石井桃子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海賊遊びや戦争ごっこに明け暮れる少年、トムはある日墓場で殺人の現場を目撃してしまい、犯人のインジャンジョーとの運命の糸がもつれる。
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日本人なら誰もが知っていそうな世界的名著の児童文学ですが、これは著者が願った通り、大人向けのお話のように思いました。
まあ、阿呆を煮詰めて濃縮したようなトムや取り巻きの男の子のキャラクター造形は子どもというよりかつて子どもだった大人たちが顔を赤くして読んで共感を示すものでしょうし、いたずらや冒険そのものも自分が子どもの頃にできなかった奔放な遊びを描いているようで憧憬を感じます。
一方でところどころに社会を鋭くえぐる文章が入って -
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Posted by ブクログ
童話でもない。昔話でもない。おとぎ話ともちょっと違う。ファンタジーというほどの現実離れでもない。ものがたりという感じでしょうか。独特の、味わい深い世界観。宮崎駿さんが好んで読んだというのも頷けます。
著者自身が子どもの頃からいろんな本を読んでいたようで、そのときに著者の血肉となったものが熟成されこのものがたりに昇華され、今度はそれを読んだ自分の血肉となって、そして娘たちに読み聞かせて、彼女たちが自分のなかの世界をつくる素材になって、というふうに続いていくと思うとワクワクします。
ペン画の挿絵も想像が広がる絶妙なセンスで、いいものを読んでいるなという満足感を味わえる本でした。