川原繁人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本の魅力は、言語学を筆者がなによりも愛していて楽しんで執筆している様子が伝わってくるところである。
ポケモン・プリキュア・ラップなど、身近なものを話題にしてわかりやすく言語学のおもしろさを教えてくれる1冊。
以前から少し興味があったが、言語学に触れたのは初めてだった。最初は堅苦しい感じじゃないといいなーと思っていた。しかし、その不安はインパクトのある題名、それと蛍光黄色の派手な装丁が吹き飛ばしてくれた。中身も題名・装丁に負けず親しみやすい感じで、どんどん読めて面白かった。
マイボイスの話であまり考えてこなかった声の大切さにも気づけ、とても感動した。
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Posted by ブクログ
●は引用、その他は感想
●ピノコが「ラ行」を「ヤ行」に置き換えるのは、「ラ行」を発音できないからではない。「ヤ行」が言いやすいという理由だけでもない。もしそうなのであれば、「ダ行」も「ラ行」も全部「ヤ行」にしてしまえばよいはずである。ところがそうならない。この説だと、「ダ行」が「ラ行」で発音されることの説明がつかないので。(略)このような現象はchain shiftと呼ばれ、多くの子どもの発話で観察されている。なぜchain shiftが子どもの発話で観察されるのか、最新理論をもってしても完全なる理解は得られていない。しかし、子どもの発話に観察される「言い間違い」は、「子どもの能力の欠如では -
Posted by ブクログ
分かりやすい入門書
マルとミル、どっちが大きい?
架空の2つの単語に、大小の机どっちがどっちを表すか聞いたところ、
多くが「マル」が大きい机で、「ミル」が小さい机と答えた
これはあらゆる言語話者でも共通の結果になった
つまりある音に対して、母語が何語でも、共通した特定のイメージを想起させる要素が音声にはある
人間の発音機構自体(舌や口の構造)は共通しているので
口を広げる音→大きなイメージ
口を狭める音→小さいイメージ
というように、発声時の物理的な違いがイメージの違いを生じさせるのでは?
→"音象徴"という考え方
……等々、音声学というとっつきにくい学問のハードルを可 -
Posted by ブクログ
言語学者による本。各国の音と言葉を「文字で見える化」し、分析している。普段何気なく話している言葉や外国語との違いなど、あらためて解説されるとなるほど、と思えることがあった。
例えば「ん」という発音は、その後に来る言葉によって日本語でも何通りか違いがあること、日本語には必ず母音がついてくるが、英語では子音が続いたり母音がない言葉が多く存在すること、日本語の「ふ」は英語圏の人からは「う」と聞き分けがつきづらいなど。
このように、各国や地域による言語の特徴がそれぞれ違うので、その言語習慣の相性によって他国語の習得に得手不得手が出てくるという。残念ながら日本語と英語は相性があまり良くないようで、そ