あらすじ
なぜ声や話し方で「印象」が変わるのか。音から意味が紡ぎ出される仕組みから、それぞれの音の発音方法の詳細、音声コミュニケーションを支える体の不思議までを網羅。俳優、歌人、ラッパー、声優、歌手、アナウンサーなど、「声のプロ」たちとの豊富なエピソードを題材に、多数の図版を使いながら「伝える・伝わる」の謎をわかりやすく解説する!
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Posted by ブクログ
今回の新書は、音声学がつなぐ人との関わりから、川原先生ご自身の研究来歴を読み物として楽しむことができた。一方で、標題通り、言語学の入門書としての機能も果たしてくれており、言語学イントロをやったり、音声学・音韻論イントロを担当している自分の授業にぴったりだった。
Posted by ブクログ
言語の本質は文字ではなく音声であり、いかに複雑な動きで音声を発しているのか、気持ちというものを乗せることのできる声という媒体の素晴らしさに気付かせてくれる。プリキュアやポケモンの名前を通して音象徴の概念を伝えたり、文字を音声にすることを仕事としている上白石萌音さんやゴスペラーズ北山さん、言葉のプロである俵万智さんらとの音声にまつわるやり取りを通じた音声についての考査等、音声学を身近に感じさせてくれる1冊。
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筆者はそんなところに興味を持つんだ…と思うが、内容を聞いてみると実におもしろい。
そんな感じで話が進んでいくと同時に、筆者の恐縮芸(?)を中心とした文章展開もおもしろい。
事前知識としては言語学はちょろっと聞きかじる程度ではあったが、内容、文章ともに楽しめる本であった。
Posted by ブクログ
音声学の入門書ではありますが、本書のなによりの魅力は、著者の川原 繁人(かわはら しげと)さんが出会った「声のプロ」たちとのエピソードだと思います。
例えば、「第一章 声から言語を考える」では、俳優の上白石萌音さんとNHKEテレの番組『スイッチインタビュー』で対談したエピソードが紹介され、「第二章 感覚をいかに言語化するか」では、歌人の俵万智さんとの出会いが紹介されていて、有名なサラダ記念日の歌は元は恋人に唐揚げ弁当を作ってあげた歌だったのをサラダに変えたというエピソードや、「さ行」は多くの空気が流れるから、俵万智さんは「爽快」というイメージで創作の中に取り入れているという音声学的な話も紹介されています。
あ、そういえば昨日、7月6日は「サラダ記念日」でしたね。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
(これも元は6月だったそうです。)
関係ありませんが、さっき「夫が寝たあとに」という番組に俵万智さんが出演されていて、MCの藤本美貴さんと横澤夏子さんが育児短歌を作っていました。上述したサラダ記念日の歌の「元は唐揚げの話」が披露されていた他、俵万智さんが、「大変な育児をポジティブ変換」した歌
泣くという 音楽がある みどりごを ギターのように 今日も抱えて
(出典:「プーさんの鼻」河出書房新社)などが紹介されていました。
面白かったです♪
横澤夏子さんがつくった歌も良かったです。
おかあさん 見て見て見てよ こっち来て
見て見て見てる やってみてみて
近々、番組を見ているママさんたちの短歌の募集もされるそうです。
楽しみです♪
(閑話休題。本書のレビューに戻ります。)
また、「第三章 音への解像度を上げる」では、ラッパーのZeebraさんとの出会いのエピソードが紹介されており、「第四章 声のプロたちの悩みとその解決法」では、ゴスペラーズの北山陽一さんとの出会いのエピソードが紹介されています。
それぞれの章では、「声のプロ」たちとの出会いを紹介しながら、ちゃんと音声学の基礎的内容や最新研究のことが書かれていますので、飽きずに音声学を学べると言ってよいでしょう。
音声学を知っておくと、日常生活での言葉使いや文章を書くときの言い回し・言葉選びにも役立ちます。
声を大にしてオススメいたします♡
Posted by ブクログ
戦後まもなく→身振り手振りを交えた対面中心のコミュニケーション
1950年頃→電話の普及による音声中心のコミュニケーション
2000年頃→メールの普及による文字中心のコミュニケーション
という時系列の整理がわかりやすかった。
その上で、文字だけでは伝わらない音声言語の表現力を知ることができた。
Posted by ブクログ
音声に関わる学問、今まで想像したことのない分野だった。きっとアナウンス、歌唱などの発音のベストを目指していく上では非常に有益な学問だろうと思った。そして詩歌の音の響きも。俳優の上白石萌音、そして歌人の俵万智、ゴスペラーズの北山陽一、ラッパーのZeebraがこの著者に関心を持って接点が生まれたことはそのことを物語っている。萌音の「千と千尋の神隠し」の主役を演じる時の音響と地声で「さびしくなるよ」の比較分析は興味深かった。文字にするとニュアンスが出ないが、彼女の声は明確に違いを打ち出していた!文字の限界を補うために生まれたのが、絵文字であるという説明には頷けた。そして俵万智の歌の響きの快さも発音した時の子音と母音の響きの分析も興味深い。そしてラッパーの魅力についての説明も。
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エピソードを交えて書いてあるので読みやすい。
入門とはいえ、声のしくみについて言及されており、時間がたったらもう一度ゆっくり読み返してみたいと思った。
Posted by ブクログ
色々詰まった本。
キラリ光るお宝と騒音
両方 going on
(以上、韻を踏んで書いてみました。もう息切れ)
読んでいちばん驚いた知識:
乳児の時にしかできないことが紹介されていて、
なんとそれは「ごっくんごっくん飲むと同時に鼻で呼吸を続ける」わざでした。
確かに、もう、絶対できないわ!赤ん坊すごい!
Posted by ブクログ
「音声学を学ぶと人生が豊かになる」と書かれていた。実際、上白石萌音さんや俵万智さんが登場するあたりは惹き込まれていったが、悲しいかな、「音声学」だけに、文字で表現されるのを理解していくのが困難であった。だから僕はいまも豊かではない(笑)。