中村颯希のレビュー一覧
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ネタバレ異世界転生ものやトリップものではなく現地主人公。腐女子という概念すらないはずの世界で、貴腐人として振る舞ううちに周囲に良い方向へ勘違いされ自らも周囲の反応を勘違いしながらもテンポ良く進んでいくストーリー。自身の萌え、そしてBLへの熱意があらぬ方向に勘違いされて自称貴腐人、他称病弱で純真無垢な美少女。外国語をたしなみ(貞操観念の緩い国の本を読むため)、男装王女に偏見を持たず(むしろカモン)、王子の他者を魅了する魔眼も効かず(萌えの対象でしかないため)、何をしても良い方向へと勘違いされる王道勘違いもの。
男主人公ではありましたが女主人公ではあまりなかったのでとても嬉しいです、続きが読みたい! -
Posted by ブクログ
なろうで見かけて面白く拝読。絵師の村カルキさんはpixivなどでも有名な方ですね。
正直この表紙を見てエルマの外見が完全にブラクラのロベルタで固定されてしまいました。
内容は監獄生まれのエルマが恩赦で釈放、メイドとして雇われた王城で「普通」をめざすも、本人の思惑とは裏腹にチート無双し続けて信者を増やしていく……というもの。
とにかく八面六臂の大活躍なエルマが痛快です。
才能や地位を鼻にかけた敵役が出てくる→エルマをライバル視→彼女に完敗して改心……というある種お約束の展開が続くのでマンネリと思う人もでるかも。
ですがキャラ同士の掛け合いがコミカルでテンポよく、サクサク読めます。
主人公のエルマのみならず端役脇役悪役に至るまで、憎めない個性を発揮したキャラ立ちはさすが。特に舞踏会でのすれ違いに笑いました。幕間に挿入されるママンと大罪のチェスシーンもお気に入りです。
気になったのは、唐突な現代用語の出現。
インフォームドコンセントやカウンセリングなど、ファンタジー世界には存在しない単語が当たり前の如くポンポン飛び出すのでそこで冷めるというか面食らうというか……フランスやドイツ、イギリスなど、現実の国をモデルにした架空の国名を出すなら、いっそカウンセリング等に相当する造語を創作しちゃうとか、もうちょっとひねって良かったと思います(なお薄い本はネタなので気になりませんでした)
そのギャップがいいって読者もいるし、している行為や着眼点自体は良いので惜しいなという印象です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1カ月の最初に読書の弾みをつけるため、適度なボリュームで読みやすいこのシリーズにしようと決めたのですけれども。
序盤に身内への敬語表記に違和感をおぼえてつまずき、「ざずぞ」もしつこく感じ、中盤ではトイレを借りに来ただけの客がそのまま店で弁当を広げようとすることにドン引きし、終盤には親を施設に入れるのは酷いと言いたげな書き方に傷つき、正直言って今回はちょっと乗れないなと思っていました。めっちゃいい子のはずのバイト女子の承認欲求にはつきあっていられないし。
こんなふうに不満が募る第4弾だったにもかかわらず、なんだよぉ、最後はきっちりそのバイト女子とご近所さんだった爺ちゃんに泣かされてしまったじゃあないか。
こうして「てしをや」からまだまだ離れられないのでした。 -
Posted by ブクログ
両親を事故で亡くし、料理もできないまま実家の定食屋「てしをや」を継ぐことになった哲史。
神社で愚痴をこぼしたことから、酒好きな神様の仲介で「未練を残した死者の魂に身体を貸す」ことになるという奇想天外なお仕事・グルメ小説です。
この作品の特異さは、哲史自身が料理上手になるわけではなく、あくまで「身体を貸すだけの観察者」という点。自分の意思とは無関係に勝手に動く身体をどこか蚊帳の外で眺めながらも、魂の手つきやそこに込められた記憶を体感していく構造がユニークでした。
特に胸に迫ったのは、時江さんと敦志くんのエピソードです。「三角食べができる」という仕草ひとつに幼少期からの丁寧な躾と愛情が滲み出ており、何より胸を打たれたのは時江さんの言葉でした。あふれる想いから色んな言葉をかけたい中で、削ぎ落とされた究極の一言として絞り出された「食べてくれてありがとう」。その一言の重みに思わず涙が溢れました。
安価で品数の揃った定食を提供する「街の定食屋」のありがたさや、俗人っぽさ全開の神様と哲史の軽妙なやり取りなど、前半はクスッと笑えて楽しめました。哲史が客の顔や好みを覚える理由が、「客のため」ではなく「俺が嬉しいから」へと変化していく成長ぶりにも温かい気持ちになります。
ただ、若い妹と二人で店を切り盛りするという設定の思い切りの良さや、料理そのものの掘り下げというよりはドラマに重きを置いた作風など、読む人によっては少し気になるところかもしれません。回を重ねるにつれて展開のパターンが見えてきたり、終盤にかけて分かりやすい感動演出が増えていったりしたのも惜しいポイントでした。