川原繁人のレビュー一覧

  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    最初から最後まで著者の主張に一貫性があり、ブレずにいてくれるので非常にわかりやすい。
    タイトルを読んだだけでも著者が生成AIを子ども(特に乳幼児)に使わせることには反対しているのが伝わるが、それをいろんな視点から考察しているのが非常に興味深く自分も賛成する点ばかりでした。
    今後生成AIがどれほど人間に近づくのか未知数ではありますが、今のところ生成AIは不確実な情報を自信を持って伝えてくるというのは自分も実感しているのでその点においてだけでも子どもに使わせるのは違うかなあと思います。
    また子どもに対してという点からは少しずれますが、言葉だけでの共感は示してくれるけれどそこには対人間間での共感なら

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    2025年11月30日
  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    生成AIとおしゃべりアプリそしてスマホについて。気鋭の言語学者が子供の言語取得の害がないかを考察する。
    驚くべき速度で進化する生成AIは人間の代わりになるのか、直感的な疑問について筆者は真摯に検証している。
    新たな技術は新薬と同様、思わぬ副作用もあるかもしれない。
    既にスマホ、生成AIなしでは生きられない我々、便利さと裏腹な害について、もっと考える必要があることだけは間違いない。

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    2025年11月26日
  • 言語学者、生成AIを危ぶむ 子どもにとって毒か薬か

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    僕には子供がいない。だから子育ての大変さはわからない。けど、そういうときになったら、子供に対して安易にスマホを与えないようにするためにも読み返すべきだと感じた。(あるいは子育て中の方には読んでもらいたい内容だと思った)

    本書でも論じられていたけれど、AI自体というよりかはスマホ自体が子供(乳幼児レベルから)に与える影響について誰もわからないという点がこわいなと思う。

    スマホを子供に与えることを『臨床試験を経ていない新薬を小児に投与する』と例えている点は、まさにその異常さを表していて、世界レベルで人体実験を行なっているという強めの表現になるのも納得できる。

    スマホなしで生活するのが難しいか

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    2025年11月20日
  • フリースタイル言語学

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    言語学自体は、文学部で講義をとっていたため表面上は知っていたが、これほど身近で、これほど奥深いものだとは思わなかった。著者は言語学が何に役に立つかという世間からの目に今も苦しんでいると書いていたが、本文にも記されているように医療の面でも重要視されているし、なによりほぼ無知といって差し支えない私を言語学の虜にしてくれた。前野ウルド浩太郎さんや川原さんのような面白い若手の研究者の方がいるおかげで僕のような無学な人間は世界の一端に触れることができる。ありがたい限りである。

    この書籍の構成は本当によくできている。序盤にメイド喫茶やプリキュア、ポケモンにドラクエといったサブカルチャーを取り上げながらサ

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    2025年08月18日
  • 音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む~プリチュワからカピチュウ、おっけーぐるぐるまで~

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    子育て真っ最中、かつ大学の頃に学んでいた言語学をちょっとやり直したいなーなんて思っていた時に出合った本。面白すぎました。

    大学の時には、音韻論って意味論や語用論と比べるとピンとこない、実生活の役に立ちそうもない、というイメージだったのですが、それが見事に覆された。川原先生の教え方が上手なのでしょう。

    ポケモンの名付けに関する世界共同研究が、世界中の人とコミュニケーションがとれる術にまで今後発展するんじゃないかというお話には、素人の自分も胸が熱くなりました。
    そしてこの研究が進むことで、ソシュールの提言した言語の恣意性が覆されることになるかもしれない!もう考えただけでゾクゾクする。

    音声学

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    2025年07月17日
  • 言語学的ラップの世界

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    フリースタイルダンジョンから、少しだけ日本語ラップに興味を持っていた身ですが、初心者にもわかりやすく、日本語ラップの変遷を理解することができた本でした。最後の対談集がまたおもしろかったです。

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    2025年07月07日
  • 言語学的ラップの世界

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    これもゆる言語学ラジオから気になって購入。

    もともとフリースタイルダンジョンも好きだし、ラップも聴いてるし、なんなら友達にラッパーいるし、言語学も興味あるし、色々な要素がベースにあったので非常にテンポ良く楽しめながら読めた。
    なにより河原先生(著者)の説明のテンポ感が最高だった。

    ラッパーを大学の講義へ招くなんて聞いたことないけど、好きな人からしたらたまらんやろなぁ。

    今までラップを観る側にいたけど、本書を読んでからはこっそり練習して上手くなりたいな?と。
    早く新明解国語辞典を通読して語彙を増やさねば!

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    2025年07月06日
  • なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?言語学者、小学生の質問に本気で答える

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    とても興味深く面白かった!

    言語学・音声学と聞いて最初は難しそうだと感じていたが、小学生でも分かるように書かれていたので、とてもよく理解できたし面白かった!
    (橋爪先生との対談はわからないところがあった…)

    言葉自体がもつ性質や発音から伝わる印象など、当たり前だと思っていたことが、理論的に簡潔に説明、言語化されていて興味深かった!

    方言や100点など、筆者の考えは平和的だなと感じた…

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    2025年06月12日
  • 「声」の言語学入門 私たちはいかに話し、歌うのか

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    今回の新書は、音声学がつなぐ人との関わりから、川原先生ご自身の研究来歴を読み物として楽しむことができた。一方で、標題通り、言語学の入門書としての機能も果たしてくれており、言語学イントロをやったり、音声学・音韻論イントロを担当している自分の授業にぴったりだった。

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    2025年04月18日
  • 音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む~プリチュワからカピチュウ、おっけーぐるぐるまで~

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    先日、池谷裕二さんの「パパは脳研究者」を読み、子どもの育つ過程の面白さに関心が高まっていたところ本書に出会った。「音声学・音韻論の重要な部分をほとんど網羅」とあるが、音声学パートは自分には難しかった。第4話「せっかくだからしっかり音声学入門」あたりをもう一度読まねば!

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    2025年04月13日
  • 音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む~プリチュワからカピチュウ、おっけーぐるぐるまで~

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    202504
    元々読みやすいけど、ゆる言語学ラジオで大筋聞いてたからより分かりやすかった!

    音声学面白いぞ!

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    2025年04月08日
  • フリースタイル言語学

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    異常なまでの文のうまさ。アカデミアの著書でこんなに一般書として楽しく読める本は他にない気がする。
    楽しく気軽に読めるので、誰にでも薦められる良書でした。

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    2025年03月23日
  • フリースタイル言語学

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    p98 プリキュアの名前の文責めちゃくちゃおもしろい。ブートストラップサンプリング。「プリキュアで学ぶブートストラップ法」。
    p114 エントロピー(乱雑さの尺度)=部屋の散らかり具合=予測可能性。
    ラーメン屋の「しゃいませー」はエントロピーが低い。いらっしゃいませと言ってるだろうと予想できる。
    p220 にせだぬきじる にせたぬきじる
    連濁前に最初から濁音がついてたら濁らない。つまりたぬきじるだとだぬきじるにはならない。たぬきはだぬきになる。
    p236 頭が赤い魚を食べる猫(中村明裕)
    p320 ALSとマイボイス
    p333 コロナデマ翻訳

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    2025年02月16日
  • フリースタイル言語学

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    そもそも文系理系と分けるのも好きではないが、いわゆる文系分野の研究者が理系的思考で研究している。
    言語学の面白さを語った本かと思いきや、そればかりでなく、感動の涙も流れた。著者の人間味溢れる内容で、どんな経験も無駄にはならない、何が研究と繋がるかわからなく、自分で選り好みせずに果敢に外界に携わっていくべきだと思える。

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    2025年01月30日
  • 言語学的ラップの世界

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    ネタバレ

    日本語ラップのライムを、言語学・音声学から分析した音韻論がとても良い一冊。
    語り口が平易で読みやすい。(一部、過去の小論をそのまま使った章もあるが、そこまでお堅い話ではない)

    知り合いのラッパーにお勧めしておいた。
    ルールを知ったうえで技量を磨いたライムが世にでてくる日が楽しみである。

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    2024年10月23日
  • フリースタイル言語学

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    直接的な感想にはならない抽象的な視点になるが、自分が楽しく学び続けることは尊さを教えてもらった。

    特別支援教育に携わる者として、最終章のマイボイスの取り組みは、胸にくるものがあった。

    学問として何の意味があるがわからないものも、いつかは人の役立つ時が来るという、人生の伏線回収的な部分を見させてもらった。

    自分も言語学の勉強を少しずつ始めているが、今学んでいることが将来受け持つ子どもたちに、生かされることを切に願う。

    川原先生は音声学の先生であられるが、専門性だけでなく生き方からも学ばせてもらった。

    関係ないが、やはりいい大学にはいい先生がいると再確認した。

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    2024年09月16日
  • なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?言語学者、小学生の質問に本気で答える

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    普段何気なく使っている言葉
    その言葉に対する興味が湧いてくる、とても面白い本で、思わず人に話したくなる内容が満載ですが、この本の魅力はそれだけではない!!

    著者の川原さんの子供たちに接する態度がとても優しく、どんな意見も肯定し、前向きに捉えていくところがとても良い。
    子育て中の大人はもちろん、子がいない私にとっても、周りの子供達に接する時の参考になるような本でした。

    「大人が困るような質問をしてください。」
    実際、私がそんな質問されたら、素っ気なく対応していたかもしれないけど、川原さんみたいに子供に寄り添いながら一緒に考えてみても楽しいかもな。

    心が荒れてる時に読み返したい

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    2024年06月03日
  • 日本語の秘密

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    ・「靴下」は連濁しない。
    ・短縮された単語は五段活用。「いきる」は五段活用、「生きる」は上一段活用。
    ・使用頻度の高い単語ほどアクセントは平板化する。

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    2024年03月24日
  • なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?言語学者、小学生の質問に本気で答える

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    濁音は強くてゴツくて大きい。破裂音は小さくて可愛らしい。
    歴史も風習も違うのに、世界中の言語で似たような傾向が存在して、世界中の人々が似たような感覚を持っている。
    当たり前のように使っている言葉だからこそ、そういう不思議があることには気づけないし、それに気づいたときの面白さはひとしお。

    小学生に向けた授業の記録を元に書かれた本だから凄くわかりやすいのに、内容はしっかり専門的な内容に切り込んでる。
    言葉への興味が湧き立ってくるだけでなくて、学問とは何か?研究とは何か?勉強するのはなんのためか?といった部分まで考えさせられる、本当に深い本だったと思う。

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    2024年03月18日
  • 日本語の秘密

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    よくもこんな対談を実現したとつくづく思う。これが芸術・芸能の本ではなく、言語学の本だという、その括りも恐るべし。

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    2024年03月12日