中川淳のレビュー一覧
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ネタバレ「ブランディングとは差別化である」
この言葉だけで十分というほど5つのケースが裏付けている。
第1章では5つのケースを通じていかにしてブランディングをおこなうことで成果に結びつけたかという話が載っている。その後、ノウハウにうつる。
冒頭で述べたようにブランディングとは差別化のことである。
いかに自分の強みを活かしながら、その強みをどう具現化するか。言語化までは多くの場合できるのだが、デザインにうつるときにロジックの飛躍がおきる。
デザインはマーケティングの要素もとても含んでいるしいろんな要素はつながっているのだと思った。
楽しい。 -
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ブランディングの足元を改めて見直すために再読。
「差別化」「一定の方向性」について、目の前の仕事と対峙しているとどうも忘れてしまう。無意識のうちに、無難な方へ、一般的な方へと流れてしまうが、それではおもしろいものは生まれないのだろう。
素材を集めて、いったん放り投げて、自由に発想すること。その自由さの中におもしろさが詰まっていて、差別化になり、人をひきつけるのだと思う。
その根底に、ブランドへの理解があれば良い。
そこに根差した発想なのだから。
手法にしても、他社を参考にはするけども、結局は自己流が人との違いを生み出す。
アイデアの組み合わせということを意識して、最適解を探す作業を続 -
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ブランディングというと大手企業が注目されがちだが、奈良の300年老舗企業の若手経営者が自らの体験をもとに、明快な文章で伝統工芸のブランド立ち上げの苦労や発見について十三代目中川淳さんが執筆された非常にエキサイティングな一冊。
ブランディングとは何か?という本質的な問いに始まり、流通、モノ作りの仕組み、コミュニケーション、そして組織の「デザイン」の取り組みについて解説。中川さんが考える経営とは「デザイン」なのであり、ブランディングとは経営そのものなのである。
ブランドを作るときに必要なのは、こんなブランドにしたい!という熱い思い。営業部門、店舗スタッフの考え方が全く異なるようではブランド -
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尊敬する中川政七商店の元社長、中川淳さんの著書。
同郷ということもあり、勝手に親近感を持っています。
私は今、勤めている会社で新事業の立ち上げに関わっています。
BtoBしかやってこなかったのですが、初めて本腰を入れてBtoCのブランドをつくるということになり、希望もあってそれに携わっています。
元々大変だということは分かっていたつもりですが、やってみると、思っていた何倍も大変で、やることがとにかく多い。
個人事業主ではないので、新事業はコケても最悪死にはしません。
そんな恵まれた環境なので、完全にゼロから事業を作る人とはまた違いますが、日々考え、動き、反省を繰り返しています。
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中川政七商店 十三代 中川淳
こういう伝統ある企業が若い世代、学生に対して実地でビジネスを考えさせるというのは
素晴らしいことだ。
中川政七商店と三菱地所による「学生経営×地方創生プロジェクト=アナザー・ジャパン」で
2640時間かけて、企画立案に始まって実際の店舗経営をさせる。
いいねえ。
学生もいい。真剣。能力がある。感性が豊か。
どんどん若い人に経験させるのはいいことだと痛感。やらせればやる。
場づくりをしないと動かないのはそれまでの育成環境からして仕方のないこと。
であればこうやって場を用意してやれば、しっかり考え、動く。
そのあとは自律して動くものも出てくることだろう。
それでい -
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ビジョンとは?
ビジョンは会社が目指す最上位の概念。
登山の山頂のイメージ
ビジョンは背負えるギリギリの大きさにすること。
あまりに大きすぎると、ボヤけてしまうため。
例えば『日本のみんなを元気にする!』ではなく、『東京都のこの地域を元気にする』みたいな感じ
ビジョンは
会社の存在意義
会社の力
ブランド価値の時代変遷
経営が楽になる
WILL CAN MUSTが重なるところにビジョンがある。
WILL
熱い思い
これまでの文脈を、汲み取る→過去を省みる
お客様に媚びない
テンションが上がる
CAN
動詞にする
背負い切れるギリギリの範囲
MUST
社会課題と連結する
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◯なぜビジョンが必要なのか
・これまで評価されていたのは「与えられた問題に対して、早く正確な答えを出せる」こと。しかし、今は早く正解な答えがそこら中に転がっている。正解が過剰になり、問題が希少になっているので、問題を提示できるほうが優位になっている。
┗ 世界はこうあるべきではないか?という問いが重要
・豊かな世界になった。豊かになったということは足りているということであり、飢えていない。飢えてないのであれば、答えを出すことが難しいビジョンで飢えさせないといけない。
・VUCAな時代になり、スピードが早い世界になった。経済予測や3年計画が一瞬で崩れる。ビジョンのために仕事をすることで折れない指 -
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ネタバレ奈良の伝統工芸品のメーカーが、「日本の伝統工芸品に携わるメーカーと小売店を元気にする!」というビジョンを掲げながら、どのように自社ブランディングを行い、小売業に挑戦しながら、奈良で南都銀行に次ぐ新卒人気企業になったかを、面白く読める本。
そのために行ったステップとしては、以下だ。
・生産数量を管理する、予算をブランドごとに管理する等の当たり前のシステムを入れながら、
・伝統工芸品をベースとしたSPA業態を作り上げ、
・メーカーとして、小売業に手を広げ、消費者の手に渡る最後のプロセスまでこだわりカタチにする(たとえば、折型という包装紙)
(店頭での世界観を作り出し、ストーリーを示して、プロダク -
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中川淳氏は中川政七商店の経営にとても力を入れさまざまな改革をした方、というイメージがあり、ぜひ読んでみたくて手に取りました。
伝統工芸は歴史がある分、新しいことを始めたり新しいシステムを構築するのはより難しいと思うので、
時代の潮流に乗れずに淘汰される職人や事業者の方々がいる反面、このように変革を遂げて成長し続ける会社さんがいらっしゃること、そしてその内容がとても勉強になりました。
なぜ地元の経営者団体に参加しないのか?
なぜ直営店舗で小売事業を行うのか?
外部デザイナーと内部デザイナーの棲み分けは?
伝統産業分野で新商品を次々と生み出す理由は?
などなど、疑問が解消されると同時に、
中川