川原繁人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著者の本は以前途中で読むのもやめてしまったことがあった。
というのも、著者の専門は言語学の中でも音声学であり、その本では音象徴を扱っていたからだ。
私はあまりその分野に興味がなかったのと、学問的にもあまり魅かれなかったからだ。
(音象徴って何となく、こじつけな感じがするからだ)
しかし、本書は音の分野だけでなく、言語学にまつわる話もありで面白かった。
学者である著者が、自身の研究が世の役に立っているのかということを気にするということを知り、学者も普通の人なんだなと妙に親近感が湧いた。
全体的に読みやすく、言語学について何も知らなくても楽しめると思う。 -
Posted by ブクログ
この本の魅力は、言語学を筆者がなによりも愛していて楽しんで執筆している様子が伝わってくるところである。
ポケモン・プリキュア・ラップなど、身近なものを話題にしてわかりやすく言語学のおもしろさを教えてくれる1冊。
以前から少し興味があったが、言語学に触れたのは初めてだった。最初は堅苦しい感じじゃないといいなーと思っていた。しかし、その不安はインパクトのある題名、それと蛍光黄色の派手な装丁が吹き飛ばしてくれた。中身も題名・装丁に負けず親しみやすい感じで、どんどん読めて面白かった。
マイボイスの話であまり考えてこなかった声の大切さにも気づけ、とても感動した。
-
Posted by ブクログ
●は引用、その他は感想
●ピノコが「ラ行」を「ヤ行」に置き換えるのは、「ラ行」を発音できないからではない。「ヤ行」が言いやすいという理由だけでもない。もしそうなのであれば、「ダ行」も「ラ行」も全部「ヤ行」にしてしまえばよいはずである。ところがそうならない。この説だと、「ダ行」が「ラ行」で発音されることの説明がつかないので。(略)このような現象はchain shiftと呼ばれ、多くの子どもの発話で観察されている。なぜchain shiftが子どもの発話で観察されるのか、最新理論をもってしても完全なる理解は得られていない。しかし、子どもの発話に観察される「言い間違い」は、「子どもの能力の欠如では