【感想・ネタバレ】奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。のレビュー

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Posted by ブクログ

ブランディングというと大手企業が注目されがちだが、奈良の300年老舗企業の若手経営者が自らの体験をもとに、明快な文章で伝統工芸のブランド立ち上げの苦労や発見について十三代目中川淳さんが執筆された非常にエキサイティングな一冊。

ブランディングとは何か?という本質的な問いに始まり、流通、モノ作りの仕組み、コミュニケーション、そして組織の「デザイン」の取り組みについて解説。中川さんが考える経営とは「デザイン」なのであり、ブランディングとは経営そのものなのである。

ブランドを作るときに必要なのは、こんなブランドにしたい!という熱い思い。営業部門、店舗スタッフの考え方が全く異なるようではブランドたりえないという。 (本当にその通り!!)

お客様から見たタッチポイントの整合性や情報がクロスするほど人は何かを強く意識する、といったことなどポイントが非常に具体的で、マーケティング視点を磨くには実に素晴らしい内容だと思った。

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2010年07月19日

Posted by ブクログ

ブランドの難しさについて悩んでた時に、たまたま目について手に取った一冊。

メーカーの老舗が手作りでブランドと会社を育てていく中で、自分の抱えるミッションに向けて、たくさんのヒントを得た。

ビジネス書を読んできっかけを見つけて、それを実行して初めて何かが変わる。

スタンスを軸に置いた採用の考え方やビジョンのキーワードなど"学び"を得た良書。

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2021年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

奈良の伝統工芸品のメーカーが、「日本の伝統工芸品に携わるメーカーと小売店を元気にする!」というビジョンを掲げながら、どのように自社ブランディングを行い、小売業に挑戦しながら、奈良で南都銀行に次ぐ新卒人気企業になったかを、面白く読める本。

そのために行ったステップとしては、以下だ。
・生産数量を管理する、予算をブランドごとに管理する等の当たり前のシステムを入れながら、
・伝統工芸品をベースとしたSPA業態を作り上げ、
・メーカーとして、小売業に手を広げ、消費者の手に渡る最後のプロセスまでこだわりカタチにする(たとえば、折型という包装紙)
(店頭での世界観を作り出し、ストーリーを示して、プロダクトをおいて初めて伝わるものがあるから)

【そのほか印象に残った点】
・よいものとは商品を通じて会話が生まれる商品
・ブランドを理解してくれるデザイナーを選びながらコアは社内でできる限りやる。社外のデザイナーとやる際は社内デザイナーも連れていきとことん学ばせる。
・伝統工芸品でも新商品は絶対必要。「変えるべきこと」「変えてはならないこと」を見極め、継続することが老舗の使命である。
・グラフィックデザインの重要性。店での商品を目にするまで基本的には2次元でしか人はモノを見ることができない。(これは専門家にお願いする)
・業界特化のコンサルティングへ
・粋更の立ち上げは失敗も多かったようだが、そのプロセスで得たものがそれからのすべての糧となっている。ノウハウも人間関係も。
・奈良の良さ=奥ゆかしさ(表現が難しい)(トリリウム)
・イメージコラージュ(いろんなイメージを見ながらコンセプトのトンマナの認識を合わせていく方法)
・また、出店に関する考え方も個人的には勉強になった
・外から初めて奈良を見て奈良へ対する印象が変わった。

伝統を守るために自らがパイオニアになって挑戦し続ける姿がとてもかっこいいなと思ったし、本当に共感できるビジョン、使命だと思った。奈良県民としてのアイデンティティも考えさせられる。

・伝統工芸品
・奈良

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2020年12月20日

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中川淳氏は中川政七商店の経営にとても力を入れさまざまな改革をした方、というイメージがあり、ぜひ読んでみたくて手に取りました。
伝統工芸は歴史がある分、新しいことを始めたり新しいシステムを構築するのはより難しいと思うので、
時代の潮流に乗れずに淘汰される職人や事業者の方々がいる反面、このように変革を遂げて成長し続ける会社さんがいらっしゃること、そしてその内容がとても勉強になりました。

なぜ地元の経営者団体に参加しないのか?
なぜ直営店舗で小売事業を行うのか?
外部デザイナーと内部デザイナーの棲み分けは?
伝統産業分野で新商品を次々と生み出す理由は?

などなど、疑問が解消されると同時に、
中川政七商店の戦略と魅力が明らかに。

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2020年08月20日

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経営バックグラウンドを持たない状態から、100年スパンの時間軸をもつ老舗を独自のブランドとともに新しいステージに飛躍させた若社長の話。
試行錯誤が垣間見られる。

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2016年03月30日

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ブランディングのノウハウよりも中小企業の元気さを感じ取った1冊。
そして継げるべき歴史あるお店があるのは素晴らしいこと...

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2014年09月23日

Posted by ブクログ

さらっと読んでみるつもりだったけど
のめりこんでしまった。

やるべきことは結構シンプルだったりする。

なによりもブランディングはスタッフの為の強い指標。

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2011年12月10日

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歴史を持った会社ならではの「伝統」を引き継いでいながらも、きちんと改めて「伝統とは」ということも考え、さらに、伝統を維持して画を通すわけではなく、現代に合った形で提案していこうという考え方が素晴らしいと思った。

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2011年05月18日

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奈良が好きで中川さんのお店も好きなものが多いので、どのように商品がうまれているのか知りたくて読みました。
地方のメーカー(中小企業)の商品開発部門で働いているので、中小企業のブランド戦略が参考になりました。会社の偉い人にも読んでみてほしいです。

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2010年04月05日

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ここ数年破竹の勢い?で伸びているお店の裏話、というかこうなるきっかけを社長の自叙伝で説明してくれます。
興味深いところと、中小企業ならでは、でなかなかまねできないことも。
それでも、何を大切に仕事をするか、その考えはひとそれぞれ、参考になる部分を参考にしたらいいのかな、と。
何より、自分で考えて、進めること、が大切なんだと改めて実感。

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2017年10月17日

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ネタバレ

流通経路と出店形態の話は参考になる。
小売と問屋のメリットデメリットでやはり最終は直営を増やすことが必要だとかんがえ。背景はやはり商品から会社まで全てが、ブランドをカタチ作っておりそれを問屋を通じた無責任な店舗ではコントロールが難しく失敗ブランディングがうまくいかないから。
また店舗テナントの紹介は、内装デべからの情報レビューが安全や、広告よりも口コミなどの第三者レビューを信頼してる。仮にそれが成功の秘訣ならば一人称的な広告というシステムはもう時代遅れなのではと思わされる。

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2013年09月22日

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経営にはロジックとクリエイティヴィティの両方が求められる。その両立とバランスこそがデザインという言葉に集約されている。
確かにそのように思う。
虎屋さんをベンチマークしているところも面白い。

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2013年05月27日

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メーカーが小売をやるノウハウ論が書かれているけど、書かれていることが具体論すぎて門外漢としてはあまり興味がわかなかった。

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2012年12月20日

Posted by ブクログ

◎「小売をやる」ことで得られるものは何?
①小売・ショップがブランディングにおけるタッチポイントを数多く有している

②顧客の声というニーズを商品企画に継続的に繁栄することができる

③日々の売り上げを生み出す


◎今の時代、小売=売り場に求められるものは何?
①商品の背景

②価値観の時代
消費者は自分で買いたいものを選択できなくなっている。誰かの目でセレクトされた「一定の価値観のフィルターを通した商品」を選ぶ傾向にある



■ものづくりの仕組みをデザインする

◎デザイナーを選ぶ
中小企業の経営者にはそもそもデザイナーを選ぶという視点が欠けている。
デザイナーは右脳的な分野に強い、経営者は左脳的な分野に強い。互いがそれぞれの立場と強みを尊重した上で、忌憚の無い意見交換をすることがよい取り組みにつながる。

デザイナーも商品をデザインする際に、その背景にあるブランドの考え方はもちろん、会社の発展段階を周辺環境にまで興味を持ってほしい。
ブランドと会社への理解が無いままにデザインされた商品は、ブランドとの整合性に欠ける可能性が高い。結果として、売れない商品になってしまう。

デザイナーにも左脳的な要素を理解する力が、経営者にもう農的な要素を理解する力が、今の時代には求められている。


◎コアデザインは社内でやる
メーカーにとって社外デザイナーと仕事をすることで得られることは、自社デザイナーの成長。
一流のデザイナーの仕事に触れることが何よりの財産になる。

中小企業がデザイン性の高い商品を出し続けるためには、自社で主力商品のデザインを開発しなければならない。であれば、自社のデザイナーの力をいかに引き上げるかが重要。

デザイナーとして独立している人は、独自の哲学や専門知識、プライドやモラルがある。そういう要素を社内のデザイナーに肌で感じてほしい。

グラフィックデザインは、誰に頼めばよいか?
→外部の専門家に頼むべき。専門家が大勢いるから。

メーカーは、プロ集団に頼むほうが、効率的で精度も高くなる


■組織をデザインする

◎ビジネススキルやフレームワークといったものは、仕事をするうえでのそろばんや方程式のようなもの。
知らないと、遅い、間違う、できないという事態に陥る。だから本来は率先して自ら学ぶべきものではある。会社はそのきっかけを与えればよい。


◎大切なのは本人が、向上心を持って主体的に学ぼう、成長しようと思うこと。
学んだことをすぐに実践できる場(会社)がある。こんなに楽しいことは無い。


■経営とはデザインである

◎それぞれの部署で、k理論からの飛躍によって生み出された答えが整合性を保たなければならない。
その整合性が会社という大きなレベルで求められるため、ブランドを作るには経営で取り組まねばならず、整合性をとる作業はロジックではなくデザインに近い感覚である。


◎ロジックで積み上げた後に飛躍できること。そしてそのひとつひとつの飛躍が全体として整合性がとれていることが重要である。

◎これからの時代、経営にはロジックとクリエイティビティの両方が求められる。その両立とバランスこそがデザインという言葉に集約されている。
大手戦略系コンサルティング会社が、ある時期から美大や芸大といったクリエイティビティに優れているであろう学生を積極的に採用し始めたのは、会社としてのロジックとクリエイティビティのバランスを考えてのことだと思う。


◎デザイナーは、多くの問題解決を1つや2つの表現で解決しようとしている。つまり、事業やブランドにスパッと線を一本通すような作業です。これが、飛ぶこと。積み上げの家庭をクライアントと共有していないと、自信を持って飛べない。

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2010年11月21日

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