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Posted by ブクログ
言語学自体は、文学部で講義をとっていたため表面上は知っていたが、これほど身近で、これほど奥深いものだとは思わなかった。著者は言語学が何に役に立つかという世間からの目に今も苦しんでいると書いていたが、本文にも記されているように医療の面でも重要視されているし、なによりほぼ無知といって差し支えない私を言語学の虜にしてくれた。前野ウルド浩太郎さんや川原さんのような面白い若手の研究者の方がいるおかげで僕のような無学な人間は世界の一端に触れることができる。ありがたい限りである。
この書籍の構成は本当によくできている。序盤にメイド喫茶やプリキュア、ポケモンにドラクエといったサブカルチャーを取り上げながらサブリミナル的に言語学用語を差し挟み、こちらの興がのってきた頃に連濁や構造の違いなどといった専門的な内容を少しづつ取り上げ、後半からはがっつりアクセントやイントネーション、外来語に母音をつける時の法則性などより深いところに入りこんでいくようになっている。不思議なことに、前半にある程度専門用語を学べたおかげで後半の見慣れない単語群が苦もなく読める。しかも理解できて、楽しい。まんまとしてやられたなという気分になるのだが、心はウキウキとしてしまっている。もうこれを読んだ私の認識は拡張されており、普段何気なく聞いているような会話の中にすら新しい世界があるのではないかと思うようになってしまった。おかげで日常を過ごすことがより楽しくなった。こういったところでも著者に感謝の言葉を述べたい。
また、Jラップについての記事はとても興味深いものがあった。韻の踏み方について、日本人ラッパーが単語全体で韻を踏んでいたとは...。考えたこともなかった。この方面の著者の書籍も探し出して読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
p98 プリキュアの名前の文責めちゃくちゃおもしろい。ブートストラップサンプリング。「プリキュアで学ぶブートストラップ法」。
p114 エントロピー(乱雑さの尺度)=部屋の散らかり具合=予測可能性。
ラーメン屋の「しゃいませー」はエントロピーが低い。いらっしゃいませと言ってるだろうと予想できる。
p220 にせだぬきじる にせたぬきじる
連濁前に最初から濁音がついてたら濁らない。つまりたぬきじるだとだぬきじるにはならない。たぬきはだぬきになる。
p236 頭が赤い魚を食べる猫(中村明裕)
p320 ALSとマイボイス
p333 コロナデマ翻訳
Posted by ブクログ
直接的な感想にはならない抽象的な視点になるが、自分が楽しく学び続けることは尊さを教えてもらった。
特別支援教育に携わる者として、最終章のマイボイスの取り組みは、胸にくるものがあった。
学問として何の意味があるがわからないものも、いつかは人の役立つ時が来るという、人生の伏線回収的な部分を見させてもらった。
自分も言語学の勉強を少しずつ始めているが、今学んでいることが将来受け持つ子どもたちに、生かされることを切に願う。
川原先生は音声学の先生であられるが、専門性だけでなく生き方からも学ばせてもらった。
関係ないが、やはりいい大学にはいい先生がいると再確認した。
Posted by ブクログ
言語学、とくに音声学の面白いところが全部詰まったような本でした。
学問について語ってはいるものの、肩肘を張らずに楽しんで読めるのでおすすめです。
言語学をあまり知らない自分のパートナーにも、「ポケモンとかプリキュアの名付けが面白いんよ」と言ってつい話してしまいました。本当なら押し付けて読ませたい。
特に、最後の章に書いてあったALS患者の母が娘たちに残したい自分の声の話では、自分がその母と同じ歳で子どもがいるのもあり感極まってしまいました。
川原先生の授業を受けているような気持ちで読めますが、実際に授業を受けたらもっと楽しいんだろうな〜とハードルをあげてみる(笑)
Posted by ブクログ
一冊の情報量、凄すぎる…。母音3要素・構音点・共鳴vs阻害音や両唇破裂音における音象徴・音声の3尺度・呼吸法・方言と鼻濁音・エントロピー・連濁・無声化・文の構造 などなど。
楽しく読みました。感想は、音声学って学生時代から好きだったけど、この本は今まで読んだ本の中でも面白い。身近なテーマで入門にとても良いと思います。ライトに書かれているけど、用語の難しさはあります。けれど、言語学(正しくは音声学)に興味のある人が読むから大丈夫、多分。
言語学界隈で人気の川原先生の本。良い研究者はユニークな実験をされているのね…そしてそれを思いつく事がすごい。こんなに有名な先生でも世の中の役に立っているのか悩むなんて驚きです。研究が臨床現場のエビデンス検討や効率化を支えてくださってます。世の中の役に立っています。研究者の皆さん、ありがとうございます。
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