あらすじ
【その恋、最高の時間の無駄遣い。】
「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」――憧れのクラスメイトにそう指摘された少年は、この日を境にうまく笑えなくなった。
Webサイト『日刊SPA!』で驚異的なPVを誇る連載エッセイ『タクシー×ハンター』。その中でも特に人気の高かった「恋愛エピソード」を中心に、大幅加筆修正のうえ再構築したのが、この『死にたい夜にかぎって』だ。
出会い系サイトに生きる車椅子の女、カルト宗教を信仰する女、新宿で唾を売って生計を立てる女etc. 幼くして母に捨てられた男は、さまざまな女たちとの出会いを通じ、ときにぶつかり合い、たまに逃げたりしながら、少しずつ笑顔を取り戻していく……。女性に振り回され、それでも楽しく生きてきた男の半生は、“死にたい夜”を抱えた人々の心を、ちょっとだけ元気にするだろう。
作者である爪切男は、同人誌即売会・文学フリマでは『夫のちんぽが入らない』主婦こだまらと「A4しんちゃん」というユニットを組んで活動。頒布した同人誌『なし水』やブログ本は、それを求める人々が行列をなすほどの人気ぶりだった。
もの悲しくもユーモア溢れる文体で実体験を綴る“野良の偉才”、己の辱を晒してついにデビュー!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
くだらなく、笑えるエッセイ。最高でした。
どんな辛いことでも「まぁいいか」で済ませれる主人公を見習いたい。
登場人物全員キャラが濃く、最後まで飽きずに一気読みできます。
Posted by ブクログ
主人公はじめ登場人物やエピソードも結構悲惨だ。でも、なぜかクスっと笑える。爪さんがどんな人にも優しく、愛しく感じているのがよく分かる。ステキな本だ。これが実話だと知ってさらに驚き。
Posted by ブクログ
こんなに優しい男性がこの世にいるなんて。
首を絞められても前向きに考えてくれる男性がいるなんて。
どこか優しくて温かくて切なくて。知らない間に涙が出てた。悲しい話じゃないのにな。
Posted by ブクログ
本当くだらないなぁーと思いながらも読む手が止まらない。とてもとても面白かった。
癖が強い登場人物たちがとてつもなく愛おしい。
不思議ともう少し頑張ってみようと思える一冊。
Posted by ブクログ
著者が心をよせたさまざまな女性たちと、6年間のアスカさんとの日々の奮闘が赤裸々に書かれた私小説。
スッと読めた。
僕にとっては感動というより、ずっと傍らに置いておき、気が向いたときに読み返したくなる、常習性がある感じ。
読む人を、読むたびに、少し元気づけてくれる感じもする。
体験を書くことができ、人に読まれて、何かを「あげる」ことができる人生は素晴らしい。うらやましい限り。著者が懸命に生きてきた証だろう。
「akodam」さんの高評価で爪切男さんを知り、初めて読みました。好きな小説です。今後も何度か読むと思います。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
関わってきた女性を中心に
愛が欲しくて愛に振り回された
筆者の実話小説。
登場人物は、
ワケありの曲者ばかり。
不器用で、メンヘラ、ろくでなし、
だらしなくて、どうしようもなくて、
足りないモノが多すぎて。
だからこそ、
綺麗なだけの恋愛小説なんかより、
よっぽど純粋で美しい。
破壊的なエロス、精神病のカオス、
いろんな闇が詰まってるけれど、
ただただ愛しかない。
読後、筆者が聴くたびに
ボロ泣きしてしまうという
フジファブリックの
「茜色の夕日」を聴いてみた。
綴られた夕暮れ時の抒情的な心象模様が、
この本を読んだ感情に重なって、
まるで、エンディング曲の様で
自然と胸と目頭が熱くなった。。
もし、
僕に"死にたい夜"がやってきたら
今日の事を思い出そう。
いいのか悪いのかわからない、
最高で最悪な人生でも愛せるように。
Posted by ブクログ
僕はバカ笑いしたが、奥さんには「下品」って一蹴された。下ネタとか大丈夫な人はぜひ読んでほしい。きっと声をあげて笑うはずだ。
おすすめ度 85点。
Posted by ブクログ
ひとつ前に読んだ「マチネの終わりに」とは全く異なる恋愛小説ではあり、著者(男性)の実体験による恋愛遍歴が男性目線でとても面白く書かれている。男性からすると、口にはしないが誰もがあるあると思うことが赤裸々に描かれており、自分だけじゃないんだっと安心する側面もあった。
ぜひ女性の方は、男性とはこんなしょうもない(?)生き物だという視点で読んでみてほしい。
ブログから書籍化されたというのが納得いく(?)内容であり、「マチネの終わりに」とは全く別の意味で次の展開が気になり引き込まれる作品であった。
Posted by ブクログ
久しぶりに本を読んでこんなに笑ったかも。
プロレスに詳しくないのでプロレスラー調べながら読んでは吹き出したw
著者の恋愛遍歴の実話だとは知らず読み進めたけど、
笑いもあり、下ネタあり、ジーンとくるお話もありすごく面白かった。
ドラマも見たかったなー!
Posted by ブクログ
読んでいて常に「大槻ケンヂ」が頭にチラついて、
インタビュー記事読んだらやっぱり「グミ・チョコレート・パイン」通ってた。
さらに、「今夜、すべてのバーで」が原点である事もわかり、ますます「やっぱり」感が増すことに。
40代ど真ん中の自分に、久しぶりに原点回帰させてくれた貴重な一冊。
いまも本棚にある上記二冊の本の横に並べて、
それらを眺めながら、
最悪な事もあるけど最高な人生を歩んでいきたい。
Posted by ブクログ
カナブンの裏側のような笑顔ってどんな感じなんだろう。
フジファブリックとかandropとかmol-74を聴きながら読みたい一冊。でも最後は銀杏BOYZの東京かな。
Posted by ブクログ
同棲した彼女との出会いから別れまでのお話。
爪切男さんの様々な異性との出会いと別れが綴られてます。
人の人生なんて自分には関係ないって思っちゃうけど、これは心の支えになりそうな1冊。
また思い返して読みたい本でした!
Posted by ブクログ
「ダニとカナブン」のラストの1行、
「ガムをすぐ飲み込む子供と最強の親父」で過去の心情を吐露する親父、
「死にたい夜にかぎって」で夜の公園を彷徨う「私」、
読んだのが電車の中でなければ多分号泣してた。
Posted by ブクログ
元カノに勧められて読んだ。
同意できる部分ばかりではなかったし、作者に特別文才があるとも感じなかったが、一人一人の女性が個性的で楽しく読むことが出来た。
アスカのような子と出会ってしまったら自分ならどうなってしまうだろう。。。
Posted by ブクログ
爪切男さんは自分の不幸に鈍感だ。全然自分に優しくないのに人には優しい。いつも誰かへの愛であふれてる。どんな人と過ごすどんな時間も自分の受け取り方次第で素敵なギフトになるんだな。どんなに汚い恋だって他人から見れば決まって綺麗だ。
Posted by ブクログ
人生というものに質量があるとするなら、それは案外、拍子抜けするほど軽いものなのかも・・・そう思わされた作品。
これはエッセイでありながら、人生訓でもあると思います。
主人公(以下ツメ君)はお世辞にも幸福な人生を歩む男とはいえない人物。3歳になる少し前に母が家を出て行く、鉄拳制裁の親父、学校のマドンナに顔にダニたくさんいそうだと、”ダニ退治”の名目でビンタされ、挙げ句の果てに笑った顔がカナブンの裏側といわれたり、最愛の彼女アスカは心の病にかかり、断薬すると殺しに来る勢いで襲ってきたり、浮気したり、風呂にはいらなくなって激臭を漂わせるようになったり、借金してたり・・・
「俺は不幸だ・・・」といっても誰も責めないような人生。
でもツメ君は親父の『どんなに辛いことがあっても、その中に一つでも楽しさを見つけて笑え』という言葉を胸に(しまってるからなのかはわからないが)
アスカが襲撃してくる度にスタンプポイントをため、たまったら自分にご褒美を買うようにしてみたり(それを自分のためでなくアスカに還元されるようにしたり)
母親と違いちゃんと帰ってくるというただそれだけでアスカを許してしまったり(やるせなさは風俗で発散)
借金を怒るどころか、唾を売る嫌な仕事を自ら行い、耐え抜いて借金の半分を返したアスカに対し感謝の念を抱き、ツメ君が肩代わりしたり・・・
後書きにもあったが、どんなに辛いことがあっても『まぁいいか』で済ませるところは本当にすごいと思いました。なんなら首都圏あたりで俺が一番幸せとか思ってそうです(^0^;)
何気に1番驚いたのは、あとがきのあとがきで、サラっと「最近こんな出来事あったんです」くらいのノリで30年ぶりに母親に再開したことをカミングアウトしたこと。その分量、わずか2文、100字足らず。『割と大きな出来事としては、作中に頻繁に登場した生き別れの母親と三十年振りに再会しました。あれだけ蓄積していた母親への恨みが一回の出会いで全て消えてしまうのだから、人生って面白いです』
『うん、すごすぎる。苦しいことに鈍感なんだよね』
『でも、それと同じくらい幸せにも鈍感だからダメなんだけどね』
とアスカがツメ君に対して言っていますが、それが一番いいのかもしれないなぁ、と読み終わって思いました。
自分が気付けた身の丈に合った幸せは素直に喜べばいいし、苦しいことがあったなら、楽しさを探してみる。それでだめなら、その苦しさを”大したこと”にしなければいい。
幸せや不幸をあれこれ考え込むより、等身大の人生を、等身大に生きる。人生も恋も、そんなテキトウでいいのかもしれない・・・
最高に無駄な恋が教えてくれる、最高に面白い人生訓でした。
Posted by ブクログ
タイトルから、非モテでネクラな男の叙情的なエッセイかと思って購入したら、とんでもなかったwww
恋人と同棲しながら、過去の自分を回想していくエッセイ。初恋は自分の自転車を盗もうとしていた女で、初体験は冬木弘道似の車椅子の女で、初めての恋人は変な宗教を信仰しているヤリマンで…と壮絶な体験をしていて、驚かされることばかりだった。そして同棲している恋人は精神病を発症して、彼女の狂気と格闘する日々。
それを不幸な話として書くのではなくて、面白く書いており、読みながら苦笑してしまう。文章も巧く、その情景が浮かんでくる。特に、風呂に入らなくなった時の彼女の体臭の描写が生々しくて好き。その臭いに欲情する著者の変態性も好き。
同棲していた彼女との別れから始まり、彼女との出会い、心を病んだ彼女との同棲生活と時間が流れ、最後に彼女と別れる話で終わる。読み終わった後で、もう一度、最初の別れの話から読むと、最初に読んだ時とは違った気持ちで読める。この展開の作り方は秀逸だと思った。
Posted by ブクログ
レビューを見て評価が良かったので読みました。
思っていた感じとはかなり違った内容だったというか
あまりに下ネタが多かったのでビックリ。
レビューから想像していた感じとは違ったので。
最後まで読んでみて、これは作者の方の
実体験なんでしょうか・・・。
そうだとしたら、この本を出版されたということは
この方も夢を叶えられたんですね。
個性的な本ではありましたが印象に残りました。
Posted by ブクログ
ちょーっと私にはまだ早かったかも
けど、どうしようもない現実をどうにかなるさって乗り越えてる感じ、絶対こんなに笑い飛ばせる事ばっかじゃなかったはずなのにしゃーないしゃーないって必死で笑ってる感じ、とにかくがむしゃらな感じ、嫌いじゃない
Posted by ブクログ
この著作さん何て読むのだろうか…(・・?
爪切男(つめきりおとこ)?
爪切 男(つめきり おとこ)?
爪切男(つめきりお)?
どうやら、爪 切男(つめ きりお)と読むみたいです
Wikipediaで調べました(๑•̀ㅂ•́)و✧
「私の笑顔は虫の裏側に似ている。学校で一番可愛い女の子が言っていたのだから間違いない。生まれてすぐに母親に捨てられ、母乳の出ない祖母のおっぱいを吸って育った。初恋の女の子は自転車泥棒で、初体験の相手は車椅子の女性だった。初めて出来た彼女は変な宗教を信仰しているヤリマンで、とにかくエロかった。そして今、震度四強で揺れる大地の上で人生最愛の女にフラれている最中だ。」
と、なかなか濃い人生を送っているみたいですw
これだけを見ると自虐ネタに見えなくもないですが…
(こういう話嫌いじゃないですけど)
本作は同棲相手の彼女との出会いから別れまでの話を中心に、爪切男さんがこれまで関わってきた女性たちとの思い出を一冊にまとめたエッセイ
たまにポロッと涙するシーンもある…、かも
(´;ω;`)ウッ…
Posted by ブクログ
どんなことでも「まぁいいか」で済ませることができる主人公、優しすぎる。
他人に対する感じ方が自分と違いすぎた。同じ風に感じることができたらもっと違った人生になるのかな?
Posted by ブクログ
Twitterで知り合った友人がプレゼントしてくれた本。
登場人物が全員わたしとは全く交わりのない世界の人で、自分では手に取ることはないであろう本だったので、それはそれで読めてよかった。
自伝的小説なので、リアルで良かった。
Posted by ブクログ
六年間、お互いに時間の無駄だったね。マジで。でも最高に楽しい時間の無駄遣いだったよ。ありがとう。
著者の恋愛遍歴が主だが、最初から衝撃的なエピソードが続く。途中で中だるみする部分もあったが最後には泣かされてしまった。
壮絶な幼少時代を送ってきた著者は、一般的な感覚から見たら不幸なのかもしれない。でも、それを「まあいっか」で済ませてしまえる強さがある。その分幸せにも鈍感なのかもしれないが。
一緒に時間の無駄遣いができる友達、働き始めてからいなくなってしまった。自分の時間を安く切り売りしすぎて、時間の価値は無駄遣いできないほど貴重になってしまった。こんなんでええんか。