魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めっちゃよかった、真理をめぐるひとの想いが紡がれてる様、素敵
心に残った言葉たち
・もし過去の積み重ねの先に答えがないなら、真理にとって我々は無駄だったかもしれん。しかしたとえ誤ちでも何かを書き留めたことは歴史にとって無意味ではないと、願っている
・私達の人生はどうしようもなくこの時代に閉じ込められている。だけど、文字を読むときだけはかつていた偉人たちが私に向かって口を開いてくれる。その一瞬この世界から抜け出せる。文字になった思考はこの世に残って、ずっと未来のだれかを動かすことだってある
・自らが間違ってる可能性を肯定する姿勢が学術とか研究には大切なんじゃないかということです。第三者による反 -
ネタバレ 購入済み
生涯を賭けた研究と観測データ
オグジー&バデーニは然るべき能力の持ち主を探すため、街の掲示板に設問を掲示し、それをヨレンタという14歳の少女が半日で解答します。
女性であるが故に無意識に差別されて天文学の研究からは遠ざけられていますが、ピャスト伯はそうではないようです。
たふぁ半世紀をかけて天動説を完成すべく師匠から研究を引き継いできても、完成には程遠く、最悪それは大前提が間違っているからでは?と満ちた金星を見た気がしていたので、疑念はあっても踏み切れなかったようです。
抜群の視力を持つオグジーが金星を観測し、満ちているのを確認するのは実証科学の手法でしょう。少なくとも金星は太陽の周囲をまわっていないとこうはならな -
ネタバレ 購入済み
秘密の箱がつながります
グラスとコンビを組んでいるオグジー、代闘士という決闘の相手を代わりにしています。
グラスは2人による護衛任務で異端者と会話し、様々な感情をいだいたようです。
この異端者はノヴァックに刺されますし、グラスはこの後、橋が崩れて落下するときに、遺言のようにな話をして例のペンダントをオグジーに伝えて落下死してしなす。
1人、バディーニなら話が通じるだろうとオグジーは面会し、ここで例の箱なども見せ、宇宙が変わるぞ、と聞きます。
火星逆行の謎、の真実を説明するのにこのお2人がある中心点を廻ると、外側(火星、バディーニ)の動きが遅くなり、とまって逆向きに動き出すのが実感できるのです。
非常に分かりやすい地動 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公補正が強そうだなという第一印象から一転、あまりにも早い物語からの退場に衝撃を受けた。命をかけてでも追い求めたい真理、そのために僅かな可能性に賭け、それを誰かに託す。
天動説、地動説、天文など理系がテーマかと思いきや、文字が奇跡であること、信念を貫くこと、またそれを疑うこと…人文学や哲学など、文系にも深く根差した物語だった。
人間ってどうせ死ぬし、自分が生きてる意味は無いという前提を持っていたが、自分も広大な歴史のごく小さな1パーツとして存在していて、もしかしたらそれが何か後世に影響をもたらすのかもしれないと思えた。後世に何を遺せるか、自分の命をどう使おうか、そういう考えを持てた。
久し -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本で得たいこと・背景
陰謀論にハマっている人は「みんなは気づいていない。私は気づいている」という選民意識が掻き立てられるのだろうと想像していた。ただなぜハマるのかがわからなかったので、その過程が描かれているだろうこの本を手に取った。
気づき
人生が自分の思い描いたようになっていないという不満、それは誰かがそういうふうに操っているからだという責任回避の思考、認知能力など様々な要因があるのだと思う。
人生を良くしていきたいという願望を主人公が陰謀論を信じることで、叶えられると考えている。一種の救いや希望になっているように感じた。
またこれは陰謀論に限らずだが、必要とされていることによる承認欲 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気に見た。
地動説の知識が、関係者ではなく、
偶然そこにいた他人に渡り歴史になっていくところが面白かった。
一方で、敵役がずっとノヴァクなのも良かった。ノヴァクは正義のために地動説信者を処刑しているが、最後にこの歴史の悪役であることに気付いた。
なぜ、元傭兵が聖職についているのかということも最後に明かされた。
処刑された主人公たちは、
最初は賢く生きようとしたり、死を恐れていたりするが、
最後には次の主人公に歴史を託し満足して死んでいくのが印象的。
ヨレンタは自爆したが、
ノヴァクの顔を見て予定より早く火をつけた感があった。
ノヴァクはヨレンタの顔を一瞬見ていて、
飛んできた手を常に -
Posted by ブクログ
NHKアニメの再放送 をたまたま見て、先が知りたくなり原作コミックを夢中で読んでいる。
地動説が必ず迫害の対象になったかは意見が分かれるらしい。確かに聖書に何も反していないような気がする。以下Wikipediaより。
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地動説について言及する際には、必ずと言っていいほど、「地動説を唱える者はキリスト教会によって厳しい迫害がなされた」という主張がされる。しかし、ジョンズ・ホプキンス大学シングルトン前近代ヨーロッパ研究所所長、科学史教授、化学教授で、アメリカを代表する科学史家[46]のローレンス・M・プリンチーペ(英語版)は「科学者と宗教家の勇壮な戦い」という構図は、19世紀後半に考案さ -
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命にかえても
冒頭から拷問で口が裂けている人が出てきます。
12歳で大学への入学が認められたラファウ、大学では神学を学ぶと言いますが、ある異端者・フベルトに出逢います。
天動説はあまり美しくはないだろ?という発言もあり、ラファウは6等星まで観測できる視力の持ち主です。この辺から地動説の話が出てきて、ラファウも直感的にこれが正しいのでは?と感じます。
フベルトが箱に入れていた資料、あとオリオン座の三連星をモチーフにしたペンダントがこの作品のキーアイテムです。
フベルトも、そしてラファウも命に替えてでも自分たちの感じた感動を後世に残そうとしていましたが、異端審問官で元傭兵のノヴァックは仕事として当然のように異端