あらすじ
「歴史主義的普遍性」の基盤を大胆に覆す鋭い知性。
新たな思考の視座を極めて丹念に布置・構築して行く、最も現代的な「知の震源」柄谷行人の、鮮やかにして果敢な挑戦。
名著『マルクスその可能性の中心』につづく柄谷思想の原点となる歴史的快著。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
フーコー的な問題意識によって日本近代文学と、「近代」の成立の関係を描く批評。骨太で非常に面白い。僕たちの想像力のあり方すでに世界観の「転倒」の中にあるという指摘は重要。また、それでも近代化されていない形式としての「私小説」を論じるというのはとても刺激的です。
Posted by ブクログ
朝日新聞の本人の連載記事で参考としてあげられていた本である。文学史ではないのでとりとめのない項目がまとめられている。風景の発見、内面の発見、告白という制度、児童の発見、構成力についてである。こうした項目で過去の文学作品が分析されている。
Posted by ブクログ
近代日本文学史の本は意外にも数が少ない。それも戦後から現在に至るまでを扱ったものはほとんどない。この本も明治維新から戦前・戦中までが対象だ。分析の切り口は思いがけないと言えるほど特異で、それはそれで興味深かった。記述の文章は章によって随分印象が異なり、わかりやすい部分とわかりにくい部分がはっきりと分かれている。わかりにくい部分は使用語彙が評論家特有のもので、なぜこんな抽象語を使わなければならないのか。別の意味で語彙が乏しいと言わざるを得ない。格好をつけるより、誰にでもわかってもらう方が重要であろう。