川原繁人のレビュー一覧

  • 音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで

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    音声学の、特に調音と知覚について、日常にある疑問を解説してくれる本。豊富な図やグラフ、サイト上の音声や動画により具体的にイメージしやすいように工夫されている。

    ことばは脳で聴いている、という事が改めてイメージできた。母語に無い音も、ブレンドされた中間の音も、“いつも”のことばに違いないと脳が判断するから、聞き取りにくくても聞けるすばらしさがあるんだろう。

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    2016年07月16日
  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    生成AIに興味があるので読んでみた。

    前に同じ著者の本を読んだことがある。
    その著者が、AIに批判的な点をどうとらえているのか気になった。

    音声学者というだけあって、文字情報よりも音声の言語を重視している。
    「文字がない言語はあるけど、音声がない言語はない(手話は音声とみなす)」には納得。

    そのうえで、AIおしゃべりアプリの問題点を「感情的な抑揚」「他の感覚を含めた随伴性」「養育者との愛着」という点で否定的な立場をとっている。

    「専門家アクセント」は初めて知った。面白い。
    マイクのマを低く発音するような。
    確かに、その業界感があふれて来て楽しい。

    SNSの広がりの時期と、精神疾患増加

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    2025年12月21日
  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    子ども向けのおしゃべり生成AIというものが開発されているらしい。それへの危機感から書かれた本書だが、それ以外にも生成AIと人間の言葉の処理の仕方の違いなど、周辺のことがよくわかり、自分なりにどう向き合えばいいのかを考えるための材料が得られたと思う。
    学者なので、著者個人的には否定的な意見を持ちつつ、できるだけ公平に議論を進めようとする書き方にも好感を持った。

    生成AIとおしゃべりを続けた子どもが、生成AI言語と人間の言語のキメラのようなものを作り上げてしまう可能性、
    生成AIの即応性や、何を言っても決して傷つかない感情のなさに慣れてしまい、人間とのコミュニケーションに支障をきたす可能性、

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    2025年12月20日
  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    ものすごく平たく言えば、言葉はコミュニケーションツールなのだから、人間同士のコミュニケーション現場でしか獲得し得ないでしょう、ということですね。それはその通りだと思うので、本書に賛同します。
    日頃ぼんやりと感じていたことが、研究者の情報提供(研究結果)で裏付けられたことが有り難い。

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    2025年11月27日
  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    AI関連の技術書だと、技術者視点で論じた内容になるので、本書の用に別の専門家視点で論じられているのは面白い。新書ならでは。

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    2025年10月27日
  • 「声」の言語学入門 私たちはいかに話し、歌うのか

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    言語の本質は文字ではなく音声であり、いかに複雑な動きで音声を発しているのか、気持ちというものを乗せることのできる声という媒体の素晴らしさに気付かせてくれる。プリキュアやポケモンの名前を通して音象徴の概念を伝えたり、文字を音声にすることを仕事としている上白石萌音さんやゴスペラーズ北山さん、言葉のプロである俵万智さんらとの音声にまつわるやり取りを通じた音声についての考査等、音声学を身近に感じさせてくれる1冊。

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    2025年07月30日
  • 「声」の言語学入門 私たちはいかに話し、歌うのか

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    筆者はそんなところに興味を持つんだ…と思うが、内容を聞いてみると実におもしろい。
    そんな感じで話が進んでいくと同時に、筆者の恐縮芸(?)を中心とした文章展開もおもしろい。
    事前知識としては言語学はちょろっと聞きかじる程度ではあったが、内容、文章ともに楽しめる本であった。

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    2025年07月13日
  • 音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む~プリチュワからカピチュウ、おっけーぐるぐるまで~

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    めちゃめちゃ可愛い言い間違いが次々。
    子供が小さいうちに読みたかったな。
    著者の暑い想いも伝わってきます

    音韻論の教科書としても楽しいが、自分は専門ではないので味わうだけでした

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    2025年07月08日
  • 「声」の言語学入門 私たちはいかに話し、歌うのか

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     音声学の入門書ではありますが、本書のなによりの魅力は、著者の川原 繁人(かわはら しげと)さんが出会った「声のプロ」たちとのエピソードだと思います。

     例えば、「第一章 声から言語を考える」では、俳優の上白石萌音さんとNHKEテレの番組『スイッチインタビュー』で対談したエピソードが紹介され、「第二章 感覚をいかに言語化するか」では、歌人の俵万智さんとの出会いが紹介されていて、有名なサラダ記念日の歌は元は恋人に唐揚げ弁当を作ってあげた歌だったのをサラダに変えたというエピソードや、「さ行」は多くの空気が流れるから、俵万智さんは「爽快」というイメージで創作の中に取り入れているという音声学的な話も

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    2025年07月07日
  • 「声」の言語学入門 私たちはいかに話し、歌うのか

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    ネタバレ

    戦後まもなく→身振り手振りを交えた対面中心のコミュニケーション
    1950年頃→電話の普及による音声中心のコミュニケーション
    2000年頃→メールの普及による文字中心のコミュニケーション
    という時系列の整理がわかりやすかった。
    その上で、文字だけでは伝わらない音声言語の表現力を知ることができた。

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    2025年06月21日
  • 「声」の言語学入門 私たちはいかに話し、歌うのか

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    SNS等書き言葉全盛の今だからこそ、改めて考えさせられる、「音声が伝えるもの」、なるほど、なるほど。
    面白かった。

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    2025年06月21日
  • 言語学的ラップの世界

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    「ラップは韻を踏む上で子音も大切」といった内容の言語学の分析がメイン。FLOWだったり母音での韻が気持ちいい要因だと思っていたので、今後はそこも意識して聴きたい。

    ラップの歴史にも軽く触れており、知らなかったので知れてよかった。参考文献にあった、『ラップスター宇多丸の「ラップ史」入門』はいずれ読みたい!

    最後はラッパーにインタビューをする章で、特にMummy-Dへのインタビューがよかった。当時の様子などが知れたし、Mummy-Dが丸くなっているというのも含めて。

    本書で紹介された、聴こうと思った曲をメモがてら以下に記載。
    ・BUDDA BRAND「人間発電所」
    ・LAMP EYE「証言」

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    2025年06月07日
  • 音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで

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    息子がまだ小さかった頃の話で。
    車に乗せていたら窓に映る自分の顔を見ながら
    「ぼくのかお、きたないなあ」
    と突然言い出した。

    えっ何言ってんの!?と驚いて聞き返すと、実は自分を見ていたわけではなくて窓の外に見える風景を見て
    「ここのかわ、きたないなあ」
    と言ったのだと判明した(まあまあの雨が降ったあとで川が濁流みたいになっていたのだ)。

    いきなり自分の顔に嘆く○歳児が登場したわけではなくて安心したが、こういう聞き間違いが私には多い。

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    川原繁人先生の著書は一筋縄ではいかない。
    というか、言語学というものが扱う範囲の広さに驚きつつ感動するのだ。
    初めて読んだのは、先生ご自身の

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    2025年05月18日
  • 言語学的ラップの世界

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     言語学者である川原 繁人(かわはら しげと)さんの日本語ラップについての本です。
     音声学的に日本語ラップの韻について詳しく解説されています。

     川原先生は、研究者になる前からラップが大好きだったそうで、研究者となってからは日本語ラップを大学教育に取り入れて数多くのラッパーを授業に招いているそうです。

     ラップの最大の特徴は韻を踏むことですが、「脚韻」と呼ばれ古くから詩歌に使われていたことは、ご存知のとおりでしょう。
     日本語ラップの韻は、母音と子音の韻だけでなく、音節構造を保持して韻を踏むということも行われているそうです。(詳しくは、「第2部 言語学的ラップの世界」の「第7章 講義4:

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    2025年05月06日
  • 絵本 うたうからだのふしぎ

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    絵やキャラクター設定がかわいい。ふだん何も考えずに出している声、どんな仕組みで声になり歌になるのかをわかりやすく説明している。歌が聴けるQRコード付き、キレイなハーモニーに心癒されるかも。

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    2025年01月30日
  • なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?言語学者、小学生の質問に本気で答える

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    ネタバレ

    小学生の「ことば」に関する質問を言語学者である著者が授業を行い、それを本として残したもの。
    それぞれの章が小学生の素朴な質問にできるだけ専門用語を使わないように授業をするパートとそれを補足するパートに分かれている。
    本のタイトルにもなっている「ぱ行」について、元々は「は行」は「ぱ行」だったという面白い研究から論を広げていく。
    小学生の合いの手のおかげもあり、言語学を楽しく学べる一冊。

    本編は良かったのだが、著者あとがきに「子どもにはテストで100点を取る必要はないと言っている。なぜなら世の中の答えは明確にあるものではないからだ。」のような記載があった。
    これには賛同しきれない。
    小学生のテス

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    2024年12月02日
  • 日本語の秘密

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    楽しい一冊。
    歌人、ラッパー、声優、言語学者との対談から言葉の本質に迫っていく。
    母音の使い方や韻の踏み方・使い方など「なるほど」と思うことばかり。
    ことに声優の山寺宏一さんの技術・探究心は、さすが「山ちゃん」だよね。

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    2024年09月21日
  • フリースタイル言語学

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    日本語ラップなどを題材にしたユニークな研究が注目されている言語学者による、言語学エッセイ。


    言語学、その中でも特に音声学を専門に研究している言語学者・川原繁人さんの言語学・科学エッセイ本です。

    言語学・音声学って何? どんなことやってるの? 何か役にたつの? といまいちピンとこない人にこそ読んでほしい。
    ドラクエの呪文、ポケモンの進化前と進化後の名前の変化、メイド喫茶のメイドさんや、プリキュアの名前の分析、日本語ラップの韻の踏み方などとっつきやすい題材から言語学とはどのような学問かを分かりやすく、かつ楽しく説明してくれます。

    日本語話者だと普段何気なく使っている母音と子音。「にせたぬき

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    2024年09月16日
  • 音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで

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    「キーフレーズ」
    ⭐︎音象徴
    音から意味の連想が直接起きる現象
    ⭐︎阻害音と共鳴音
     阻害音;カ、サ、タ、パ、ハ行
     共鳴音;ナ、マ、ヤ、ラ、ワ行
     日本語で濁点がつく=阻害音=角張ったイメージ
     日本語で濁点がつかない=共鳴音=丸いイメージ
    上記のように一般的なイメージを想起させることがある。

    川原繁人 音声学、音韻学専門

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    2024年09月15日
  • 言語学的ラップの世界

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    制約は想像の母である
    ルールがあってこそ表現が広がるということが、言語芸術であることがよくわかった。
    何を評価する、批判するにしても歴史を学ぶことが必要ということも知れた。(ピカソの歴史を知ってると知ってないとで、鑑賞の楽しさや感じるもののおおさかが違うということも)
    自分にとって言語は特別な教養であり、心酔できるよりどころであるが、
    その正体は芸術に近いものとしれて納得できた
    歌、言語
    人間にしか追求できないこの二つの奥にあるのが、
    絵画だったりするのかなとも思いました。

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    2024年08月30日