あらすじ
仕事の数だけ出会いがあった。出会いの数だけ笑って泣いた。
居酒屋、家庭教師、交通量調査、警備、清掃、イベントスタッフetc.
デビュー作『死にたい夜にかぎって』が話題となった著者が、これまで経験した数々の仕事と、そこで出会った“愛すべきクズ"たちについて綴った勤労エッセイ。
宙を舞うチャーハンを笑って眺めていた先輩、オナニーのやり方を知りたがる生徒、二人そろってミスをする双子の後輩、嫌われ者だけど頼れる社長、決別して音信不通の父親――人とかかわり、たどり着いたのは「まあ、いいか」なる境地だった。
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Posted by ブクログ
読書開始日:2022年6月3日
読書終了日:2022年6月5日
所感
読書で、声を出して笑うのって爪切男の本くらいだなと思う。
自然と肩の力が抜けるし、人と話したくなる。
人はみんな寂しいんだって気づける。
爪切男は、人一倍寂しがりやだから、人に優しくできる、人を好きになれる。
寂しさの肯定。
爪切男の父も寂しさの塊。
寂しさは原動力。
とっても良い本だった。
使い捨てライターで金稼ぎをしていた幼き爪切男のプライドを纏った一言「俺は金にならないものは燃やさない」この一言が笑えたし、さいっこうにかっこいい。
切男の叔母の一言も好き「大人になったらいいやつの倍、嫌なやつに会う。自分の頭の中でそいつを殺せ、そして許せ。」
人間縛られてみないとわからないことだらけ
誰のことも信用できないくらいボロボロになったら、墓地にいってみるといい
おっさんの可愛さは時にピカチュウを超える
俺は金にならないものは燃やさない
ペンを執る
大人になったらいいやつの倍、嫌なやつに会う。自分の頭の中でそいつを殺せ、そして許せ。
思いを込めて話せば必ず伝わる
めちゃ働いて、めちゃオナニーしてる。それが大人の嗜み
薬の数は頑張ってきた証
寂しがりやは働き者。寂しさは生きる力。
Posted by ブクログ
「死にたい夜にかぎって」
「もはや人間じゃない」
に続く三作目を読み終えた。
辛い過去をここまで武器に出来る人は、本当に強いと思う。
どの話も胸に突き刺さり、自身の半生を振り返りつつ、未来への原動力となった。
Posted by ブクログ
爪切男さんの成り立ちが感じられる一冊。
当然別冊と被るシーンもあるけど、深く知ることができたと感じる。
一貫して爪切男さんの視点での話で、のめり込みやすく一気に読み込んでしまった。
表現が上品・下品とかそんな話じゃなくて、心が感じられる良作。
Posted by ブクログ
著者のエッセイをまとめた一冊。
どれもこれも面白くて今回も笑わせてもらったけど、人生において人との出会や言葉はとても大切だなと思えた。著者はこんなに素敵な影響を与えてくれる方々に出会えてて羨ましくもあり。
父親との関係が年々素晴らしくて、最後はジーンときた。
Posted by ブクログ
著者自身の幼少期、小中高大時代の思い出や、上京してからのバイトを含むさまざまな仕事とその周辺人物にまつわるエッセイ集。
基本下ネタか、自分を含め、親、親戚、友人、恋人、仕事がらみの人たちのアホ話なのだが、その中にたまにホロっとさせる話を入れてきて、文章のうまさとの相乗効果で一気に読んでしまった。
それにしても、著者自身が相当オモロイ人のせいかどうかわからないが、幼少のみぎりよりアホでオモロくて、時にちょっと切ないエピソードに事欠かない人のようである。読んでいて、往年のリリーフランキーのエッセイを思い出した。
自分にはそんなエピソードの記憶はさっぱりないが、単に忘れているだけなのか、著者のように身の回りの出来事を面白がれる視点と性格を持ち合わせなかったため、実際には起きていたにもかかわらず、見過ごしてしまっただけなのかは不明。
本書以外にもエッセイ集と小説があるようなので、ぜひそちらも読んでみたい。
Posted by ブクログ
ゲスな話も多く、最初はどうかなと思いましたが最後はハマりました。
作家にナレテ良かった。
ドラマで話題になっていたクラスメイトの女子全員好きでしたの原作者とは全く知りませんでした。
Posted by ブクログ
爪切男さんだけじゃなく、周りの人もめちゃくちゃ個性が強い。
そしてそんな人に出会える爪さんは引き寄せ力あるんだろうなぁって思う。
私はお父さんの話が好き。前科者という点は社会的には「ん~」だし息子へのしつけが暴力的なところも「ん~」なんだけど、気になって読んじゃうし、がむしゃらだったり夢を叶えてたり、息子を大事に思ってたり…嫌いになれない存在だなぁって思う。
Posted by ブクログ
爪切り男さんの本は2冊目。
この人はなんていうか、かっこ悪いところも含めて丸ごとさらしている。その上で、この人の愛の大きさを感じる。
どんな相手もまるごと受け入れるような器の大きさ。愛のある人だから、恋も多い笑 そしてストライクゾーンの広さよ笑
正直ものだから思いのまま動くけど、思わせぶりなこともしない。
お父さんも祖父母も本当に働き者で、爪切り男さん自身も8歳から今に至るまで働き通しだ。そのバイタリティにただただ尊敬した。豊富な職業経験からドラマチックな小説を描いてくれるのを楽しみに待ちたい。
風俗なしで生きていけない爪切り男さんのことはうら若き乙女時代に読んだら嫌悪感でいっぱいになったかもしれない。でも、私も乙女ではなくなったことと、昨今の芸能人の性加害問題を思うと、想いが通じている相手がいないのであれば、きちんとお金を払って同意のもとで行う風俗がなんて健全なのだろうと思った。
どんなにその道で地位を得ても人の尊厳を踏み躙る免罪符にはならないのですよね。
その点、爪切り男さんは潔くて正しいです。
Posted by ブクログ
まさか爪切男で泣くとは思わなかった。「死にたい夜〜」「もはや〜」「クラスメイト〜」「愛が〜」を読んでいて、著者の父親に対する気持ちを読み切れなかったのが、この小説で理解した。全ての作品に父親が出てくるんだ、そういう事だよね。
Posted by ブクログ
呂布カルマ氏がお勧めしていた爪切男氏の死にたい夜にかぎってのドラマを観て面白かったので読みました。ある意味、プロレタリア文学であり、綺麗事だけのお仕事小説にはないリアルがあった。驚くべきは爪切男氏の突き抜けた行動力と真の多様性を垣間見た。愛すべきダメンズ達が自分にシンクロすると共に、いやいやいやいやと
突っ込みを入れながら、皆んな駄目で皆んないい!と不思議な安堵を覚えましたね。