工藤純子のレビュー一覧
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小学校の放課後、歩と孝太郎と連と颯斗の四人は教室でこのあと遊びを探していた。
その時、颯斗が清也のランドセルにクラスで飼育している金魚のエサを入れる。
歩と孝太郎と連は何が起きたかわからなかった。
颯斗のそれは仲直りのいたずらだった。
一週間前、颯斗と清也は小競り合いをしていた。
初めは軽い気持ちのいたずらが、いじめへと変化していく。
章ごとに久保塚連、三橋清也、関颯斗、担任の原島夏帆の視点で書かれています。
大人たちは、軽い気持ちのいたずらだから、『握手しておしまい』でかたずけようとする。
しかし、いたずらをされた方は納得がいかない。なぜ俺なのかと疑問が残る。
小学生のなかなか自分の気持ちが言葉にできないもどかしさが読んでいて伝わってくる。
いじめを注意すれば今度は自分がいじめの対象になるから見て見ぬふりをしてしまう。
大人でも保身を考えて行動できないことは沢山ある。
型通りの解決策では解決しない。
お互いの話を聞くことが必要だ。
それと聞く側との信頼関係も必要だ。
先生だからと言って生徒はなんでも話すわけではない。
ラストはそれぞれが変わる為に一歩を踏み出してゆく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「一将の弟、荻野先生に怒られて泣いてたよ」
幼馴染の咲良にそう言われた。
弟の将人は、大縄大会の朝の練習に参加しなかったことで怒られたそうだ。先生は「できない子は来て」と言っていて、将人は自分は大縄跳びは(他の競技よりは)できるという認識で行かなかったということだった。
事件はそれだけでは終わらなかった。
将人のクラスメイトが将人に大縄大会に出るなと言い、将人はそれから学校に行けなくなった。正義感の強い咲良に促されて色々なところに訴えたり、親や先生、PTAも事件に関わってきたけれど要領を得ない。
そんな中、ある先生が言った「学校はだれのもの?」という言葉がずっと引っ掛かっている。学校は僕たちのものだ、でもじゃあどうすればいいんだろうか。
学校には先生と子どもだけではなくて、子供の親、地域の人など色々な人たちが姿はなくとも存在していて複雑な関係性を築いているということがよく分かるお話でした。
先生と子どもの関係だけでも、ある子から見たら嫌な先生、怖い先生でも、別の子から見たら良い先生、優しい先生というふうに印象が全く違っていて、子ども達は自分の受け取った主観でのみ判断をするので、時々とても辛辣になるのだなあと思いました。子ども達の中にも当たり前ですがそれぞれの事情があって、皆が皆同じ家庭環境ではない、その差が最も激しいのが小学校だと思います。
思いやりの気持ちや相手の立場に立って考える、発した言葉を相手がどう受け取るかを考える、それを学ぶ機会も皆同じじゃない。心配していたと思ったら、全く自分の預かり知らぬところで立ち直る姿をみて拍子抜ける、そんなリアルだなあと思える人間関係を見事に描いていると感じた一冊でした。それゆえに、読むのが辛いなと思うところもありました。
皆もっと話し合って!相手の話をしっかり聞いて!とモヤモヤイライラするところもありました。勧善懲悪!一件落着!な終わり方でもなかったです。でも最後は子ども達が「また明日!」と言って別れることができただけで今は充分、そう思えるお話でした。
大人もそうでしょうが、子どもも色々考えているし受け取っている。発する言葉が拙かったり考えがまとまっていないから侮っていいというわけではない、そのことを改めて考えさせられるお話でした。 -
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ネタバレ真鍋先生だけのお話の本も読みたいと思った。
和樹くんとお母さんのやりとり、湊くんとお母さんのやりとりを読んで、同年代の子育てをしている身としてはハッとさせられる部分も多かった。
和樹くんと美咲ちゃんのやりとり、湊くんとかえでちゃんのやりとり、読み進めていくうちにそれぞれの成長を感じれるのもすごく良い。
みんな同じ6年生なのに違う学年にも感じてしまうけれど、それがまたこの本の良さだとも思う。
湊くんの万引きのお話のところはどうなるんだろうとドキドキもした。子を持つ親として、同じようなことが我が子にいつ降りかかるかはわからないなと思った。
子供はこうやって少しずつ少しずつ、お互いの個性を知り、人間関係を学びながら親の知らないところで日々成長していくんだなと思えた素晴らしい一冊でした◎
工藤純子さんの作品にまた感服!
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新年から、とてもいい本を読ませてもらった。今朝コメダで読んでたんだけど、途中から泣けてきてヤバかった…
小学校のいじめ問題。先生、親、子どもそれぞれの立場の真摯な意見を読めてよかった。特に有希子先生の、「(先生と親は)文句を言う側と文句を言われる側ではなく、協力して子どもを守らなくちゃ」という意見にはとても同意。私は子どももいないし、先生でもないけど、小学校で働いて見ていて思うのは、子どもたちの関係に正解はないから、周りの大人たち全員でその子たちに一番いいと思える正解を作っていけたら、ということ。理想かもしれないけど、児童書は理想を書いていてほしいとも思った。