爪切男のレビュー一覧
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「おまえは、女の子とは恋はできないだろう」
父から宣告を受けた少年は、クラスメイトの女子をひたすら観察する事にした。
宇宙一美しいゲロを吐く女の子。憧れのプロレスラーそっくりの怪力女番長。みんな素敵で、みんな好きだった。
ちょっと変わったクラスメイトと筆者さんとの、情けなくて切なくて甘酸っぱい恋愛スクール・エッセイ。
過去に女の子に言ったこと、やったことに思い悩み、些細な思い出を思春期特有の自意識と共に繊細に描いていて、優しくて感受性豊かな人なんだなって感じがします。
出てくる女の子達はみんなそれぞれに特異性というか、異端さを持っていて、ともすれば排斥されてもおかしくないような特徴を、そ -
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この著作さん何て読むのだろうか…(・・?
爪切男(つめきりおとこ)?
爪切 男(つめきり おとこ)?
爪切男(つめきりお)?
どうやら、爪 切男(つめ きりお)と読むみたいです
Wikipediaで調べました(๑•̀ㅂ•́)و✧
「私の笑顔は虫の裏側に似ている。学校で一番可愛い女の子が言っていたのだから間違いない。生まれてすぐに母親に捨てられ、母乳の出ない祖母のおっぱいを吸って育った。初恋の女の子は自転車泥棒で、初体験の相手は車椅子の女性だった。初めて出来た彼女は変な宗教を信仰しているヤリマンで、とにかくエロかった。そして今、震度四強で揺れる大地の上で人生最愛の女にフラれている最中だ -
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センチメンタルで笑えるエッセイ。
ちょっとバカリズムの小説を思い出す。
ちょっと好き嫌い分かれそうな本かもしれない。汚いの苦手な人は特に。
爪切男さんはマゾだから(←本人も自分で書いてたから問題無し)、変わった趣味や癖がある女の子たちが愛らしく、かわいらしく書かれていたけど、他の男子から見たら「うっっ…」って後ずさりしていくだろう。
人のマイナスに見える一面って人間らしくて、おもしろい。
ベルマークの話と、『世界で一番美しい嘔吐』が印象に残ってる。
…にしても、誰から構わず「好き好き」言い過ぎじゃないか!
まぁ、女の子たちには渡さない自分だけのラブレターだから、いいのかな…笑 -
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自分の人生で出会った異性(もしくは同性)のことを、人はこんな細かく覚えているものなのか…?
しかも、今の自分が「黒歴史」として葬り去りたいような恥部を晒され、しかもその汚点が愛おしいのだと言われたら。
自分ならば発狂して叫びながらグラウンドを無我夢中で走り抜け、いつの間にか虎になっていそうだ。
ほんの少しのすれ違いで話さなくなったり、もしもの展開を妄想したり、相手の言動をうまく勘違いして盛り上がったり。
エピソードによっては爽やかで共感できるものもある、というか多いかも。相手を純粋に想う気持ち、それが報われなかった虚しさを本人の前で誤魔化す態度。告白しないまま消えていった淡い恋。
誰かを好き -
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ネタバレ著者からのクラスメイトの女子への時を超えた告白集・ラブレター。
好きになった女子との思い出を美化することなくありのままの姿を好きになったというところがすごい。
ありのままの姿と言っても、キレイなものではなく、鼻くそを食べるところとか、嘔吐するところとか、ひげが生えているところとか、ワックスまみれになるところとか、ウソをつくところとか。クラスメイト女子からすると知られたくない過去の姿だと思う。
著者は女子の事をよく憶えているなぁ、と思いました。まえがきに書いていたように、女子の事を「覚えて」いたんだなぁ。
これを女性の視点で読むとどう思うんだろうと思いましたが、解説で女性の作家さんが解説を -
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「狩れ、逃さずに全員狩れ」 「それは理屈じゃないからや。フィリピンパブが好きで好きで仕方ないんや。本当の好きって気持ちは常識に囚われる必要は無いし、誰にも邪魔されないものなんやぞ。大人になったらわかる。良く覚えておきなさい。返事は?」 学校とは、ちょっとした事がきっかけで全てが変わってしまう残酷な場所だ。 「カヒミ・カリィ」から「クラスの変わり者」へと変わった秋山さん 一見普通に見える大多数の女達が実は歪な形をしている事をいち早く見抜き、己の文才によって恐ろしく滑稽な生き物を紙の上に爆誕させるのだ。 現に私達が歪な自分自身を隠すのに最強の鎧だったコギャルという武装に対して彼は「やがて彼女は、派
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ほぼ実話とのこと。
ドラマ先行で読んだので「私」は賀来賢人、アスカは山本舞香で脳内再生される。
それでも文章を読んでいても違和感はないので、お二人が熱演だったことがよくわかる。
だがそれよりも強烈だったのは車椅子のミキさんを演じた安達祐実だ(特別編なので多分地上波では放送されていない)。ミキさんの顔はプロレスラーの冬木弘道そっくりと明記されているので安達さんは全く似ていないのだが、匍匐前進のシーンの実写インパクトが強烈すぎて文章が頭に入ってこなかった。安達さんお疲れ様でした。
物語はペーソスとユーモアに溢れた語り口で非常に面白かったのだが、通して読むと、「このエピソードはいらないんじゃない」と -
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可愛い装丁とイカれたタイトルにやられて購入。
爪切男さんの小中高のクラスメイト女子に纏わるエッセイ集。
子供の頃のエピソードなんて美談なんかあるはずもなく、カッコ悪い話やみっともない話のオンパレードなんだけど、やさしくて、ちょっとイカれた爪さん視点で、女の子を可愛く描写します。
お酒飲みながら調子よく読んだのもあるけど、最初の話「傘をささない僕らのスタンド・バイ・ミー」が描写も鮮やかで良かったです。女の子と川沿いを走るシーンは頭の中でスタンドバイミーがずっとリフレインしてました。
「おまえは女の子と恋はできない」と父親に宣言された爪さんですが、素敵な思い出がたくさんあって良かったです。 -
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ちゃんとカナブンの裏側みたいな笑顔になっているだろうか 私の初体験はエメラルド・フロウジョンからスタートした 最初に見た時は何とも言えない気持ちになった匍匐前進が、体を重ねた今はとても愛らしい動きに見えた。 唾売りおんな女の作る素敵な音楽が世間を賑わす この二〇〇九年のナポリタンを絶対に忘れない 遂に姿を現した『Come!(コメ!)』仲間に狂喜乱舞した 志村正彦の言葉で綴られた夕暮れ時の抒情的な心象模様が あの時一緒にサルビアの蜜を吸って笑い合えなかった自分を情け無くも思う 年の瀬かいうこともあって普段よりも歩く人が疎らだ 浅蜊達は塩水に浸された 『女は花で、男は花瓶である』