野尻抱介のレビュー一覧

  • 太陽の簒奪者

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    2006年、水星から出現した物質により、太陽にリングが形成された。このリングにより、日照量が激減し人類は絶滅の危機に瀕する。主人公 白石亜紀は、異星文明へのあこがれと人類救済のため宇宙艦に乗り、リングの破壊ミッションに挑む。

    太陽の簒奪者(さんだつしゃ)は2002年4月に刊行されたハードSF小説です。刊行は20年以上前なのですが、そのプロットのため非常に興味深く読めました。近年、話題になっているSF作品のアレ※1とアレ※2にそっくりじゃーんとなります。分量もちょうどよく、非常に楽しめます。

    まず「なぜリングが作られたのか?」というホワイ・ダニットが楽しめます。そして徐々に「なぜ」が解決され

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    2025年10月12日
  • 太陽の簒奪者

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    「トップを狙え!」が見たくなった。宇宙スケールでランデブーや攻撃に時間がかかったりする展開がたまらない。Terra Invictaというゲームでも描かれる、異星人が来るまでに地球人の意思統一で悶着するという流れも好きです。

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    2024年04月16日
  • 沈黙のフライバイ

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    宇宙開発の未来を描きつつも、重すぎず軽すぎず、絶妙なバランスで読みやすかった。火星表土の液状化とか、小惑星の地形の謎とか、実際に科学的な裏付けがあるのかは分からないけれど、こういうリアルなSFってすごいワクワクする。こういう堅実な話って最近は少ないような気がするし、すごい面白かった。好き。

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    2023年10月07日
  • ふわふわの泉

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    化学好きの女子高生が新物質を開発して事業を展開していき、スケールがどんどん大きくなっていく。SFらしくて面白い。
    ふわふわで宇宙に出てみたいものだ。

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    2023年06月25日
  • 南極点のピアピア動画

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    ネタバレ

     ボーカロイドという非現実的ながら実在するガジェットにより「初音ミク的存在が現実にいる」という空想の世界観が、現実に近いように錯覚してしまう。ある意味、現実に絶望してしまう作品。
     高次知性体との邂逅の周辺にちりばめられた恋愛エピソードは、有川浩「空の中」と似た感覚を味わった。自動化され増殖する工場、宇宙への風に乗る恋人達、特殊な環境下でのクモが生み出す予想外の構造物、潜水艦を使った鯨との追跡コミュニケーション研究、一つ一つにボーカロイド「小隅レイ」のイメージが生かされ、「あーやきゅあ」に行き着く世界は、出来すぎなくらいのユートピアである。

    ~再読~
    「外見の同一性保持」は疑心暗鬼を生まない

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    2023年01月11日
  • 太陽の簒奪者

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    もう、この手の本は圧倒的に好き。
    幼少のころから本好きではあったが、社会人の一時期は読書の習慣から離れていた。その後、ポツポツと復活したときに手にした一冊が、野尻さんの「沈黙のフライバイ」。「なんて面白い短編集なんだ!!」と感動して、親や友人に貸してみたが、そこまでの反響は得られず。しばらくして、「自分はSFというジャンルが人よりかなり好きなんだ(思い返せばガンダムとかも超好きだし)。」と自覚するに至る。
    前置きが長くなったが、そんなSFとの出会いの一冊をプレゼントしてくれた野尻さんの代表作。いつか読みたいと思いながらはや15年ぐらい?ついに手を取ったが、やっぱり面白かった。
    テンポよく進むス

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    2021年04月09日
  • 南極点のピアピア動画

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    ニコニコ動画とボーカロイドを下地にした、壮大にして飛躍的なSF。
    民間ロケット、軌道エレベーター、潜水艦でのクジラとの対話、そして星間文明との交流へとスケールがどんどん広がっていくのが爽快で心地良い。

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    2021年02月06日
  • 私と月につきあって

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    3巻読了

    この巻からアニメとは関係なく進む話。
    今から20年以上前のストーリーとは言え、中々に秀逸。
    ある程度、トンデモ話が組み込まれてるのは仕方無いとして、
    SF物としては夢のある内容で面白い。
    さて、次巻が最終巻。
    タイトルは「ロケットガール」で、大きなフォントが使われてるのはサブタイトルですので。

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    2021年01月07日
  • 天使は結果オーライ

    購入済み

    2巻読了

    とりあえず、ここまでがアニメ化された内容。
    サブタイトルをメインで出してるので解り難いけど、本作がシリーズ第2巻。
    紛らわしい事をしてると云うか、作品のタイトルすら見てもいなければ分類もまともに出来ないのがBookLiveの悪いとこ。
    作品が良くても、これでは作者にも読者にも失礼でしかない。

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    2021年01月06日
  • 女子高生、リフトオフ!

    購入済み

    ほほぅ

    原作版は原作版で面白い。
    先にロシアのソユーズが出て来ると思わなかったけど、
    それはそれで在りだとも思った。
    書かれた時代が時代だけに仕方無いけど。

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    2021年01月06日
  • 南極点のピアピア動画

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    2012年に尻Pが夢想した「ネット社会の理想の未来」って感じの小説。終始明るく読んでてワクワクする。
    だけど、終盤に実名で津田大介、どう見たってカワンゴの山上会長が出てきてからは「なんで今のネットってこうなっちまったんだろうな」と作中と現実の落差に落胆せざるをえなかった。
    夢がある話だけに、現実の夢のなさが残酷なほど浮き彫りになってしまう。この小説みたいにみんなが科学に理解を持って助け合えば、今からでもこんな社会は目指せるんだろうか。
    現実のクソさのせいで読後感は複雑だが、内容は傑作といって過言じゃないと思う。

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    2020年01月06日
  • 女子高生、リフトオフ!

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    ネタバレ

    これ、20年前の作品の復刊だったのか!後書き読むまで気づかなかった。

    だって、断熱タイルがデブリ衝突で脱落って、シャトルの事故前に書かれたとは思わないでしょ…そして、誰も不幸になっていないよなあと書こうとして気づいた。ミール…

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    2018年11月03日
  • 太陽の簒奪者

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    ああ、王道のファーストコンタクト物って久しぶりに読んだけど、まだまだ新境地があったのね。SFっていいわあ。SFが加賀くん可能性を指摘し、科学が発達したらまたSFも新たな地平が開かれるので、SFも科学も進んで欲しいところ。ところで、沈黙のフライバイ、南極点のピアピア動画 、ふわふわの泉(再刊)、そしてコレと読んだ順番がアレになってしまった(^^;

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    2018年11月04日
  • ふわふわの泉

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    前から読みたいと思っていたが再販されたので購入。これ書いた人が初音ミクと出会ってピアピア動画を描いたってのがよーくわかる。これからも野尻氏にはついていきます!

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    2018年11月04日
  • 南極点のピアピア動画

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    ネタバレ

    SFの一つの到達点。「今の日本」でSFが書かれなければならなかった理由は、この作品が生み出されなければならなかったからなんじゃないかなとか言いたくなるレベル。まあ、アキバ的思考が全宇宙標準というのはある種の人々にとってはデストピア作品にしか捉えられない可能性はあるかw潜水艦まででおわっても、普通にSFなのだが、その先の展開は予想外だったw

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    2022年08月24日
  • ふわふわの泉

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    いいな~こういったマイナス要素に着目しないSFは。
    一人の女子高生(のち社長)が世界の倫理観やら関係なしに自分のしたいようにする。
    星雲賞受賞だそうで。
    中学時代に「星虫」を読んだ時の気持ちを思い出した。

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    2021年06月04日
  • 沈黙のフライバイ

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    今自分が生きている現在。それと地続きになっているかのような空想。そこの境界線がふわっとしているSFってたまらないです。「轍の先にあるもの」がまさにそれ。たぶん、作者自身のわくわくが止まらなくて、これ書いたんだと思う。

    いや、フィクションだと気づくときは、早々に訪れるんだけどもそこまでがね。

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    2017年09月21日
  • 太陽の簒奪者

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    ネタバレ

    西暦2006年、太陽面を通過する水星から謎の細長い物体が突き出ているのが観測される。それは、未知の知性体(?)が水星上に構築したマスドライバーから吹き上げる巨大な噴泉だった。水星を原材料に宇宙空間に吹き上げられた物質はやがて太陽の周囲を取り囲む巨大なリングを形成し、地球は日照量が激減したために文明崩壊の危機に陥る。
    2006年の水星太陽面通過を正に観測していた天文学好きの女子高生・白石亜紀は、リング研究の第一人者として成長し、国連宇宙防衛軍が建造した宇宙船のクルーの一員としてリング破壊計画に参加することになる。しかし、亜紀が真に望んでいるのは、リングを建造した未知の存在とのコンタクトだった。地

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    2016年09月22日
  • 沈黙のフライバイ

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    これぞ本当のSFという気がした。
    伊藤計劃さんのような淡々とした作風も好き。

    この中で一番好きなのが「轍の先にあるもの」。
    フィリップ・K・ディックの「シビュラの目」に近い作品。
    主人公にとっては偶然見つけた轍のようなものが一生を決めたといっても過言ではないと思った。
    彼が作家として活躍しても、轍のようなものに対する情熱は衰えず、彼にとっては人生と轍のようなものはイコールで結んでもいいようなものなのではないのか。
    私にとってはそれが本に当たるのか?
    「自然は容易に正体を明かさないし、回答は新たな問いを添えるものだ。この峠を越せば、きっと新たな峠が現れる。あの小さな轍の先にあるもの――それは無

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    2016年03月29日
  • 太陽の簒奪者

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    地球外生命体というのはやっぱロマンあるわけで、かつてはETからインディペンデンスデイまでやべーやつから可愛いものまで想像膨らませまくりなわけで。そんなこんなでここでも宇宙人とコンタクトするのにすったもんだあったりなかったりで、大変な事になってるんだけど、微妙にSFちっくな哲学的な話を盛り込みつつも、妙にダイナミックでスピード感があって読んでるのが楽しい。SFってロマンあるけど、時々一般人にはついていけない方向に熱くなって訳わからんてなるんだけども、この本くらい控えめならありがたい。

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    2016年02月07日