Netflixでドラマが始まったので、過去にどこかで綴った書評を転記。
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さすがにもう読んだやろ?って言われるくらい読んだ方が良いし、読んでほしい本。
月並みな表現であんまり好きじゃないけど、「知らないと人生半分は損する」という言葉はこの本のためにあるような気がする。
一方で、この世界観を真っ
...続きを読むさらな未知の状態で新鮮に読める未読者のことを、非常に羨ましく思う。
凄い。とにかく凄い。
もはやメディアで散々取り上げられ、
■中国国内で三部作累計2100万部刊行
■著者の劉慈欣はアジア人&翻訳書で初のヒューゴー賞受賞(SF小説の最高峰)
■オバマやザッカーバーグが大絶賛
と前評判ではかなり持ち上げられていたが、そんなハードルは天高く軽々と飛び越えるほどの圧倒的なスケールと妄想力とストーリーテリング。
脳みその今まで使ったことのないヘリをグリグリと引っ掻き回されるような、「ナンダコレ」がひたすら続きながらも止まらない没入感。
15年前の学生時分に徹夜で耽ったホーガン著『星を継ぐもの』ばりにのめり込んで読みました。
内容は王道ストレートにド変態変化球を混ぜまくったSF小説。
文化大革命、VRゲーム、ナノテクノロジー、沈黙の春、天体物理学、三体問題、粒子加速器、ファーストコンタクトと色々とギミックを織り交ぜながら予測不能な展開の数々。
ニュートンとジョンフォンノイマンと始皇帝が議論を交わし、何百回と栄えては滅びる文明世界とか字面だけでワクワクする。
あらゆる知識が縦横無尽に散りばめられ、知的欲求をこれでもかと満たしてくれる。
著者の博覧強記ぶりには脱帽です。(科学的に完全に正しいかとかそんなんは置いといて)
その全貌はエヴァンゲリオン「人類補完計画」の比にならないくらい思想的でショッキング。
中国ではこの本の大流行を機に、SF教育での子どもの想像力育成や、SF都市の開発による観光&テクノロジー活性化なんかの動きもあって、それほどに『三体』の影響力は大きいみたい。
日本も「文系理系」横断教育の一環として、国語でSF小説を題材に科学教育してもイイんじゃなかろうか。
星新一とか小松左京好きになる少年少女いっぱいおるやろし。