J・J・アダムズのレビュー一覧
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ビデオゲーム×SFをテーマにしたアンソロジー。
全部で12作品載っていて、自分的に特に印象深かったのは、「猫の王権」(チャーリー・ジェーン・アンダース)。
主人公が認知症の改善に効果があるという評判のVR国家運営シミュレーションゲームを同性のパートナー(認知症)にプレゼントするんだけど、そのパートナーはVRの世界でものすごい政治家になっちゃって、もはや主人公とは違う世界の住人になってしまう、っていうお話。
ゲームにのめり込むにつれて、主人公を必要としなくなってくるパートナーと、それを受け入れざるをえない主人公の悲しみが切ない……
最後、主人公が同じような境遇のひと(新しいパートナーになりそうな予感)と出会うところが救い(><)
あと、「アンダのゲーム」(コリイ・ドクトロウ)も良かった。
主人公に感情移入できて、最後は気分爽快のハッピーエンド(^○^) -
Posted by ブクログ
巨大宇宙SFってなんだ? と思っていたら、スペオペでした。あとがきではスペース・オペラを連呼しているんで、禁句と言うことはないと思うが、背表紙や帯の惹句には、どこにもスペオペとは書いてない。なんとなく不思議。
で、中身の方はニュー・スペース・オペラ以降の、アクションSFが主軸。一昔前のスペオペ・アンソロジーなら、もう少しB級感というか、やさぐれた感じを出してきたような気がするが、これはこれでいい。ただ、これはお約束なのか、どれほどとんがったSFガジェットをてんこ盛りにしていても、人情とか、家族関係なんかは今と変わっていない設定のお話がほとんど。多少の違和感はある。 -
Posted by ブクログ
J・J・アダムズが編纂したパワードスーツSF短編のアンソロジー。
全12編のパワードスーツが出てくる短編集で、表紙だけでなく全編の扉絵にあのSFイラストレーターの大御所である加藤直之氏がイラストを描いているという豪華な本である。
正直、加藤直之氏の様々なパワードスーツのイラストが目当てだったので、小説の内容はさほど期待していなかったが、全12編のうち面白いと思ったのが幾つかあった。
「アーマーの恋の物語」
天才科学者であり富豪である男性とその命を狙う暗殺者の女性が繰りひろげる異色のラブストーリー。
「天国と地獄の星」
異星の敵対的なジャングルで基地建設作業に従事するパワードスーツを着用した主人公たちの体験する想像を絶する事件。
終わり方が、映画アバターを思い出させる。
「N体問題」
ワープゲート網の行き止まりの星で繰り広げられる物語。
装甲服のヒロインが出てくるが、それはあまり話の筋には関係ない。
ただ話のアイディアと落ちが面白かった。
加藤直之氏のイラストが好きな人ならば買いの一冊である。 -
Posted by ブクログ
久しぶりのSFアンソロジーはパワードスーツ傑作選!
パワードスーツと聞くと、「宇宙の戦士」や「終わりなき戦い」で登場する戦闘用アーマーを思い浮かべますが、本書で紹介されるパワードスーツは戦闘用に限りません。海洋探査用であったり、戦車のようなもの、外傷ポッドに宇宙服…とにかく広義に捉えた作品群はさまざまな物語を提供してくれて、おもしろく読み進めることができました。
戦闘用アーマーを取り扱う表題作に心躍ります。他にも戦闘に関連した作品が多かったりするのですが、パワードスーツ側の視点で描く「所有権の移転」であったり、破損した宇宙ステーションに取り残された猫を救う「猫のパジャマ」とかがいいスパイスとなって印象に残っています。 -
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ネタバレゲーム小説だけどSF集じゃないかも。
最後の短編のケン・リュウは読んだことがなかったけど、ありきたりなテーマなのに見せ方が良くて、単純に小説が上手いなぁと思う。
一番面白かったのはお葬式にいくゲームキッズの話で、プロットの秀逸さを土台に、勧善懲悪と友情要素のバランスがいい小説だった。
「アンダのゲーム」も、有名小説のパロディに収まらない、やや苦い後味と女の子の可愛さがいいコントラスト。
テレビゲームで何かを表現する、またはゲームを表現する短編集だけど、小説の多くがテレビゲームを世界と結びつけているのが興味深い。私はあまりテレビゲームをしたことがないけど、一方的に鑑賞する小説や映画とは違い、コントローラーによってアバターを操作てきるゲームはより空間的に感じられるのかな。そこから発展して、立体感のある人工的な箱庭としてのゲーム空間の魅力、また現実との差や侵食をテーマとしたゲーム小説があったら読んでみたいと思った。この短編集では、女の子がエルフの王妃になっちゃう短編が一番近い?