中受 12歳の交差点

中受 12歳の交差点

1,485円 (税込)

7pt

4.5

『サイコーの通知表』『だれもみえない教室で』など学校における子どもたちの生きづらさに寄り添った作品を生み出し続ける児童文学作家・工藤純子。書き下ろし最新作のテーマは、加熱する「中学受験」!都立中学の受検(適性検査)、私立中学の受験、AO入試。三者三様の動機と道のりから、受験のリアルを描き出します。


──「学歴」というのは、ゲームでいう「武器」のようなものだ。いい学歴は最強の武器になる。だったら、ゲームオーバーにならないために、そのアイテムを獲得するのは当然のことだ。中学受験は、そのために必要なこと。ステージをクリアしていくため「魔法の鍵」。そう感じ取って、「ぼくも中学受験する!」と、その場で宣言した。(本文より)


小学6年生の新は、都立中学合格を目指し、進学塾に通いながら勉強漬けの日々を送っている。かつて夢中だったサッカーを辞め、中学受験にすべてをかけてきた。しかし模試の成績が下がり、塾の先生からも私立受験の提案を受け、ふがいなさに心が揺れる。そんな折、あこがれだった従兄が有名高校を中退したことを知り、「進学校に行けば成功するわけではない」と思い知らされる。なんのために、誰のために受験をするのか? 悩む新。

一方、クラスメイトから軽く扱われがちな広翔は、自分の意見をうまく言えず、自分のことを透明人間のように感じていた。広翔にとって学校とは「楽しくない場所」なのが当たり前。しかし私立中学の見学に行き、「ここなら友だちができるかもしれない」と自分なりの受験を決意する。

バレーボールに打ち込むつむぎは、勉強が得意とはいえない。近所の公立中学にはバレーボール部がなく、中学生になったらバレーをやめなければならないと思っていた。だが、憧れのバレーボール選手の言葉をきっかけに、ペーパーテストではない「AO入試」があるということを知る。6年生の12月という遅い時期から、家族一丸となり合格を目指し……。


「中受」を考えている方、「中受」真っ最中の方、「中受」を終えた方、そして保護者の方にも読んでいただきたい一冊です。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / よみもの
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    224ページ
  • 電子版発売日
    2025年06月25日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    3MB

閲覧環境

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中受 12歳の交差点 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    6年生3人の中学受験の物語。高学歴を得るためと思われがちな中学受験ですが、広翔やつむぎのような受験もあるんだと知りました。そして何のために受験するのかをタイムリミットぎりぎりまで悩み続けた新にもエールを送りたい気持ちです。
    ミナミ先生や、塾の先生、新の父のように、見守る大人たちもよかった。こんな大人

    0
    2025年08月03日

    Posted by ブクログ

    すげータイトル、流行ってるよな受験テーマくらいで読みましたが、大した力作でした。トップ高狙いの子だけではなく自分に合った中学に行くことを自分で決める子、どたん場でAO入試に挑戦する子と、読者の方の精神が削れそうなほど受験勉強する系の話とはまた毛色が違って大変よかったです。

    0
    2025年07月23日

    Posted by ブクログ

    普段はほとんど手に取らない児童文学。子どもが中受真っ只中ということもあり、タイトルに惹かれて手に取りました。
    いろいろな中受、賛否両論ある中受、好き嫌いの別れる中受。こんな風に中受ができたら素敵だなと思わされました。子どもたちの純粋で、ふとしたら壊れてしまいそうな思い。それを支える周りの友だちや、素

    0
    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    中学校受験に向き合う3人の物語。3人が中受する理由はそれぞれで、中学校への進学は一つの節目、親の言いなりになって何となく選ぶものではないことを改めて考えさせられた。自分で悩んで考えて目標を決め、懸命に頑張ろうとする3人は、受験を通して大きくたくましく成長していく。中学校受験に関わる人には特におすすめ

    0
    2025年10月28日

    Posted by ブクログ

    タイトルからして偏差値至上主義の受験戦争の話を想像したが、色々な理由で中学受験する子3人の話だった。受験する子どもの周りの大人のサポートもよかった。
    2人目と3人目はどうしてその学校に行きたいか偏差値じゃないプラスの理由があって試験問題に取り組んでいるところで親目線で泣けた。

    0
    2025年09月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3人の6年生がそれぞれの中学受験をする話。
    各章でそれぞれが主人公として中学受験と向き合うところは「君の鐘がなる」に似ているけれど、受験内容は「中受」の方が様々だ。「君の〜」は塾の友だちで、こちらは学校の友だちという設定だからかな。
    1人目の稲葉新は偏差値65の都立中高一貫校を目指し勉強を続けている

    0
    2025年10月06日

中受 12歳の交差点 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / よみもの
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    224ページ
  • 電子版発売日
    2025年06月25日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    3MB

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