小川一水のレビュー一覧
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かなり良い作品。再読しよう、と決意するに足りる濃い話だ。満足。
オープニングの「フリーランチの時代」は、タッチが軽めなんだが、テーマは深く重い。ファーストコンタクトものとしてはかなり異質だが、逆にあり得る感じ。
次の「Live me Me」が素晴しい。オープニングに続き、人とは、生命とはってところに目的地がある感じ。
続く「Slowlife in Starship」は再読候補。展開が遅く、読み飛ばしてしまった。さらに、「千歳の坂も」もいい話だと思うのだが、だるい展開が酔った状態では受け付けずパス。この二作品は読むタイミングが悪かった。
気合い入れてラストの「アルワラの潮の音」 -
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宇宙人のチカラで不老不死になってしまった火星探検隊を描いた『フリーランチの時代』、事故で脳を人工臓器とした少女を描いた『Live me Me.』、宇宙のニート生活を描いた『Slowlife in Starship』、人類が病死や老衰死から解放された世界を描いた『千歳の坂も』、『時砂の王』のスピンオフ『アルワラの潮の音』。
人は死ぬ。故に人は完全には自由になれない。では不老不死になったら、真の意味で自由を手に入れたら、人類はどうなるか。それが本作のテーマでした。「フリーランチの時代」とは面白い。でも、まあ、衰退するんじゃないかなあ。不老不死にも関わらず。そういった意味では、“自由”とは空想上の -
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確か単行本を買った気がするのですが読んだ覚えが無いしどこかにまぎれてしまったのでしょう。と言う訳で短編集、面白かったです。
私もお空の散歩はしてみたいなあ…。そして猫カメラは是非私もやってみたい。彼らはどこで何をしているのだろう、といつも不思議だったので。そして個人的にはピグマリオンな話は面白かったです。なるほど愛されるために世界を、自分を変えてしまうとは。なかなか出てこない発想だと思います。
伝染病の話は薄ら寒い感じです。いつ、どこでこれほど強力なウィルスが発生してもおかしくない。発症後致死率の高い伝染病が空気感染で人から人、動物から人へとうつったら。少し前の口蹄疫病でもあれほどの大パニ -
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6個の短編集。そのうち「グラスハートが割れないように」と「静寂に満ちていく潮」は理解できなかったので、☆3つ。
都市衛星のサエ
竹宮恵子の「地球へ・・・」を思い出させるような内容。氷塊をカタパルトで打ち出して、それで衛星から逃げるっていうのは面白いな、と思った。
占職術師の希望
SFではないかもしれないけれど、面白い!これドラマとかにしてほしいなあ。SPとにたような感じになっちゃうかもしれないけど。
守るべき肌
仮想世界もの。ラストがよかった。
青い星まで飛んでいけ
表題作、これが一番おもしろかった!ホモサピエンスとは何か。それにしても時間軸が気の遠くなるようなスパンだけど! -
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東南アジアの、軌道エレベーターの麓の島で頑張る女性たちを描く連作短篇。
当人の人生にとって重要ないくつかの事件を解決することで、ゆっくりと世界も変わっていくような感覚。こういう、地道目の改革は女性的なのだろうかと、少し思う。
小川さんの話は、女の子がひどい目にあって、それをきっかけに男がまた大きなことをやらかす、という印象が結構あるのだけど、女の子が自分で頑張ると、こうなるような。
ああ、でも、支える男たちはそれぞれ良い男だねえ。
私の読書は女性に移入するのは苦手なのだけれど、支える格好の良い男を見ることで、だいぶ楽しめている所があるかもしれない。
そういう意味でか、好きだったのは機械彫刻の -
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この本を一番先に読んでいたら他の本に手をださなかった気がします。震災・復興・立場を違えた色々な人間の思惑と行動が交差し、果ては外宇宙の他国の政治が絡んできてう~ん、と言う感じです。この作者のディテールの細かさにはいつも痛み入るのですが今回はちょっと色々とエピソードが絡みすぎて分かりづらく、本筋を追うのに苦労しました… 自分の頭の中で地球ではない宇宙のどこかの惑星、と言うのが一番先に頭にあったからかも知れないのですけれども。
後もうひとつ気になったのが挿絵です。今まで挿絵の無い文庫だったのでちょっと戸惑いました。絵が良いとか悪いとかではなく… 絵で表現されると良くも悪くもその表現の範疇に収ま