爪切男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短い話のなかに悲しい愛が詰まっていた。
お父さんと二人暮らしの僕の毎日は、お父さんに殴られることから始まり、寝る前もやはり殴られる。
しつけだと言って毎日殴られる日常から逃げられずにいる僕は、いじめっこたちのパンチなど、ちっとも痛くなく、鉄みたいに硬い体だと一目散置かれる存在になった。
ある日、変わり者の太ったひとり暮らしのおじさんをゴブリンとあだ名をつけて、みんなと攻撃したりしたが、いつしかみんな飽き始めて僕は罪滅ぼしのような思いで、ゴブリンの庭の掃除をするようになり、いつしか家のなかに入り話するようになった。
ゴブリンと関わってから双子の兄妹とも親しくなるが、お父さんから殴られるのは -
Posted by ブクログ
爪切男作品が大好きな私としては、作中の至る所に爪切男さんの今までのエッセイで描かれた自身の話が散りばめられていて良かった。
というかほぼ実話をもとに書いた話なのか。
小説なら父親のこと書けるかもとどこかで言っていた爪切男さん。
私は爪切男さんが描く人間が好き。
普段は人間大嫌いだけれど、爪切男さんが見る人間の世界が好き。
創作ではあるので、少し話の展開が綺麗すぎる気もした。
正直、エッセイの方が好きではある。
それでも、話の中ではどんな嘘も許されるのだからこれでいい気もした。
誰かに決められたことより、自分で決めたことを守ろう。
夏の庭みたいに誰か映画にしてほしいなと思った。