川原繁人のレビュー一覧
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ー授業後の振り返り、p110から抜粋ー
小養先生(川原の中学年の担任) /
今までの授業もすごくいいんだけど、小学生に「わかった?」 って聞いちゃダメ。「わかった?」って聞かれたら、小学生は「わかった」としか思 えなくなる。だから「わかった?」っていうのは禁句の一つ。
三苫先生(川原の幼稚園の担任) /
そうねえ。それはそう。
川原/
全然意識してなかったです。じゃあどうすれば?
小菅先生/
いろいろあると思うよ。「質問ある?」でもだいぶ違うと思う。それから、「どれくらいわかった?」って聞いてもいいと思う。
あとは、長丁場だから、授業を聞いてるだけじゃ小学生は飽きちゃう。何か子ども同士 -
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Posted by ブクログ
話題の川原先生の本。
でも実はちゃんと読むのは初めてかも。
本書は、川原さんの母校でもある和光小学校で実施した特別授業を編集したとのこと。
2時間半だったと知ってビックリするのだが、次々と面白い質問が並ぶ。
平仮名には濁点がつけられるものとそうでないものがあるのはなぜ?という冒頭の質問からいきなりビックリ。
そういえばそうだよなあ…と思いながら、長い間それを聞いてはいけないような気がしていた。
説明は、「濁点は声帯が振動する記号」、つけられない音は、そもそも声帯が振動する音だから、とのこと。
さすが音声学者という感じのわかりやすさだった。
それから、阻害音、共鳴音という区分を初めて知った -
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小学生向けに行った言語学の授業を書籍化したもの。小学生向けなだけあってわかりやすいし、生徒から寄せられた質問は大人が「なんとなくスルーしがち」なものばかりで、子供のナゼナゼは改めて気付かされることが多いものです。
特に女児向けアニメ『プリキュア』のヒロインの名前分析や『ポケモン』のモンスターの進化と名前の関係についての分析は子供受けは良さそうだし身近なテーマなので大人の私も楽しめました。
古代の日本では「ぱぴぷぺぽ」がなぜか「はひふへほ」に変わってしまったという研究にはびっくり。「はひふへほ」が当たり前だったので信じられない気持ちが強いけど、アイヌ語には「ぱぴぷぺぽ」がそのまま残っているとい -
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言語学、その中でも音声学を研究する著者が、母校の小学校で特別授業を実施。本書はその模様を書籍化したものである。
ちょっとしたコラムや巻末の橋爪大三郎氏(社会学者)との対談を除けば、あとは著者と子どもたちとの対話形式になっている。
言語学・音声学が何たるものか、事前に子供達(小学校4−6年生)から募っていた質問を基に解説。ポケモンやプリキュア・鬼滅の刃など、彼らの興味の対象を取り入れているのもユニークなポイントの一つだ。
この特別授業は、小学生だけでなく日本語を勉強中の外国人にもピッタリだと思う。大人の自分も楽しんで学べたが、本書の子供たちと同年代の子と読んだら(あるいは受講したら)もっと盛り -
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研究者夫婦がお子さんたちの言い間違いやお子さんたちが楽しんでいるアニメ・キャラクターなどを題材にして音声学の観点で考察したことが紹介されている。
読みやすくおもしろかった。
QRコードで実際の音声・動画にアクセスできるのは助かった。
音から受ける印象は、その音を発するときの口の形の大小、口の中の圧力の強弱などによって傾向があるみたいな話が繰り返しなされる。
最後の対談で歌手の方が音声学の知識を歌唱や声の演技の技術向上、教育に役立てられるみたいなことをお話していてなるほどなあ〜と思った。本文でも英語のL・Rの発音のこととか出てきたけど、より納得。
小さな子どもに話しかけるときの独特の言い回 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、小学生の質問に川原先生が答えていく本。
川原先生のポケモン言語学やプリキュアの統計が知りたいけど、言語学の詳しいことはわからない人におすすめ。
本文は小学生との対話が主なのでサクサク読めて、必要な部分に解説や補足が入っている。
2時間目「ぱぴぷぺぽ」に関するエトセトラ や 3時間目 子どもの言い間違いを愛でる が特に面白かった。
なぜぱぴぷぺぽがつく言葉は外国語に多いの?や
なぜあいうえお表はあの順番なの?など、考えてみたことがなかったけれど改めて思うと不思議な謎の答えがわかる。
あかさたなはまやらわの順序にも法則があったんだ!と初めて知った。
何か新しい分野をかじって -
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Posted by ブクログ
ネタバレ子どもが言語を習得していくのを間近で見ていて、単語を何らかの法則性を持ってアレンジしているのが不思議で、何か学べないかしら…と思って手に取った。
…音声学の世界、面白すぎ…!
音の分類や発声時の口腔内構造など突っ込んだ内容も解説しているが、著者が「面白いでしょ、面白いでしょ」と喫茶店で好きなことを近くでいっぱい語ってくれているような熱さが感じられ、夢中で読み切ってしまった。著者の研究テーマもプリキュア、ポケモン、コギャル語、日本語ラップ…と魅力的。
子どもの言い間違い(→正確には間違えている…というより、言い換え?)は音韻学で説明がつくことも多い。
・両唇音は赤ちゃんが最初に発する。音 -
Posted by ブクログ
小学生の時から翻訳家になりたかったり、センター試験の勉強で発音記号の面白さに気付いてしまい「言語」にはたぶんずっと興味はあった。
大学では「純ジャパ」ながら言語学のゼミに入り、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を学び、スペイン語もど初心者だったのにバスク語の研究を齧った。そして難しすぎてほんとに齧って終わった。(ごめんなさい)
でも、言葉は面白いと思っている。社会人になって、仕事の都合上、中国語を学ぶ機会があったのがとても面白かった。が、頭でわかっていても思った通りの発音が出来ない言語だった。同じ漢字なのに英語より難しいのなんで…と泣いた。
初めて韓国に降り立ったのは仁川空港でのトランジット。