あらすじ
中小企業こそ、ブランディングが必要なのだ!
成長を続ける「中川政七商店」の社長、中川淳氏(十三代 中川政七)が、社長に就任した2008年に発行した初の著書。300年近い歴史をもつ奈良の老舗麻織物メーカーが、なぜ自ら「粋更」というブランドを興し、小売業態に挑んだのか。デザインの力で老舗をブランド化するプロセスを語ったロングセラー。
新ブランドを立ち上げたものの結果は惨敗、再構築に挑んだもののまたもや存亡の危機。
挑戦、つまづき、危機感、情熱、解決…。
何の実績もなかった「粋更」が表参道ヒルズに出店するまでの実例を通し、
デザインの力で老舗をブランド化するプロセスとそこから得た中小企業独自の
ブランディングの方法、伝統工芸や地場産業メーカーの生き残り方の一案を提言します。
「ニッポンの老舗、創業300年の歴史から、企業の持続性の条件を学ぶことができる。」
星野リゾート社長 星野佳路氏
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Posted by ブクログ
奈良の伝統工芸品のメーカーが、「日本の伝統工芸品に携わるメーカーと小売店を元気にする!」というビジョンを掲げながら、どのように自社ブランディングを行い、小売業に挑戦しながら、奈良で南都銀行に次ぐ新卒人気企業になったかを、面白く読める本。
そのために行ったステップとしては、以下だ。
・生産数量を管理する、予算をブランドごとに管理する等の当たり前のシステムを入れながら、
・伝統工芸品をベースとしたSPA業態を作り上げ、
・メーカーとして、小売業に手を広げ、消費者の手に渡る最後のプロセスまでこだわりカタチにする(たとえば、折型という包装紙)
(店頭での世界観を作り出し、ストーリーを示して、プロダクトをおいて初めて伝わるものがあるから)
【そのほか印象に残った点】
・よいものとは商品を通じて会話が生まれる商品
・ブランドを理解してくれるデザイナーを選びながらコアは社内でできる限りやる。社外のデザイナーとやる際は社内デザイナーも連れていきとことん学ばせる。
・伝統工芸品でも新商品は絶対必要。「変えるべきこと」「変えてはならないこと」を見極め、継続することが老舗の使命である。
・グラフィックデザインの重要性。店での商品を目にするまで基本的には2次元でしか人はモノを見ることができない。(これは専門家にお願いする)
・業界特化のコンサルティングへ
・粋更の立ち上げは失敗も多かったようだが、そのプロセスで得たものがそれからのすべての糧となっている。ノウハウも人間関係も。
・奈良の良さ=奥ゆかしさ(表現が難しい)(トリリウム)
・イメージコラージュ(いろんなイメージを見ながらコンセプトのトンマナの認識を合わせていく方法)
・また、出店に関する考え方も個人的には勉強になった
・外から初めて奈良を見て奈良へ対する印象が変わった。
伝統を守るために自らがパイオニアになって挑戦し続ける姿がとてもかっこいいなと思ったし、本当に共感できるビジョン、使命だと思った。奈良県民としてのアイデンティティも考えさせられる。
・伝統工芸品
・奈良