塔山郁のレビュー一覧
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30年前、一人の少年が学校給食を食べて死亡した。その数日後、クラスメイトが、自分が毒を混入したと遺書を遺し、自殺した。
事件はこれで本当に解決したのか?
30年前の事件に関わる人たちの口から語られる、当時は見えなかった真実。あの時、あのクラスで何が起きていたのか。
語られる人によって、人物像が二転三転する、というのは、ままある手法だなぁという気も。キーパーソンとなる二人の間にある、友情なのかなんなのか分からない関係にもさほど共感は出来ない。小学生ってこんな感じだっけ?という…
伏線がわりと分かりやすく張ってあるので、まぁまぁ推察しながら読める。
デビュー作というのがうなずける作品であった。 -
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ネタバレ医者の息子で学級委員を務める容姿端麗な6年生の楠本大輝が、給食の牛乳を飲んで死亡した。事件の三日後、クラスメイトが牛乳に毒を混入したことを告白した遺書を残して廃工場で自殺。それから30年後、癌で死期を悟ったある人物が覆面作家の小説を読んでその作家の正体に気づき、事件の真相を調べる決意をする。
素人が証言を集めるという設定にちょっと引っかかる。見ず知らずの他人に語るかなあ。見ず知らずだから語るかな……
最後の二人の対決は一幕の舞台にしたら見応えがあるような気がする。
物語としては淡々としていてフラットに読める。みんな素直にしゃべるなあという点だけ違和感があるが。真相も二転三転してびっくりというよりは、読者が自分でたどり着けるようにフェアな書き方をしている。
起きたことは解明されたが、人の心の中まではわからない。 -
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「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズは、好きで読んでいるが、この作品はデビュー作で2009年の単行本、2010年に文庫本上下巻を新装版にしたものである。
小学校六年六組で起きた毒殺混入事件、その3日後にクラスメイトが牛乳に毒を混入したことを告白した遺書を残して自殺。
事件は終息したが、それから30年後当時の担任がある小説を読み衝撃を受ける。
作者が何者か、知っていると感じた。
そして余命僅かだと推測される彼が甥に頼んだのは、30年前のことを彼らのことを知ることだった。
読みながら12歳という微妙な年齢の心の内を考えないわけにはいかない…とそんな気持ちなった。
簡単に判明し自殺で終わった事件だが、何かあると…、二転三転する内容に怖さを感じる。
不安や孤独のなかでのクラスの崩壊に為す術ももなく、ただただ流されてきたという事実。
誰が何を追求するわけでも、できるはずもなく…年数だけは経過していった。
唯一無二の真実など存在しない、居合わせた人の数だけ、それぞれの心に真実は存在するのだから。
小学生の頃の記憶は、それがとても罪深いことだと感じたときに後悔が残りいついつまでも悔いるのだろうか…。などと思ってしまった。
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ネタバレ薬剤師の毒島が、薬に関する知識を駆使して、周りの人たちを助ける物語。
水尾爽太は、新規開業するグループホテルのヘルプ要員として軽井沢に行っており、今回は出番なし。
現代社会のさまざまな問題に向き合う連作。
【収録作品】
第一話 認知症と株券
第二話 眠れない男
第三話 はじめての介護
第四話 誰にも言えない傷の物語
第五話 処方箋と闇バイト
第六話 肝油ドロップとオブラート
第一話 爽太の後輩・原木くるみの相談。認知症を患う祖母について。
第二話 不眠症の薬をもらうためしばらくぶりに受診した星野栄一郎。病院や薬局で今浦島ぶりを発揮し、八つ当たりする。
第三話 母親が祖母を引き取り、同居を始めた大学生の亮平。仕事の都合がつかない母に代わり、同居を始めた祖母の受診に付き添うことになる。祖母は転院先の病院でもらう薬に不平を漏らしていた。
第四話 手首に傷を負った中2の少女・矢倉雅。偶然彼女を見かけた毒島はその怪我に不審を抱く。
第五話 カラーコピーを用いた処方箋。毒島は薬の不正入手と転売という違法行為の問題に立ち向かう。
昨今の社会情勢に照らして、どの話もフィクションとばかりは言えないリアルな不気味さがある。闇バイトの話などは、毒島が一人で切り込むような問題ではない。
素人としてはせめて正しい知識をもち、うっかり道を踏み外さないようにしたい。 -
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シリーズ第6作。
6話が収録されているが、うち3話は超短編。
またこれまで主人公を務めることの多かったホテルマン・水尾は出張中で不在。
そのせいか、毒島の謎解きがサクッと書かれる印象だった。
認知症や介護の話が2話、最近よく聞く闇バイトの話もある。
単なる薬の話に収まらず、当事者の背景にも踏み込んでの謎解きとなるため、毒島はこれまでも煙たがれたりして自己嫌悪に陥ることもあったらしい。
だが毒島が薬のことで生き生きと話すシーンや、薬のことだけではなく幅広い知識を持っている所を読むに、相当の勉強を現在進行形でしていることは想像できるし、辛いことがあっても結局は薬学がすきなのだろうなということが感じられる。
毒島の名字の由来である、毒=トリカブトは『薬として使う時は附子(ぶし)、毒として使う時は附子(ぶす)と読』むように、薬も使いようによっては毒にもなるし、人生を危うくさせるものにもなる。
だがだからこそ正しい知識を持って使うことが大切だし、私のような素人は、分からなければ聞くことが大事なのかなとも思った。
そういう時に面倒がらずに丁寧に教えてくれる毒島のような薬剤師や医師がいてくれると嬉しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ薬剤師・毒島花織の名推理シリーズの
スピンオフ的な作品かな?なんて思いながら
読んだらまったくもっていい意味で騙された。
漢方薬って葛根湯くらいしか知らなかったし
薬と違って漢方薬を飲むことに対して
そこまで意識していなかったんですが、
なかなか奥が深い漢方薬についてのお話が
いっぱいでした。ストーリーの謎に関しては
別作品に出てくる毒島花織同様、宇月さん
謎解き過ぎやろっ!まぁちょっと体質が
変わってそれに伴って人と違う感覚で
推理できるってところは興味深かった。
「漢方薬局てんぐさ堂」を支える薬剤師も
店主の奈津美もいいキャラで次回作が
あってもまだまだ面白そうですね。