中川淳のレビュー一覧
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ネタバレ奈良の伝統工芸品のメーカーが、「日本の伝統工芸品に携わるメーカーと小売店を元気にする!」というビジョンを掲げながら、どのように自社ブランディングを行い、小売業に挑戦しながら、奈良で南都銀行に次ぐ新卒人気企業になったかを、面白く読める本。
そのために行ったステップとしては、以下だ。
・生産数量を管理する、予算をブランドごとに管理する等の当たり前のシステムを入れながら、
・伝統工芸品をベースとしたSPA業態を作り上げ、
・メーカーとして、小売業に手を広げ、消費者の手に渡る最後のプロセスまでこだわりカタチにする(たとえば、折型という包装紙)
(店頭での世界観を作り出し、ストーリーを示して、プロダクトをおいて初めて伝わるものがあるから)
【そのほか印象に残った点】
・よいものとは商品を通じて会話が生まれる商品
・ブランドを理解してくれるデザイナーを選びながらコアは社内でできる限りやる。社外のデザイナーとやる際は社内デザイナーも連れていきとことん学ばせる。
・伝統工芸品でも新商品は絶対必要。「変えるべきこと」「変えてはならないこと」を見極め、継続することが老舗の使命である。
・グラフィックデザインの重要性。店での商品を目にするまで基本的には2次元でしか人はモノを見ることができない。(これは専門家にお願いする)
・業界特化のコンサルティングへ
・粋更の立ち上げは失敗も多かったようだが、そのプロセスで得たものがそれからのすべての糧となっている。ノウハウも人間関係も。
・奈良の良さ=奥ゆかしさ(表現が難しい)(トリリウム)
・イメージコラージュ(いろんなイメージを見ながらコンセプトのトンマナの認識を合わせていく方法)
・また、出店に関する考え方も個人的には勉強になった
・外から初めて奈良を見て奈良へ対する印象が変わった。
伝統を守るために自らがパイオニアになって挑戦し続ける姿がとてもかっこいいなと思ったし、本当に共感できるビジョン、使命だと思った。奈良県民としてのアイデンティティも考えさせられる。
・伝統工芸品
・奈良 -
Posted by ブクログ
中川淳氏は中川政七商店の経営にとても力を入れさまざまな改革をした方、というイメージがあり、ぜひ読んでみたくて手に取りました。
伝統工芸は歴史がある分、新しいことを始めたり新しいシステムを構築するのはより難しいと思うので、
時代の潮流に乗れずに淘汰される職人や事業者の方々がいる反面、このように変革を遂げて成長し続ける会社さんがいらっしゃること、そしてその内容がとても勉強になりました。
なぜ地元の経営者団体に参加しないのか?
なぜ直営店舗で小売事業を行うのか?
外部デザイナーと内部デザイナーの棲み分けは?
伝統産業分野で新商品を次々と生み出す理由は?
などなど、疑問が解消されると同時に、
中川政七商店の戦略と魅力が明らかに。 -
Posted by ブクログ
デザインの視点からブランディングを考えるのは、モノが溢れた時勢に合っている。ただ、店頭で目立てばよいというわけではなく、そのデザインがきっちりとブランドを顔になっており、買う人間の所有欲や使用欲を満たしてくれる必要があると感じる。
スーパーにならぶ加工食品の世界にその世界観は通用するのか。現時点では、よっぽど客層とチャネルを選ばない限り、デザインの力でブランドを引っ張り上げるのは難しい。
どのブランドも1年やそこらで「ブランド」になったわけではないはず。
本文にもあるように、いいものがまずあり、それを丁寧に、改良しながら社会とつながりつづけて、やっと「ブランド」になりえるのだろう。
選択肢の多い現代で、長く愛される「ブランド」はとても成立しづらいのではないか。
モノ視点でいえば、他が真似できない「発明」の域に達する必要があり、さらにそれを根気よく、資源を集中して伝え、販売しつづける事が必要となる。
そんな発明品の開発と根気のある販売活動と、その見極めを、自社ができるようにならなければならない。
・ブランドとは人格である(ディーンアンドデルーカ 横山正紀代表)
・ブランドとは価値観である(中川淳 経営の視点)
→ブランドの価値観を体現する人としてブランドマネジャーという役職を立てている。価値観を細部にわたって明文化することは非常に難しいので、ブランドマネジャーという人を立てることで、そのブランドにかかわる人が判断基準とすべきよりどころとしている。
・POPなどのツール類はブランドデザインを構成する上では小さなアイテム群に見えるが、実はお客様との日常の接点であり、売上に直接的に貢献する重要なコンタクトポイントである。これらはコスト、業務スピードの観点から社内制作になることが多いが通常ここで表現の質が落ちやすい(ディーン&デルーカは落ちない)
→ディーン&デルーカは落ちない。なぜならインテリア、雑貨ブランドで培った経営者のセンスと、従業員一人一人の人格(食とデザインが好き)
・やらないことを明確にすることが、ブランドの輪郭をしっかりと作る。「モノを売る」のではなく「ブランドを育てる」感覚でグッと我慢することが大切。
・ブランドを形作るものはモノ50:説明50だ(スノーピーク 山井社長)
・ブランドーラインー商品 の関係を把握する。
・経営者のデザインリテラシー度合いによる
・長く売れるものには社会とのつながりがある(デザイン会社ドラフト宮田代表)
・経営者とデザイナーが2人とも「やったね!これはいける!」で意気投合して経営者が本気でそのデザインを売ればきっと売れる。
・デザインと経営はつながっている。「ブランドマネジメント(=経営)→クリエイティブ・ディレクション→デザイン」
・ブランディングとマーケティングは違う。市場調査をして8割の人が良いというものを作ったとしてもそのとおりには売れない。自分たちが本当に良いと思うものを考えぬいて作れば、共感して買ってくれる人がかならず存在する。それこそがブランディングである。
・もはや原料による差別化は困難。チョコレートや飴などの半製品で差別化する時代。(六花亭 小田社長)
・菓子業界には販売地域を限定したエリアマーケティングの考え方に基づくブランディングがある。菓子がおいしい事が大前提だが「場所の希少性」を付加価値としてブランドの価値に盛り込む方法である。
・製品は永久保証
・21のしくみ
1企画開発 「自分たちらしいか」が判断基準
2企画開発 未活用の経営資源を生かす
3企画開発 多層的に差別化する
4企画開発 小さな差別化にとらわれない(品質や機能を改善する本質的な差別化に目を向ける)
5デザイン 世界観を伝えるデザイン
6デザイン スタイルを売る
7デザイン 経営者の目でデザインする
8デザイン デザイナーに「作る」から「売る」までを経験させる
9モノづくり 製品は永久保証
10モノづくり ユーザー視点を忘れない
11モノづくり 販売スタッフの「説明力」を磨く
12モノづくり エンドユーザーへ働きかける
13モノづくり 大量生産はしない
14人材 「スキル」より「好き」を大切にする
15人材 デザインへの感性が高い人材を採る
16人材 三拍子そろった人材開発
17人材 人材を育てる組織を作る
18人材 社員の勤勉がブランドを支える
19経営 事業ドメイン、ポジショニングで差別化する(製品コンセプトでの差別化とは強さが違う)
20経営 「会社の成長=社員の成長」にこだわる
21経営 人ありきで事業を考える
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Posted by ブクログ
ブランドづくりにかかわるAtoZとして経営フェーズから始まって、ブランドづくりのつくり方、商品のつくり方、コミュニケーションの設計までが書かれている。ブランディングとマーケティングの違いについても触れているが、クリエイティブな視点や考え方(デザイン思考)というより売り方を含む戦略的な内容に重きが置かれている。著者は、昨今、ものづくり企業の間で「デザイン思考」「ブランディング」といった言葉が飛び交うようになり、企業とデザイナーが協働して取り組んでも多くが結果を出せないままになっているという現状の上で、経営者に「クリエイティブリテラシー」が、デザイナーには「経営者リテラシー」が無いからだと述べている。リテラシーとはある分野に関する知識やそれを活用する能力のことで、双方とも「良いものを作れば売れる」という単一の視点やアクションでは良い結果を生まず、特に「コミュニケーションの設計」つまり「お客さんにどう伝えるのか」があまり意識されていないという。それについて第4章から第5章で詳しく触れられていて、特に第5章の対談(著者である中川政七商店代表と、博報堂ケトル代表の対談)が面白く、ここだけでも読み応えがあった。寧ろこの対談を読んでから、更に深堀りした具体的な話に興味があれば本編を読むと良いかもしれない。
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Posted by ブクログ
ネタバレブランディング成功事例のケーススタディ。
エイトブランディングの西澤さんのセミナーを以前受講した事があり、フォーカスRPCD理論などその際に耳にした内容が記載されていた。
かなり面白いというか、実用的な理論なので読んで損はない一冊だと思う。
商品企画でなくとも、企業イメージをつくる経営層から商品をエンドユーザーに”伝える”セールスまで、「イメージをつくり、伝える」というフェーズは発生する。
何を大事に、何をフォーカスするのか、という概念だけでも知っておけば全く違った動きになるのではないか、と。
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■COEDO
ブランドに関わる全ての文言やコピーをライターを介さずに決めた。
⇒コンセプトの基盤が出来、ぶれない基礎に
「伝えるべき事をきちんと整理して、しっかり伝える」
ブランディングはそれに尽きる。
■nana's green tea
「毎回違う事をやりたい」
⇒全店共通で変えない部分:ロゴなど
少し変える部分:グラフィックパターンの茶鶴など
大きく変えて良い部分:新商品はどんどん追加する
抹茶を主軸にしたカフェは「誰もやってないからやってみた」と
単純な理由から始めたが、それがオンリーワンのポジショニングに。
■HASAMI
売上げ管理を雑多に行なっていたが、見直し。
感覚的な「あれが売れる」「これは売れていない」を数値化した
⇒売れていない商品をバッサリ落とし、製品数を3分の1にした
「何のために、どんなブランドをつくるべきか」
結果として波佐見という地域のブランディングに繋がったが、
産地の強さはそこの一番星の輝きっぷりで決まってくる
⇒1社が儲かれば良い、という思考では地域は盛り上がらない
■粋更
ブランドマネージャーの仕事は「自分で決めること」
ブランドの全てをコントロールし、組織に横串を通す感じ
中川政七商店では「ブランドマネージャーはスキルではなく人格だ」と
規定して、各ブランドごとに1人ずつ確保している
新しいスタッフで理解が浅い人には「石田を見なさい」と言う
動き、言葉遣いからブランドを体現しているので、それを参考にしなさい、と
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■ブランディングとは「差別化」
「ブランディングとは、ある商品・サービスもしくは企業全体としてのイメージに
ある一定の方向性をつくり出す事で、他者と差別化すること」
・お客様の頭の中にあるイメージを作り出し、商品やサービスに結びつける
・ブランドをつくる、という事は総体としてのイメージによる「差別化」を図ること
当然ながら十分な水準の品質をもった上で、
「他とはどう違うのか、という部分をお客様に伝えること」が差別化する事 -
Posted by ブクログ
現代において、デザインとは表層的なことを意味する言葉だと誤解されている。その背景には、機能面の差別化に行き詰まり、装飾面(あるいは副次的な機能面)を追い求めてきたものづくりの歴史がある。その結果、世の中はたくさんのモノで溢れかえっている。「どうせなら長く使える『定番』を手にしたいが、何を選んでいいかわからない」そんな時代にゼロポイントとなり得る基準を示そうと、「THE」というブランドを作った。定番を作るプロセスは、「過去を知り、現在を考え、未来を創る」。そこに必要な要素は、「いまあるものを組み合わせて、ぶれないけど柔軟な、ありそうでなかったものをつくる」こと。それはデザイナーをマネジメントできる(デザインリテラシーのある)経営メンバーによって実現する。現代は、経営もクリエイティブが求められる時代だ。
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Posted by ブクログ
「定番」の考え。
「THE」のコンセプト。理由。
デザインリテラシー、経営リテラシーのバランス。
などコアな部分は なるほど、そうだなと思えるものが多く面白く読めましたし 多くの世間の人に認識してもらいたいと思うことが多かったです。
ただ水野学さんの前半部分は、「?」と思うこともあり。
日本の車は結局デザインでは外車に劣ると言っておきながらトヨタ車は奇抜ではなくいい、これが「定番」という。。
理想はどこにあるのでしょうか。
世間のデザインリテラシーが向上し、外車のようなデザイン性の高いものが国産でも作られ受け入れられること?
結局は定番で奇抜のないもの?
水野さんの文章だけ、引っかかるものでした。
本著は THEのメンバーである4人の方が順に書いています。
このような形態をとり、さらに全員がデザイナーではなく経営の視点もある人など多視点からの話を読めるので面白く受け入れられる点もありました。
どうしてもTHE製品をプッシュする内容ではありますが、なぜその製品がいいのか、どういう意図で作ったのかを聞くとやはり良さそうと思えます。単なる宣伝の本というより、よっぽどTHEを作るまでのスピリットに自信があり、広めたいのだなと思いました。
私は広まるといいなと思います。
デザインに対する世間の理解が進みますように。 -
Posted by ブクログ
“次の世代の定番を作ろう”というプロジェクト「THE」の4人による商品開発の進め方を語る本。
「定番となる条件」として「形状」「歴史」(支持率×支持期間)「素材」「機能」「価格」を挙げてそれを満たすような商品を意識して開発する。3章では今まであった商品に何かの機能を加えて新しい商品を作り出すことを「イノベーション」としているけれど、実際の開発プロセスを経ると、結局江戸時代に完成されていたものの“再発見”に過ぎなかったりする(ように見える)あたり、「定番」は普遍的な価値を持つということなのかな、と。
タイトルの『デザインの誤解』は、「デザインってよくわからないから名のある人に任せてしまおう」と、評価を放棄してしまう企業側に投げかけたものだと思うけど、内容からは少しズレているかなと。あと、帯が微妙。 -
Posted by ブクログ
ブランドは つくるのではなく 育てるものだ。
スキルよりも スキ が重要。
インナーブランディング。
しつらい。
ブランドは 価値観である。価値をデザインする。
ブランドは 世界観を表す。
思い、こだわりの集積が 人格を形成し、ブランドを形成する。
ブランドとは 伝えること。説明力がいる。
伝えるものがあり、伝えることがある。
ブランドとは 生活スタイルの提案。
ブランドとは 永久保証である。
ブランドとは、時を経て 価値をます。
ブランドとは 古くならないものである。
ブランドとは 時間に耐えられるものである。
デザインとは、空気をつくることから始める。
『根本的なところで、差別化できない商品は、どうしたってダメ』
デザインでは ごまかせない。
差別化をはかるのが デザインとなる。
ここの小さな差別化ではなく 大きな差別化。
ここでとりあげられた 会社は 多くは二代目で、
そして、デザインは 自社で取り組んでいるのが、
特徴と言える。