爪切男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何十年も生きていると他人に知られたくない過去なんて山ほどある。例えば学生時代の黒歴史なんてまさにそうである。社会の荒波に揉まれる中で角が取れ、今ではさも常人かのように振る舞っているが、昔は目を覆いたくなるような言動をしていた。
著者が昔好きだった女の子たちをそれぞれショートエッセイにまとめた本作。顔が可愛いから好きだったとかそういうありきたりなのではなく、可愛いけど水の飲み方が下品というギャップが好きだとか、たぶん相手が閉まっておきたい過去を炙り出して、それを好きだったとさえ言っている。かと思えば、地味で目立たない女の子1人だけが、バク転したことを褒めてくれたとか、2人しか知らない、そのまま -
Posted by ブクログ
読書開始日:2022年6月3日
読書終了日:2022年6月5日
所感
読書で、声を出して笑うのって爪切男の本くらいだなと思う。
自然と肩の力が抜けるし、人と話したくなる。
人はみんな寂しいんだって気づける。
爪切男は、人一倍寂しがりやだから、人に優しくできる、人を好きになれる。
寂しさの肯定。
爪切男の父も寂しさの塊。
寂しさは原動力。
とっても良い本だった。
使い捨てライターで金稼ぎをしていた幼き爪切男のプライドを纏った一言「俺は金にならないものは燃やさない」この一言が笑えたし、さいっこうにかっこいい。
切男の叔母の一言も好き「大人になったらいいやつの倍、嫌なやつに会う。自分の頭の中でそいつ