魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元陸上部で短距離でした。陸上で学んだことは、どうやっても勝てない人がいるということです。まさか、漫画でそんな残酷な現実を表現するとは…。漫画なんだから、もっと夢のある世界を描けばいいのに。
それでもスポーツ漫画の王道的な熱さもあって、夢と現実の温度差で涙が出てきます。
ゲームじゃないから駆け引きとかもないし、勝てない相手にはどうにもならないし、でも、だからこそ熱くなれたし、虚しさからも一時解放されました。
陸上は一人しか勝者がいなくて、後の全員は人生かけてもそこには行けなくて、それでも何のために走るのか?
作品を読みながら考えてみてください -
Posted by ブクログ
(一週間昏睡状態から目覚めた)
オクジー
迂闊にも憧れて、求めてしまったからだと思います
何を
自由を
ノヴァク
自由なんて聞こえはいいが、規範がないなら獣と変わらないではないか
オクジー
今ある規範を疑えないなら、それも獣と大して変わらない
84ページ
復元されるのは君の文章だ
あれは論文としての価値はないが
感動
が伝わる可能性は高いだろう
この世に何かを残して、全く知らない他者に投げるのは、私にとって何ら無意味で無価値だ。しかし、不思議なものでそれを無価値だと判断しない領域もあるそうだ。例えばーーーー
歴史がそうらしい。
墨で書かれた虚言は、血で書かれた事実を隠すことはできない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ時は暗黒の中世ヨーロッパ。主人公ラファウは神童と呼ばれるほど優秀で、神学校へ進学することを期待されていた。当時は異端審問官が「異端」の疑いありとする人を拷問にかけ、C教の教義と少しでも外れると異端者として火あぶりで処刑されることが日常茶飯事だった。ラファウは「異端」として道に外れない様時には嘘をつき要領よく振る舞うことが得意で、この世は「チョロイ」と思っていた。だがある日、異端審問から「改心」した謎の男を受け入れて世話することになり…
「それでも地球は回っている」と「地動説」を唱え、教会から「異端」とされ処刑されたガリレオ・ガリレイに至るまでの、沢山の「天文」に取りつかれた人たちの物語。
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Posted by ブクログ
常々思っていたと言うとアレですが、
歴史物で「人の意思は受け継がれる」と言う割に1人の人生を重んじすぎでは?と思っていたのをとても上手に体現してくれたような。
チ。というテーマに沿って数々の人の想いが受け継がれていく(つまり主人公と思ってた人がバンバン死んでく)。
そしてその想いが結実するだいぶ前に物語は突然終わる。というかつまり、歴史上では「始まる前の」物語だったようだ。
個人的には、尋問官が物語の軸のように見えるのがやだなーとずっと思ってたら、チの意味の一つを担ってたり、最後「同じ時代を生きる仲間」のようなメッセージで、より高い視点を持たされてはえーってなった。
自分の生き方を振り返っ -
Posted by ブクログ
『チ。』とセットで読もう。
2つの狂気は同質だから。
一つ、アナロジー。
アリはエサを運ぶとき、仲間の出したフェロモンを辿る。
辿っていけば、確実にエサに辿り着けるから。
しかし、ときどきルートを外れるアリがいる。
彼らはバカなアリなのか。否である。
エサまでのより効率的なルートを発見する可能性があるのは、ルートを外れるアリだ。
足並み揃えるアリには、新たなルートは生み出せない。
2つの作品の狂気は、あえて外れ者の道をゆく狂気である。
それは笑われるかもしれないが、ときに道を開くこともある。
愚かなアリに敬意を。
余談
さすがに魚豊さん、『NHKにようこそ!』読んでるよね!? -
Posted by ブクログ
ネタバレ■「100mさえ速ければ、すべてを解決できる」という全能感。 足が速いという天賦の才が、教室での居場所や友人関係を担保する唯一の通貨となる小学生コミュニティの絶対のリアリティから始まる。100mというわずか10秒足らずの直線が、世界と自分を繋ぐ唯一の「橋」であるという切実な生存戦略が、物語の序盤から胸を打つ。
■特筆すべきは、安易な友情や精神論を突き放した先にある、乾いた熱量。「100メートル速くてなんかあるの?」、「そんな意味ないこと、いつまでやるの?」という冷笑を認識しながら、それでもなお「今、熱いか」を自らに問い続ける。
どうせみんな死ぬので、会社頑張っても、100メートル頑張っても一 -
Posted by ブクログ
相対性理論に関する本を読んでいた時に、特殊相対性理論はアインシュタインがいなくとも、それほどの年月を待たずに何者かが発表したであろうという文章があった。すなわち特殊相対性理論の発見は、それまで積み上げられてきた研究内容に対して、ひとりの天才のひらめきと理論により完成したもので、「アインシュタインが存在しなかったのなら特殊相対性理論は生まれなかった」というわけではない、ということだ。革新的な発見は何者にも代えがたい世紀の天才によるものだと思っていたので、意外だった。先人からバトンを受け渡され、そのとき、理論のもっとも完成に近いタイミングでアインシュタインという天才がいて、最後のピースをはめること
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白すぎる。
普段グロシーンのある作品は苦手で読むのを避けているのですが、この物語の根幹はグロでは無いので楽しく読めた。
冒頭の異端審問官が地獄のアンミカのようになっていた。
ノヴァクは知性と知識が次の命へ命へと繋がっていくところを異端審問官という立場で他の誰よりも間近で見届けまくっているのも面白い。彼は「家族友人の日々の“信仰”や“生活”を守るためならなんだってする」と言っていたが、大事な娘さんがこれから先、地動説側になったとしたらどうするのだろう。ラファウや今まで自分が拷問してきた異端者たちのことを思い出したりするのかな。今回のラファウの牢屋での行動で何かノヴァクの心にも動きがあったりする