爪切男のレビュー一覧
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短い話のなかに悲しい愛が詰まっていた。
お父さんと二人暮らしの僕の毎日は、お父さんに殴られることから始まり、寝る前もやはり殴られる。
しつけだと言って毎日殴られる日常から逃げられずにいる僕は、いじめっこたちのパンチなど、ちっとも痛くなく、鉄みたいに硬い体だと一目散置かれる存在になった。
ある日、変わり者の太ったひとり暮らしのおじさんをゴブリンとあだ名をつけて、みんなと攻撃したりしたが、いつしかみんな飽き始めて僕は罪滅ぼしのような思いで、ゴブリンの庭の掃除をするようになり、いつしか家のなかに入り話するようになった。
ゴブリンと関わってから双子の兄妹とも親しくなるが、お父さんから殴られるのは変わらない、そのうちどうにかしようと計画を立ててくれるが…。
お父さんに殴られる毎日でも逃げようとか、殺したいとか思わないのは、心が優しいからで、そしてやっぱりお父さんなのだ。
僕のためにみんな頑張ってくれたのにお父さんを応援しちゃってごめんと言える素直さも持っている。
「ハッピーエンドじゃないから人生は面白いってなぁ。単純じゃないよなぁ、生きるって。」とゴブリンが言う。
きっとゴブリンは、近くでずっと見守っているのだろうな。
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Posted by ブクログ
爪切男作品が大好きな私としては、作中の至る所に爪切男さんの今までのエッセイで描かれた自身の話が散りばめられていて良かった。
というかほぼ実話をもとに書いた話なのか。
小説なら父親のこと書けるかもとどこかで言っていた爪切男さん。
私は爪切男さんが描く人間が好き。
普段は人間大嫌いだけれど、爪切男さんが見る人間の世界が好き。
創作ではあるので、少し話の展開が綺麗すぎる気もした。
正直、エッセイの方が好きではある。
それでも、話の中ではどんな嘘も許されるのだからこれでいい気もした。
誰かに決められたことより、自分で決めたことを守ろう。
夏の庭みたいに誰か映画にしてほしいなと思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ近所の子供に「太っちょゴブリン」と揶揄された、中年の太ったおじさんが、美容沼にハマっていく本ということで、楽しみに手に取ったのだが、、、
惚気かよ!って感じで、ちょっと食傷気味だった。
タイトルになっている深夜3時に化粧水を買いに行ったエピソードは、彼女と出会う前の出来事のようだが、以降のエピソードは、ほとんどが彼女の助言によるもののようで、大変勝手ながら少しガッカリしてしまった。男性が、パートナー女性の助けを借りずに、自発的にセルフケアの重要性に気づいて、心身ともに健康になるというのは、今の世の中だとやはり難しいことなのだろうか。セルフネグレクト気味に陥り、思考をミソジニーに支配された中年男性諸氏が、この本を読むことでセルフケアに目覚めてくれたら良いなと思っていたが、残念ながらそういった効用はなさそうだ。
と、さんざん貶してしまったが、この本は、すごく大事なことが書いてある素敵な本だ。この本で紹介されていた、「これなら俺でもできるなってことだけ続けることが格好良いんだよ。なんでもかんで もやろうって無理をするのは実は一番格好悪いんだよ」という甲本ヒロトの言葉には痺れまくったし、著者に美容を教え込んだ彼女さんの「私と別れるようなことがあっても、自分を大切にする習慣をあなたに付けさせるのが私の役目だと思ってる。私に愛されていた証拠をその体に残してあげたい」という言葉にも大いに泣いた。「誰かが怒っているときは心の中では泣いてると思いなさい。そうすれば、素直に相手の言うことを聞けるから」という言葉も含蓄が深い。この彼女(メスゴブリン)は何者なんだろうか?
美容と健康に目覚めたことの一番の収穫を、「自分自身を過信しない」「他人の意見を素直に受け入れる」といった意識改革と語る著者の爪の垢を、世のミソジニー野郎どもに煎じて飲ませたい。
美容はモテるための努力ではなく、自分をご機嫌にするための文字通りセルフケアだ。誰かにケアしてもらわずとも、自分で自分をケアできる事は生き物としての強みだ。「美容は自分のため、健康は大切な人のため」と著者は言うが、私もその通りだと思う。そして美容に気をつけている女性は多いが、男性は無頓着な人が多いため、ちょっと気をつけるだけでまわりに差をつける事ができ、著者のように素晴らしいパートナーを得る事だってできる。X(旧Twitter)に棲息するミソジニー男性は、バカのひとつ覚えのように「女は得してる」「女はラクだ」と言うが、男のほうがよっぽど人生ヌルゲーじゃねぇかと思う。
「男ども、美容に目覚めよ。」 -
Posted by ブクログ
爪切り男さんの本は2冊目。
この人はなんていうか、かっこ悪いところも含めて丸ごとさらしている。その上で、この人の愛の大きさを感じる。
どんな相手もまるごと受け入れるような器の大きさ。愛のある人だから、恋も多い笑 そしてストライクゾーンの広さよ笑
正直ものだから思いのまま動くけど、思わせぶりなこともしない。
お父さんも祖父母も本当に働き者で、爪切り男さん自身も8歳から今に至るまで働き通しだ。そのバイタリティにただただ尊敬した。豊富な職業経験からドラマチックな小説を描いてくれるのを楽しみに待ちたい。
風俗なしで生きていけない爪切り男さんのことはうら若き乙女時代に読んだら嫌悪感でいっぱいになったかもしれない。でも、私も乙女ではなくなったことと、昨今の芸能人の性加害問題を思うと、想いが通じている相手がいないのであれば、きちんとお金を払って同意のもとで行う風俗がなんて健全なのだろうと思った。
どんなにその道で地位を得ても人の尊厳を踏み躙る免罪符にはならないのですよね。
その点、爪切り男さんは潔くて正しいです。 -
Posted by ブクログ
女に翻弄され続ける男、爪切男。大好きな作家さんのひとりです。
でも、この本はどうかと思う。
だって!
クラスメイトだった女子たちの素敵な思い出話を読めるかと思ってたのにページをめくれば、鼻くそを食べる子だの、ことあるごとに嘔吐する子だの、青ヒゲが生えている子だの、コンプレックスを刺激しまくるエピソードばかり...
まぁそうか、爪切男が爽やかなアオハルエピソードを書くわけがないか。私としたことが...
爪切男さん、覚えていますか。
『死にたい夜に限って』にサインをしてもらった(元)
書店員です。あの日は万引き騒動がありてんやわんやでした。
そして私はあなたのことが大好きです。
でも、あなたと同じクラスじゃなくて良かったと心から思います。なるべくそういう風に回想されたくないから(切実です)
思い出はいつも麗だと聞いていたんだけど、おかしいなあ。 -
Posted by ブクログ
以前より作者さんのネットエッセイを読ませていただいており、同年代のおじさんの健康や生活を見直す姿勢が可笑しくも共感でき、興味が湧き購入。
タイトルのまま、学生の頃の女の子との思い出が語られるのだけど、面白い。
特に小学生の頃は子供らしくもバカっぽいのでついつい笑ってしまった。
よくもこんなに憶えているものだと感心するし、もてないと言いつつも、中々上手くやっているようにも見える。
たしかにどの女の子も魅力的にみえてくるし、好きになってもおかしくないのもわかる。
タイトルに偽りなし。エッセイというものに苦手意識をもっていたんだけど楽しく読めた。