野尻抱介のレビュー一覧
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―――アンドロメダ方面を発信源とする謎の有意信号が発見された。分析の結果、
JAXAの野嶋と弥生は異星人の探査機が地球に向かっていることを確信する―静か
なるファーストコンタクトがもたらした壮大なビジョンを描く表題作、一人の女
子大生の思いつきが大気圏外への道を拓く「大風呂敷と蜘蛛の糸」ほか全5篇を
収録。宇宙開発の現状と真正面から斬り結んだ、野尻宇宙SFの精髄。
初めて手を出した野尻抱介の宇宙SF短篇集。
端的に言って、捨て作品なしの傑作。
収録されている5篇のうち、古いものは15年前に書かれているにも関わらず、そ
のことを全く感じさせない。どころか、未来に向かう光のようなものを感じら -
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野尻 抱介 『沈黙のフライバイ』
(2007年2月・早川文庫)
「沈黙のフライバイ」
十光年離れた赤色矮星から送られてきた無数の探査機群が太陽系を通過するイベントを描く。
探査機を操る電波を解析し「赤い小人」の生態や彼らが住む星の環境を推測する場面に胸が踊る。
最後の1ページには夢が詰まっている。
「轍の先にあるもの」
2001年に小惑星探査機から送られてきた画像に触発されて書かれた作品。
実際に生まれた疑問にフィクションをつなげて20年後の解決に導く。
作者なりの解答には説得力あり。
「片道切符」
有人火星飛行計画の宇宙船の飛行士である2組の夫婦の話。
地球から打ち上げられた後、一緒 -
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内容(「BOOK」データベースより)
浜松西高校化学部部長・浅倉泉の人生の目標は“努力しないで生きること”。文化祭を前に泉は、ただ一人の部員・保科昶とフラーレンを生成する化学実験を行なっていた。そのとき学校を雷が直撃!実験失敗と落胆する泉の眼前には空気中に浮かぶシャボン玉のような粒子が生まれていた。ダイヤモンドより硬く空気より軽いその物質を泉は“ふわふわ”と名づけ、一儲けしようと考えるのだが…
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祝・復刊! いやぁ、実に面白い!
女子高生が「空気より軽くてダイヤモンドより硬い」夢の新素材を発明したことから巻きお -
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宇宙をテーマにした5編の短編集。
タイトルになっている「沈黙のフライバイ」はかなり好き。ファーストコンタクトモノでありながら、宇宙人は出てこない。彼らが送り込んだ探査衛星とのコンタクト。実際に発表されている研究内容を元にしているって話だから、実際あと10年、20年もすれば実現するんじゃないかしら?と思うと胸が熱くなる。
作中で探査衛星が送ってきていた画像に写っている様々な人工的と思しきオブジェクトの事が気になる。
あと、最後の1編(書き下ろしだったかしら)「大風呂敷と蜘蛛の糸」は奇抜なアイディアながらも、気持ちいいストーリー。主人公の女の子の声がなぜか脳内で坂本真綾だったw なんか、台詞の言い -
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すばらしい。宇宙のように静かだが、正確で重い。そして、ロマンがたっぷりと詰まっている。驚きの傑作だと思う。いやぁ、いい作者に巡り合えてよかった。
アイデアもさることながら、異星人とのコンタクトを切に願う思いがひしひしと伝わってくる「沈黙のフライバイ」、知りたいという知的好奇心がなによりも重いと思う「轍の先にあるもの」、わかる、その気持ちわかると唸ってしまう「片道切符」、そのスーツよりも生命体の発見、その感動とはるかに大きな時間的スケール感が最高の「ゆりかごから墓場まで」、少し乗り切れないものの楽しめる「大風呂敷と蜘蛛の糸」 の短編集だ。
表題作ももちろんよかったのだが、「ゆりかごから -
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ネタバレ2006年11月9日早朝。水星の太陽面通過を観察していた天文部部長の白石亜紀は、水星から塔のような細長い物体が伸びていることに気がつく。突如現れた水星の異変に世界中の注目が集まる。水星から噴出される物質は、やがて太陽を取り囲む巨大なリングを形成した。そのリングによって太陽光がさえぎられ、地球の気温が下がり農作物が育たなくなった。リングの正体はなんなのか、何者によってなんの目的で作られたものなのか。度重なる調査によって、リングが自己修復機能を持ち、身近なものを侵食する特性がある事がわかった。水星に向けられた探査機は、防衛線を越えることができずに撃ち落とされてしまった。
水星太陽面通過の観察以来、 -
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「クレギオン」読破。
ライト本格ハードSFノベル…ってことで。SFは好きだけどハードはよく判らないけど雰囲気は好き、ライトノベルは嫌いじゃないけど俗にいう萌えキャラの美少女には大概萎えるっつーか、語尾に「にゃん・は〜と」とかつけられるとそのまま「アジアこんな本はこーしてやる!遠投記録」を更新しそうになるわたしとしては最高評価だ。
ヒロインの少女、メイが実に健気で可愛い。
SFというのはセンスオブワンダーだと、最近改めて思うようになった。これは上質のSFだ。今現在の問題は、「ふわふわの泉」読もうかどうしようかだ。せっかく大満足なのに、新たな遠投記録は作りたくないもんなー。