あらすじ
人はどうやって声を出しているの? 赤ちゃんはどうやって言葉を身につけるの?
子どもの「言い間違い」はどうして起こる? ヒトの進化の過程において、言語はどのように生まれてきたの?
言葉マニアであり、子育て真っ最中である音声学者が解き明かす、最も身近で不思議な音とことばの世界。
かつて子どもだった人、子どもにかかわる人なら誰もが楽しめる、言語に関する素朴なナゾが解ける一冊。実際の「#我が子のかわいい言い間違い」の音声学的な分析も!
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この本は“ちべじょんばん"(むちゃオモローwな意)である! !
てんてんがり(カンカン照りの)日に
しゅわしゅわをぐぴっと飲み干し
ひっくり返って読みゃハマっちゃうんだから、もう。
ちゃんお薦め! げっちゅぷり。
子育て本としてもウナズキポイント満載で非常に勉強になります。
一青窈
川原先生は、音声学・音韻論の両分野において、多くの論文を出版しつづけ、学界への影響力も大きい研究者である。
この本では、そんな著者が、日本語の音の仕組みを解説しながら、読者を今までになかった楽しい知的な旅へと招待する。
筆者の娘たちがどのように言語を修得していくかを切り口として、本書は学問的正確性を損ねることなく、読みものとしても本当に楽しいものに仕上がっている。
音声学・音韻論の入門授業の教科書及び副読本などにも使えるであろう。
伊藤順子(カリフォルニア大学サンタクルーズ校言語学科名誉教授)
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
子育て真っ最中、かつ大学の頃に学んでいた言語学をちょっとやり直したいなーなんて思っていた時に出合った本。面白すぎました。
大学の時には、音韻論って意味論や語用論と比べるとピンとこない、実生活の役に立ちそうもない、というイメージだったのですが、それが見事に覆された。川原先生の教え方が上手なのでしょう。
ポケモンの名付けに関する世界共同研究が、世界中の人とコミュニケーションがとれる術にまで今後発展するんじゃないかというお話には、素人の自分も胸が熱くなりました。
そしてこの研究が進むことで、ソシュールの提言した言語の恣意性が覆されることになるかもしれない!もう考えただけでゾクゾクする。
音声学者(実は音韻学者でもある)とーちゃんの、研究対象に対する情熱、ご家族に対する愛、ことば全体に対するロマンにも胸打たれました。
Posted by ブクログ
先日、池谷裕二さんの「パパは脳研究者」を読み、子どもの育つ過程の面白さに関心が高まっていたところ本書に出会った。「音声学・音韻論の重要な部分をほとんど網羅」とあるが、音声学パートは自分には難しかった。第4話「せっかくだからしっかり音声学入門」あたりをもう一度読まねば!
Posted by ブクログ
メイド名研究で有名な慶應義塾大学教授の川原繁人氏による音声学入門書。
言語学者夫婦が育てる子どもたちの成長記録は、私にとって新鮮な驚きであった。人間のことばの奥深さ、それを研究することのすばらしさが、学問を究めている人の眼を通して書かれているからこそ伝わってくる。
一方、主婦という私の立場からいうと、未来に向けて歩む人や、すごすぎる人をサポートすることにも喜びはある。(自分が望むキャリアを犠牲にしなくてもよい世の中に変わってきていることは承知しているが)
だからこそ、身近な人をケアすることの評価や補償が公正になされる社会になってほしいと思う。
Posted by ブクログ
フリースタイル言語学とかぶる内容多数。
どちらも言語学に興味を持たせる入門書として良く、小児分野に興味のある人はこちらをお勧め。
子どもの言い間違えが、言えないのではなく言わない、好きなリズムがある、と言う話が面白かった。
Posted by ブクログ
面白かった。言い間違いや言葉の印象の仕組みがよくわかった。説明に使われている言葉が平素でわかりやすいし、データとして集めたサンプルもポケモンやプリキュアやメイドさんたちと身近でイメージしやすい。流石教えている人の話はわかりやすいなぁと別の感心までした。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった!!!特に好きなのは第13話の名前に使われている音によって感じる印象が変わる話。
QRコードから飛べる音声データに癒やされる〜。
Posted by ブクログ
今まで音声学者という名前は聞いたことがあっただけでぼんやりとしたイメージしか持っていなかった私だけど、この本で全体像がなんとなくわかった。
思わずほんわかしてしまう家族エピソードとともに、私たちの身の回りにあるもので音声学を楽しむことができた。でも、この本を読んだ後は、身近に音声学の題材となるものがたくさんあるのに、どうして私は今までないがしろにしていたんだろう?と不思議に思ってしまった。当たり前だけどみんながあまり知っていなさそうな知識で、だけど深掘りするとおもしろい、それが音声学なのかな、と感じた。
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ可愛い言い間違いが次々。
子供が小さいうちに読みたかったな。
著者の暑い想いも伝わってきます
音韻論の教科書としても楽しいが、自分は専門ではないので味わうだけでした
Posted by ブクログ
かわいい音声学!
学生の頃、少しかじった音声学・音韻論。残念ながら発音も聞き分けるのも苦手だし、例の表は覚えきれなかったが、分析は好きだった。この本は著者が子どもの言語習得を観察しながら言い間違いに注目して音声学の分析を語る本である。プリキュアからポケモンまで、自分で考えたくなる例がたくさんある。自分が小さい頃の事例で知っているのは、「スパゲチー」(スパゲッティ)と「おとしやか」(おしとやか)だ。分析してみたい。
ほかにも名前とあだ名の共鳴音・阻害音とか、卒アル片手に研究したいくらい。そういえば、p.218で触れられていた「ガッキー」と「ばっさー」は、サバサバ系というかいわゆる「女子」的なかわいいではない魅力がある人だから濁音からのあだ名がしっくりきているのではないかと自分は思う。
最後にゴスペラーズの北山陽一さんとの対談が掲載されている。こういう研究が歌手や俳優や声優など声を使うお仕事の人に役立っていくと考えたらとても面白い。まぁ、研究は役に立たないとダメなわけでもないけど。
Posted by ブクログ
子育て中の方は、我が子の音(言葉)の習得に興味があるのではないでしょうか?
私は仕事でも扱う分野だったので本書を購入しました。
QRコードで音を確認しながら読みすすめる事で、実際にイメージがしやすかったです。
楽しく読み進めることができました。
Posted by ブクログ
研究者夫婦がお子さんたちの言い間違いやお子さんたちが楽しんでいるアニメ・キャラクターなどを題材にして音声学の観点で考察したことが紹介されている。
読みやすくおもしろかった。
QRコードで実際の音声・動画にアクセスできるのは助かった。
音から受ける印象は、その音を発するときの口の形の大小、口の中の圧力の強弱などによって傾向があるみたいな話が繰り返しなされる。
最後の対談で歌手の方が音声学の知識を歌唱や声の演技の技術向上、教育に役立てられるみたいなことをお話していてなるほどなあ〜と思った。本文でも英語のL・Rの発音のこととか出てきたけど、より納得。
小さな子どもに話しかけるときの独特の言い回しに定着した和訳がないからと「お母さん言葉」と呼んでいたが普通に「赤ちゃん言葉」って言わないか?子育ての性別役割偏重に言及して言い訳したうえでわざわざ馴染みのない「お母さん言葉」という語を使っており、なんかちょっといやだった。
Posted by ブクログ
子どもが言語を習得していくのを間近で見ていて、単語を何らかの法則性を持ってアレンジしているのが不思議で、何か学べないかしら…と思って手に取った。
…音声学の世界、面白すぎ…!
音の分類や発声時の口腔内構造など突っ込んだ内容も解説しているが、著者が「面白いでしょ、面白いでしょ」と喫茶店で好きなことを近くでいっぱい語ってくれているような熱さが感じられ、夢中で読み切ってしまった。著者の研究テーマもプリキュア、ポケモン、コギャル語、日本語ラップ…と魅力的。
子どもの言い間違い(→正確には間違えている…というより、言い換え?)は音韻学で説明がつくことも多い。
・両唇音は赤ちゃんが最初に発する。音象徴。両唇がふさがり、鼻から空気が流れる哺乳行動由来?
・子音は調音点(どこで発音)、調音法(どうやって発音)、有声性(声帯振動)で分類
・母音は発音時の舌の高さ、前後の舌の位置で分類
・子どもの発音は決して未熟な発音とは言い切れない
・2文字分が標準
・子音がひっくり返りがち
・後ろの音を大事にする
・繰り返しが好き
Posted by ブクログ
専門用語が並べられた説明部分は、充分に理解したとは言いが難いが、後半の名付けに関する説明は、自分や家族の名前を思い浮かべながら読んだのでとても興味深かった。
本文ではないが、英語教育に関する著者の考え方と中学受験のエピソードについてのコラムが面白く、共感できた。
音声学って面白い学問なんだと感じることのできるオススメの一冊。
Posted by ブクログ
根っからの理系で音声学は一度も学んだことはないが、入門としても丁度いい一冊だった。
必要な用語は噛み砕いて説明されており、一冊通して意味を理解できた。
両唇音はかわいい、破裂音などは強い、など確かに考えてみればそうかもと感じる例(ポケモンやプリキュア、メイドなど)から説明されていてわかりやすい。
子供の言い間違いは発音が未熟なわけではなく理由があるとわかり、例にあがっているその間違い方もなんとも可愛く感じた。
忘れたころに読み返して知識を定着させたい。
Posted by ブクログ
教職科目で言語学あるいは日本語額を学習している人は、その実践及び例示のために読むと知識の整理に役立つであろう。実験もありあるいは研究者としてのエピソードも書かれているので面白い。
写真についていくつかあるが、イラストの方がわかりやすい気がする。
Posted by ブクログ
NHKラジオ「飛ぶ教室」で本書を知った。紹介に違わず、家族愛と研究とが相まって、飽きない。
ポケモンを勝手に作り上げて、どの名前が適切かを各国で実験するなんて。研究資金の獲得場面もかなり面白かったのではないか、と勝手に想像してしまう。
Posted by ブクログ
著者の子育てエピソードがふんだんに盛り込まれた、著者曰く世界一ほっこりする音声学入門。
音声学の面白さがびんびん感じられた。子どもの言い違いにも音声学的な理があるということで、長男が生まれたばかりの自分としても子どもの成長を見守る観点が一つ増えた。
プリキュアのキャラには「可愛い」を特徴とする両唇音が多用されている、ポケモンは進化すると名前に含まれる濁音数が増え名前が長くなる傾向があるといった著者の研究が紹介されていて、とても面白いと思った。まさに研究という感じである。
Posted by ブクログ
【なぜ】スマニューコラムから
【ここだけ】子供の発音の間違いは治さなくてもいいか。と思えた。今は正しく直させようっと。
【感想】痛いをいてーと発音するのは、[ai]の間に[e]がいるから。
まさかのこんな内容を残す。
英語を子供に学ばせない理由
子供に実利を説いたところで納得してもらえないはず。英語でおしゃべりしてる姿を見て楽しそうと思ってくれれば十分
Posted by ブクログ
結構、専門的に音声学のことを
書いてあるっぽいのですが
専門外の言語オタクが読んでも楽しかった。
小さい子の「言い間違い」の法則と
発声の仕組みの話とかね。
だから「赤ちゃん言葉」というキャラ言語は
どこの国の言葉にも少なからず
存在するわのよ( ^∀^)
あと、語感で判断するキャラのイメージや
略語が四文字になるわけ…などなど。
奥様も言語学者さんだそうで
ふたりで子供の成長にともなう
言葉の発達を楽しんで記録しているのが
親心と学術的好奇心の両方を満足させてて
いいなぁ〜と思いました。
Posted by ブクログ
数冊同著者や近傍の著作を読んだあとだったので
言語学とはなんぞや、といった部分からの著者の研究のユニーク性みたようなものもある意味慣れてしまっている感が。
子育てに関連する部分も多いので、そういった状況に接している読者にはより親近感の湧く内容にはなっているか。
Posted by ブクログ
●は引用、その他は感想
●ピノコが「ラ行」を「ヤ行」に置き換えるのは、「ラ行」を発音できないからではない。「ヤ行」が言いやすいという理由だけでもない。もしそうなのであれば、「ダ行」も「ラ行」も全部「ヤ行」にしてしまえばよいはずである。ところがそうならない。この説だと、「ダ行」が「ラ行」で発音されることの説明がつかないので。(略)このような現象はchain shiftと呼ばれ、多くの子どもの発話で観察されている。なぜchain shiftが子どもの発話で観察されるのか、最新理論をもってしても完全なる理解は得られていない。しかし、子どもの発話に観察される「言い間違い」は、「子どもの能力の欠如ではない」ことは彰かだ。(略)時に我々大人は、子どもたちを「大人ならできることができない未熟な存在」と見なしてしまう。しかし、彼らは彼女らなりの理屈をもって音声を発していることは間違いない。
●もしかしたら、「名前の短さ」で「心理的な距離」を表しているのかもしれない。その証拠に、怒ったときには愛称ではなく、本名を全部発音することがある。もっと怒ったときには名字も含めて、なんなら「さん」までつけて呼ぶ。
平常:さっちゃん、部屋がちょっと散らかってるよ。
怒り(小):さつき、部屋が散らかってるよ。
怒り(中):かわはらさつき、部屋が散らかっています。
怒り(大):かわはらさつきさん、この状況をどう説明しますか?
●日本語は「2文字(拍)が好きで、なんでも2拍に縮める傾向にある」という例を紹介した。「リハーサル」は「リハ」になり、「ビルディング」は「ビル」になる。しかし、(1)の例は、それでは説明がつかない:
(1)パーマ ← パーマネント
ローテ ← ローテーション
コンビ ← コンビネーション
アンプ ← アンプリファイアー
シンポ ← シンポジウム
エンコ ← エンコード
なぜ、「パー」「ロー」「コン」「アン」「シン」「エン」と2拍では足りないのだろうか。「なんか短すぎる」と感じる人もいるだろう。そう、日本人は「2拍は好きだが、1音節の単語は短すぎる」と感じるのだ。「ん」「っ」「ー」は、前の拍にくっついてそれ自体では音節を形成しないから、「パー」も「コン」も1音節と数える。それだけでは短すぎるのであろう。この例も日本語に音節が存在することを物語っている。
●「ミーちゃん、そろそろ眠くなってきたかしら、それともおっぱいがいいの?かーちゃんわからないよー」である。赤ちゃんは、こんな意味不明な音の連鎖から単語を切り出すという偉業を成し遂げようとしている。(略)その一助となっているのが繰り返しだ。繰り返していると、少なくともその部分がひとつのかたまりになっていることがわかるので切り出せる。こう考えると繰り返しの多用も、我が子に言葉を学ばせようとする親の愛の表れかもしれない。この愛が一般化されて「繰り返し=お母さん言葉」という法則が生まれたのであろう。
●この世を支配する物理法則のひとつに、「高い音は小さなものから発せられる」というものがある。(略)「高い声」は「声帯が小さい」、つまり「体が小さい」ことを含意する。動物界において、大抵は小さい生物のほうが危険度が低く、敵意がなさそうだ。よって、高い声を聞いたほうが、赤ちゃんは安心するのかもしれない。また、赤ちゃん自身も小さい生物である。実際に声も高い。よって、高い声を出すことは共感をもたらすと考えられる。動物の世界においても、恭順を示すときには高い音を出し、威嚇するときは低い音を出すということが観察されるらしいから、お母さん言葉で声が高くなるのは、動物的な本能に基づいているのかもしれない。 →「ヒトはなぜ拍手をするのか」
Posted by ブクログ
新聞等の書評で知った。
子どもがいる方は、小さい頃に何をしゃべるか、どうしてなのか気になると思う。
声学に初めて触れたが、どんなものかなんとなくわかった。韻を踏んだり、言葉遊びが好きな方ははまるかもしれない。また、気になるネーミングにも役立つかも。
Posted by ブクログ
面白かったけど、
こんなに川原先生がデコってくれないと
楽しい味付けにならない
言語学って、ほんとに味がしないんだろーなー。
砂噛んでる味なんかなー、という感想です。
とーちゃんが妻も娘も大好きなのが
よく伝わりました。