三上延のレビュー一覧
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内田百閒(閒の字は作中では敢えて間で表記)先生を探偵役に、甘木という内田先生の教え子の目を通して不思議な世界を描く。
内田百閒と言えば「ノラや」のイメージが強すぎて猫好きな先生なのかと思っていたら、取っつきにくい怖そうな先生として描かれている。
食べることが大好きだがこだわりがあり、整理整頓が好きで、ドイツ語教師としては鬼のように恐れられていて、だが一方で常に借金を抱えていてそこはルーズで。
何よりも不思議な世界とずっと関わってきていて、内田先生の周囲では人死が多い。
漱石先生、内田先生の教え子たち、そして芥川龍之介。
芥川龍之介が描いたという『百閒先生邂逅百閒先生図』という不思議なタイト -
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「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの三上延。今作は、推理物というよりはオカルト•ホラーです。
内田百閒(1889〜1971)は、アンソロジーに収められた短編をいくつか読んだくらいで、私は馴染みがない。黒澤明の映画「まあだだよ」の人、という印象が強い。
主人公の甘木は大学でドイツ語の講義を受けている内田教授と近しくなる。そのきっかけとなったのは教授が着ていた背広で、それはかつて内田教授が師事していた"ある人物"の形見分けの品だった…。
「背広」「猫」「竹杖」「春の日」の4話連作です。どれもじわじわと恐怖感が増していく感じの物語で、楽しんで読めました。
"証拠を積 -
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関東大震災からはじまる4世代の物語。
これは映像化してくれたら嬉しいなぁ。
『ALWAYS』じゃないけれど
家族の物語の背景に、時代の移り変わりと
あの代官山アパートメントの姿があれば
きっと私も彼らと一緒に生きてきたかのように
その中に入っていけるかもしれない。
最初の主人公である八重と竹井の静かな人生も
その娘・恵子の戦争をはさんだ人生も
ふたりの孫たちの経済成長期の人生も
八重によく似た、ひ孫の新世紀の人生も。
二度と震災で大切な人を亡くしたくないと
竹井が選んだ鉄骨造の最新アパートは
そのすべての人生を包み込んで
穏やかに朽ちていったのでしょう。
ちなみに私、この同潤会アパートが好 -
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「ビブリア」のスピンオフというが、高校生版の本をめぐる蘊蓄をビブリアバトルの形にしたもの。いかにも高校生ラブコメ・ラノベである。作者は三上延でなく別の人だが、よく雰囲気をつかんでいる。
本については能弁だが、栞子と同じに極端に人見知りなこぐちさんと、大輔の本を読めないに代わってある秘密を持つ語り手響平という設定だが、一つだけ大きく違う点がある。こぐちさんは今のところは、巨乳ではないらしい(笑)。
本に対しての見方や蘊蓄を示す点では、その本を再読したいと思わせるものがある。ビブリア本家の本がややマニアックなのに比べると、ポピュラーである。