川原繁人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者(言語学の研究者)が小学生に行った授業を対話型形式+補足にまとめた本。「にせたぬきじる」は「偽+たぬき汁」、「にせだぬきじる」は「偽たぬき+汁」と感覚的に分かるのはなぜ? それは日本語話者である私達が言語学のある法則を無意識のうちに知っているから……という導入からして既にめちゃめちゃ面白い! 濁点を付けられる文字と付かない文字の違い、なぜパピプペポの文字を使うのは海外の言葉が多いかなど、普段当たり前に使っているけれど意識したことのない疑問を言語学・音声学の観点から答えてくれる本。通勤電車内で読んだので声を出せなかったのが心残りで、次は実際に声に出しながら再度読み返そうと思います。巻末にある
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Posted by ブクログ
言語学、とくに音声学の面白いところが全部詰まったような本でした。
学問について語ってはいるものの、肩肘を張らずに楽しんで読めるのでおすすめです。
言語学をあまり知らない自分のパートナーにも、「ポケモンとかプリキュアの名付けが面白いんよ」と言ってつい話してしまいました。本当なら押し付けて読ませたい。
特に、最後の章に書いてあったALS患者の母が娘たちに残したい自分の声の話では、自分がその母と同じ歳で子どもがいるのもあり感極まってしまいました。
川原先生の授業を受けているような気持ちで読めますが、実際に授業を受けたらもっと楽しいんだろうな〜とハードルをあげてみる(笑) -
Posted by ブクログ
サブタイトルに「言語学者、小学生の質問に本気で答える」ってあるように、小学生の質問に答える形で行われた特別授業の本。小学生の素朴で素直な質問がいいですね。その着眼点など大人では思いつかない疑問があるから面白いです。
以前「怪獣の名前にガギグゲゴが多い」というような本がありましたが、この本を読むとその理由が分かるような気がします。ポケモンの進化による次第に強くなる名前の変化、プリキュアのかわいい名前など、無意識でもこうしたルールで名前が決められているのかも。本には書いてなかったけど、同じような姿でも、「ピグモン」と「ガラモン」どっちが大きい方か、名前で分かるようになっているのかって思っちゃいまし -
Posted by ブクログ
メイド名研究で有名な慶應義塾大学教授の川原繁人氏による音声学入門書。
言語学者夫婦が育てる子どもたちの成長記録は、私にとって新鮮な驚きであった。人間のことばの奥深さ、それを研究することのすばらしさが、学問を究めている人の眼を通して書かれているからこそ伝わってくる。
一方、主婦という私の立場からいうと、未来に向けて歩む人や、すごすぎる人をサポートすることにも喜びはある。(自分が望むキャリアを犠牲にしなくてもよい世の中に変わってきていることは承知しているが)
だからこそ、身近な人をケアすることの評価や補償が公正になされる社会になってほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
一冊の情報量、凄すぎる…。母音3要素・構音点・共鳴vs阻害音や両唇破裂音における音象徴・音声の3尺度・呼吸法・方言と鼻濁音・エントロピー・連濁・無声化・文の構造 などなど。
楽しく読みました。感想は、音声学って学生時代から好きだったけど、この本は今まで読んだ本の中でも面白い。身近なテーマで入門にとても良いと思います。ライトに書かれているけど、用語の難しさはあります。けれど、言語学(正しくは音声学)に興味のある人が読むから大丈夫、多分。
言語学界隈で人気の川原先生の本。良い研究者はユニークな実験をされているのね…そしてそれを思いつく事がすごい。こんなに有名な先生でも世の中の役に立っているのか