柄谷行人のレビュー一覧
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[ 内容 ]
「資本=ネーション=国家」という接合体に覆われた現在の世界からは、それを超えるための理念も想像力も失われてしまった。
資本制とネーションと国家の起源をそれぞれ三つの基礎的な交換様式から解明し、その接合体から抜け出す方法を「世界共和国」への道すじの中に探ってゆく。
二一世紀の世界を変える大胆な社会構想。
[ 目次 ]
序 資本=ネーション=国家について(理念と想像力なき時代 一九世紀から見た現在)第1部 交換様式(「生産」から「交換」へ 「交換」の今日的意味 ほか)
第2部 世界帝国(共同体と国家 貨幣と市場 ほか)
第3部 世界経済(国家 産業資本主義 ほか)
第4部 世界共和 -
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柄谷行人が久しぶりに新著を出したと思ったら、岩波の新書版。しかも中を見ると「ですます」調。そんな人ではなかったはずでは...
2001年の『トランスクリティーク』でまとめられた内容から基本的には進展はありません。なるほどあとがきで書いているように「『トランスクリティーク』は専門的すぎたので、普通の読者に理解できるものにしたい」 ということで書いたらしいので、それでいいのかもしれない。ただ、「普通の読者」をどのあたりに置いていたのかどうか不明ですが、その意図が成功したのかどうかは怪しいところです。まさか、ですます調にすると簡単に見えると思ったわけでないでしょうが、内容が変わっているわけではな -
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「他者を手段としてのみならず同時に目的として扱え」
あぁ難しかった。集中しないと内容が把握できなかった。大変だったけど、なんとなくわかった気がする。でも、結論がなぜ資本主義の批判になったのかはわからなかった。
存在(ザイン)・・・いかにあるか
当為(ゾルレン)・・・いかにあるべきか
すべての悩みはこの間で揺れ動く中にあるんだけども、当為なくしては何事も始まらない。こういったべき論は煙たがれるのが普通だけど、これがないと人にはなれない。カントが言うゾルレンは道徳的な「善」ではなくて、「自由であるべき」という倫理の話。
たとえば、幸せになるために結婚する。極論かもしれないけれど、 -
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ひょっこり読み始めたんですが、なかなかおもしろかったです。というか、本書の中で検討されている「自由」と「責任」の話、私自身も何となく考えていたところだったので、いろいろと言葉を与えてもらった感じです。「自由には自己責任が伴う」とか「自由を確保するためにみんなで自重しよう」とか、そういうおバカなことを言う人が未だにときどきいたりするんですけど、そのテの人たちにはとりあえずこの本を薦めたいですね。自由論に関する手ごろな本を探していたんですけど、本書はなかなかよく問題点を整理できている気がします。さるところで「大学一年生におすすめ」みたいなコメントを見かけましたが、確かにそれくらい読みやすい本です。
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12
教える・習う 非対称 言語ゲームの基礎?
26
精神分析は医者と患者のコミュニケーションとしてしかありえない
45
文学は教えられないことを教える
48
自己差異化
62
現代の文学は言葉のガン的な拡大、自己免疫疾患
74
82
外科
83
キュアーよりケェアー
99
景気循環→進化論 マルサスより19世紀のイギリス
114☆
記号論
119
中上健次 フランス文学・日本文学は元植民地に依存している
→搾取
131
共同体と共同体の間が社会
173
戦中の紙の配給、本の配給、インフレ
181
柳田は政治化した私を問題
折口は世界宗教化しようとする
185
フランス現代思想は政治的状 -
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16
引き戻す力=日常性 外的なものでない?
26
風 ないとイマジネーションが働かない
47
チボーデ「批評の生理学」
66
哲学の文体 動詞でなく名詞のみ?
72
疎外論の感想
78
安吾
84
日本語
92
風景
98
躓き 国語教育 柳田は小学校教師を読者に置いてた?
125
奴隷とプロレタリアート
141
アイデンティティではなくディファレンス
未開と進んでいるは進化論から生まれ、それは同一性の問題である
175
ツリー
182
主体として捉えるのではなく場所として捉える
185
リズム
214
デリダ フッサール
225
バイイ
233
セミ・ティラス的な構造
314
中 -
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16
世代論 60年代人
60年=多様性と近代日本の問題(普遍性、グローバル)から70=ただの学生運動(世界的共通性がない)
24
〈六〇年には、グローバルな問題があると同時に、「昭和」という言葉ががはらむような、日本に固有の問題がある。〉
30
〈文学は「文学的」ではない。文学には、才能と時に労働が必要だ。才能と同時に、こつこつやる必要がある。〉
37
50
修論
61
フランス現代思想
世界の解釈を変える→世界は変わる
テクストをどう読むか→テクスト的観念論
67
デリダの脱構築、冷戦構造を反映
75
考えずコミット
80
交換様式
109
歴史の反復
国家に固有の反復、資本に固有の反 -
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2010年に『世界史の構造』を書き終えた柄谷行人が、柳田国男について考察した一冊。
第一部は「実験の史学をめぐって」と題され、主に柳田国男が戦前に発表した「実験の史学」の評価がテーマとなっている。柳田国男は日本各地での方言の共通性を調査することで、空間が離れつつも共通した歴史・文化が存在しているということを比較文化論的に示そうとした。しかしながら、その後で柳田はこうした探求のアプローチを取ることがなくなり、その背景にある彼の思想の変化と共通性を炙り出すのが第一部でのテーマである。
続く第二部は「山人から見る世界史」と題され、天狗や仙人として表象され、平野部の社会からは完全に途絶された世界を -
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「文学とは、小説とは、哲学とは、そこから見えてくる世界とはこういうものである/こういうものであった」という点においては色褪せず参考になる本だと思う。しかし、「こうなるであろう」という点においてはコロナ前に書かれた本であるため、「本当に?」となる。そのくらいコロナで世界は不可逆に変わってしまった。文学も小説も2人の言う通りエネルギーを無くして、2人の願い叶わず衰退はするだろうけど、そこまでの道筋はこのとき見えていたものと大きく変わってしまったと思う。たとえば誰かの抱えた花束が手放されるのは、花が枯れたときではなく、その人が死んだ時かもしれない。
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社会学者の大澤真幸が、日本の戦後~現代を代表する社会思想家として柄谷行人と見田宗助の両名を選び、対談及び自身の解説文によって両名の思想を描き出す一冊。
両名の著作にあまり触れたことがない人でも理解できるように書かれた解説文や、大澤真幸自身の優れたインタビュアーとしての論点設定により、両名の思想の入門書として確かに良い一冊になっている。
柄谷行人については、2010年に発表された『世界史の構造』以降のテーマである交換様式論が主に解説の対象とされ、かつ自身の恩師である見田宗介の思想との接続を図る最後のパートが非常に面白い。
少なくとも研究室のメンバーで柄谷行人を読んでいなかった人は相当少ない -
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(01)
著者が長年あたためてきた柳田国男論であり、世界というスケールをもった文明論(*02)でもある。
マルクス、進化論、デモクラシー、植民政策、ナショナリズム、国家神道、大東亜共栄圏、近代の世界や国家日本の動きのなかで、柳田は、どのような「実験」を企てようとしていたのだろうか。近年の柳田研究でまとめられてきたモチーフも下敷きにしながら、批判をこころみつつ、著者が長年考えてきた柳田の現代性を明らかにしている。
島崎藤村と柳田国男の文学的な比較実験という面白い手法も用いている。
(02)
第二部は特に、柳田が唱えた「山人」を著者が独自に抽象した原遊動民と位置づけ、デカルト、フロイト、井上円了