中村颯希のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ両親の定食屋「てしをや」を継いだ高坂哲史が、神様から託された「死者の未練を晴らす」という使命を果たしながら日々を過ごす物語。常連客に愛され、経営も順調な三年目の「てしをや」だが、ライバル店舗の登場によって平穏な日常が揺らぎ始める。今回もまた、温かな料理とともに様々な人々の心が癒されていく。
登場するエピソードはいずれも心に残る。
小学生で早逝したヒロトの好物・羽根つき餃子を通して、息子を失った父親が後悔から解き放たれる話は切なくも温かい。忙しさにかまけて家族との時間を持てなかった父の悔恨と、ヒロトの想いが交わる瞬間には胸が熱くなる。
「お局焼きそば」と呼ばれたベテラン女性社員の物語も印象的 -
Posted by ブクログ
両親を事故で失った高坂哲史は、妹とともに定食屋「てしをや」を継ぐことに。
ところが料理ができない哲史は、妹に罵られてばかり。ふと立ち寄った神社で、
「いっそ誰かに体を乗っ取ってもらって、料理を教えてほしい」と愚痴をこぼしたところ、
なんと神様が現れて、魂を憑依させられてしまった。魂に料理を教わる代わりに、
その魂が望む相手に料理を振舞い、未練を解消してやってほしいということらしい。
母親から息子へ。店主から常連へ。姑から嫁へ、夫から妻へ――。
料理には誰かの想いがこもっていることを実感する、読んで心が温まる一冊。(紹介文より)
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設定は現実的ではなくリアリティに -
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Posted by ブクログ
※尼プラの無料枠で借りました。
神様にも妹にも搾取されてる感のある主人公。
この違和感を純朴に「ハートフル」という言葉で片付けられるような気はしない。違和感は最後まで読んでも解消されず、なんなら強度が増されているような気も。
何故だろうかと軽く考えてみると、この主人公はこの流されやすい性格で日々我慢をしながら、何を動機に店を続けているのがよくわからなく、最後に結局都合良く全部うまくいって良い話でしたー、とされてもそれは良い話ではないよね、という感想しかでてこないからだということに気が付いた。さては「良い話」にするための、ただの舞台装置なのか、このキャラ。
「良い話」を読みたい人には向いてい -
Posted by ブクログ
今回もほんのりあったかい感じでよかった。
前作で超絶腹立つお前絶許野郎だったケンジがまあまあ大変な境遇だったしちゃんと反省して謝ってきたから厳さんに免じて許してやるかとなったのもよかった。
ひとくちに「ちゃちゃっと作った料理」「教本のように整った料理」と言ってもそうするに至った事情やそれを選んだ理由によって見えてくるものが全然違ってくるもんだなぁと唸った。
故人を偲ぶために味を再現して受け継ぐのか、その味は故人との思い出としてとっておくのかといった機微もなんかしみじみとよかった。
哲史が休職中なのすっかり忘れてたけど、次巻からは脱サラになってるのかな?
次も楽しみ!! -
Posted by ブクログ
“ヴァン・ショーをあなたに”の定食屋バージョンを想像して読んでみると、神様が出てきて主人公に憑依し料理するという面白い展開。
両親の遺した定食屋「てしをや」を妹と共に継ぐことになった哲史。
神社で神様に出会ったことから魂が憑依するように。魂に料理を教わる代わりに、その魂が望む相手に料理を振舞い、未練を解消してやってほしいということだった。
母親から息子へ。店主から常連へ。姑から嫁へ、夫から妻へ。
思い出の一皿、懐かしい味。あらためて料理って食べてもらう人への作り手の思いが込められているものだなぁと実感。
チキン南蛮、天たまかけごはん、具沢山豚汁、フレンチ風オムライス、名物唐揚げ、おでん