感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
狂おしいほど愛しい。
男は母親に捨てられたことにより女性崇拝(同時に女性蔑視でもある)に陥っており、ほかにも笑顔が虫の裏側に似ているというコンプレックスや、閉所恐怖症といった弱さを盛りだくさん抱えているが、アマプロ経験者のマッチョな親父にマッチョ教育を受けたせいで、泣きたくても泣けない、愛する人に対しても自らの弱さをさらけ出すことが出来ず、アスカ(彼女)との対立をおそれ、風俗や恋や過去の女の思い出に逃げ込む。
ありていに言って、クズである。
アスカにしても、浮気性の飽き性で働きもせず(抗うつ剤を飲んでいるため働けないのだが)、一人よがりな音楽制作にうつつを抜かしながらあたしは天才だと根拠のない自己肯定に寄り掛かっているメンヘラのクズである。
認めよう。ふたりともクズである。
お互いが自分自身を見つめられぬまま、自己を認められぬまま続けた同棲生活6年間。
時間の無駄遣い。最高に楽しい時間の無駄塚いだ。
向き合ったら壊れてしまった。
いや、本当に向き合えていたのだろうか。
震災のさなか、震える彼女を置いてトイレで自慰をするなんて。もう心配ないなんてマッチョぶって。めちゃくちゃにカッコわるい。
だけどもどうしてこうも愛しいのか。
Posted by ブクログ
「ダニとカナブン」のラストの1行、
「ガムをすぐ飲み込む子供と最強の親父」で過去の心情を吐露する親父、
「死にたい夜にかぎって」で夜の公園を彷徨う「私」、
読んだのが電車の中でなければ多分号泣してた。