴いているように感じました。
もともと説明が多く、文章のリズムが悪くなりがちなのが気になっていたのですが、今回はそれが少し強く目についたように思います。
内容的に -
Posted by ブクログ
生死の境を彷徨う臨死体験を二回経験し、街を歩けば死者と生者の区別がつかない、という状態の能力を警察の未解決事件捜査に生かそう、なストーリー
一般的に死者=生きてる人より雄弁、嘘をつかない(解剖学とか検死をテーマにした小説にありがち)というのはテーマにされやすいので、のっけから「死者の声を聞くと死者も嘘をつくことがある」という場面から始まるのが意表を突かれる感じでなるほど、とは思った。
で、死者が語ったことを元に捜査を進めようにも、根拠を求められて死者が語ったからとも言えず悩むというジレンマ。
設定や事件描写の濃さ(グロさ)の分キャラ設定があっさり目なのかな…