野尻抱介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
アンドロメダ方面を発信源とする謎の有意信号が発見された。分析の結果、JAXAの野嶋と弥生はそれが恒星間測位システムの信号であり、異星人の探査機が地球に向かっていることを確信する―静かなるファーストコンタクトがもたらした壮大なビジョンを描く表題作、一人の女子大生の思いつきが大気圏外への道を拓く「大風呂敷と蜘蛛の糸」ほか全5篇を収録。宇宙開発の現状と真正面から斬り結んだ、野尻宇宙SFの精髄。
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野尻宇宙SFの真骨頂。短編5編。
「沈黙のフライバイ」はハードというか、実にリアル -
Posted by ブクログ
20120907
ハヤカワ文庫のSFレーベルだけど表紙の絵は思いっきりラノベ。
挿絵は全くないけどキャラクターイメージやセリフ運びもやっぱりラノベ。
なのに出だしから「ベナール対流」「フラーレン」「水上置換」「コランダム結晶」「立方晶窒化炭素」・・・なんのこっちゃ?Wikipediaで意味を調べながら読みました(^_^;)
なのこの傑作?!
もし高校化学部の女子部長が空気より軽い新素材を発明したらー
という軽〜い内容だけど、読みながら Googleや計算機に手が伸びるハードSF。トンデモ話の背景にある物理的な設定がとても良く練られてる。だけど一気に読めてしまう。
物理の知識があれば -
Posted by ブクログ
野尻抱介やっぱ好きだなー。
突拍子もない展開の中に、芯を外さない科学的考察。
限りなく日常に近いところから、無限の時間と距離を隔てた世界まで一気に風呂敷を広げるなんて、なかなかできやしませんぜ奥さん。
ラスト近くに描かれる以下のセリフには目からウロコであった。
「人間の自意識は、自己と周囲の環境との関わりを類推することで生まれる、一種の錯覚です」
まぁ、信じたくはない話ではあるが。
この作品を2001年に発表してるなんて、ああ、野尻抱介はやはり凄いぞ。小川一水と甲乙つけがたいな、いやマジで。
詰め込みすぎてふわふわになってしまったが85点(100点満点)。