魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれは、地動説の物語だ。コペルニクスがいない並行世界が主な舞台だ。
われわれ読者がいるこの現実世界では、コペルニクスは近代地動説の提唱者とされる。大学で当時の天文学の権威アルベルト・ブルゼフスキから教えを受け、地動説を磨き、その成果が活版印刷物となって世に広まった。これは史実だ。
これとは別に設けられた並行世界が、本作品の舞台だ。アルベルトはオクジーという名の下層民として生きており、成り行きで地動説に関わってしまう。異端者として処刑されるが、遺した本が人手にわたり、地動説が活版印刷で世に広まる動きとなっていく。
読者は本作品を手に取り、長い物語をずっと辿るが、なぜか史実らしいものには出 -
Posted by ブクログ
圧倒的な人間賛歌だった。
知ろうとすること、何かを信じること、何かを愛すること。それら全ては人間にしかできないこと。
だから世界は美しくて、世界は美しいと人は感じることができる。時代を超えて文字が受け継がれて、同じ星を見て奇蹟だと思える。
作中「悪役」とされるノヴァクでさえ、疑うことが出来ず道を違えた、純粋に娘を愛するただの人間だと描かれる。登場人物は皆どこまでも何かに対して愚直で純粋であることが何故かとても泣けた。
無惨に死んでいく人や拷問される描写などの苦しい展開も多いけれど、根底に作者がどこまでも人間のことを好いているのだろうということが伝わってきた。
この時代にこの作品が生まれて -
Posted by ブクログ
元陸上部で短距離でした。陸上で学んだことは、どうやっても勝てない人がいるということです。まさか、漫画でそんな残酷な現実を表現するとは…。漫画なんだから、もっと夢のある世界を描けばいいのに。
それでもスポーツ漫画の王道的な熱さもあって、夢と現実の温度差で涙が出てきます。
ゲームじゃないから駆け引きとかもないし、勝てない相手にはどうにもならないし、でも、だからこそ熱くなれたし、虚しさからも一時解放されました。
陸上は一人しか勝者がいなくて、後の全員は人生かけてもそこには行けなくて、それでも何のために走るのか?
作品を読みながら考えてみてください -
Posted by ブクログ
(一週間昏睡状態から目覚めた)
オクジー
迂闊にも憧れて、求めてしまったからだと思います
何を
自由を
ノヴァク
自由なんて聞こえはいいが、規範がないなら獣と変わらないではないか
オクジー
今ある規範を疑えないなら、それも獣と大して変わらない
84ページ
復元されるのは君の文章だ
あれは論文としての価値はないが
感動
が伝わる可能性は高いだろう
この世に何かを残して、全く知らない他者に投げるのは、私にとって何ら無意味で無価値だ。しかし、不思議なものでそれを無価値だと判断しない領域もあるそうだ。例えばーーーー
歴史がそうらしい。
墨で書かれた虚言は、血で書かれた事実を隠すことはできない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「浅く考えろ 世の中舐めろ 保身に走るな 勝っても攻めろ」
「不安とは君自身が君を試す時の感情だ 栄光を前に対価を差し出さなきゃならない時 ちっぽけな細胞の寄せ集め1人 人生なんてくれてやれ」
財津の言葉が人生とか物事の価値とかを考えすぎてしまう私にとても刺さった。
ちっぽけな細胞の寄せ集めって、、え、、って笑
結局考えて考えて考えた先に他人からの評価や社会的な意義なしにただただ好きだから走るというのが
好きな食べ物の理由を聞かれた時になかなか答えられないような感じでそれでも生きる上で大切な視点だと思った。
映画も絶対観ます!!!
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Posted by ブクログ
ネタバレ時は暗黒の中世ヨーロッパ。主人公ラファウは神童と呼ばれるほど優秀で、神学校へ進学することを期待されていた。当時は異端審問官が「異端」の疑いありとする人を拷問にかけ、C教の教義と少しでも外れると異端者として火あぶりで処刑されることが日常茶飯事だった。ラファウは「異端」として道に外れない様時には嘘をつき要領よく振る舞うことが得意で、この世は「チョロイ」と思っていた。だがある日、異端審問から「改心」した謎の男を受け入れて世話することになり…
「それでも地球は回っている」と「地動説」を唱え、教会から「異端」とされ処刑されたガリレオ・ガリレイに至るまでの、沢山の「天文」に取りつかれた人たちの物語。