辻堂ゆめのレビュー一覧
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我われ読み手にとって、これは残酷ですよ。短編5話すべて、まず冒頭に報道記事でもって死という重い結末が示される。そしてそこに向かって描かれるシナリオをたどらされるのだ。そりゃあここで犯罪に至る者、自死する者たちの思考に問題はありますよ。とはいえ引きこもりから抜け出そう、妻の連れ子と親子の絆を築こう、古い価値観を打破して堂々と事実婚で家族設計しよう、余生はできる限り子どもたちの通学を見守ろう、早逝した息子の嫁に感謝するとともに詫びようなんて、どこにでもある思い。それを抱く彼らには、あまりにも悲しい顛末が待つ。まあね、実社会において記事で淡々と伝えられる事件の背景には、こうした曰く言い難い事情がある
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Posted by ブクログ
あの本読みました?で、著者ご本人からの紹介を見て、辻堂ゆめさん初読み。
概要だけが書かれた新聞の片隅の小さな記事。読み終えたらそのまま記憶にもも残らず消え去ってゆく文字列。当事者はどんな人なのか、何を考え、どんな思いで事件に至ったのか。短い文章はそれ以上のことを語らない。
そうした「良くある」事件を、一つずつ解きほぐし、関わる人々の心の動きを追う。何が起きるのかは、冒頭の記事でわかっている。読み進めていくうちに必ず結末は見えてくる。満ち足りた幸せは偽りの紛いもの、そうでなければいつか崩壊する脆弱なもの。くどいほどに幸せな情景が描かれると不安が募る。
2話目:そびえる塔と街明かり‥マンション女 -
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人は少ない情報の中からでもなにかを読み取ろうとする。でも、そこには先入観に基づく思い込みであると改めて思った。
五つの物語の中の一つ。
新聞記事によくありそうな見出しで『マンション女児転落死 母親の交際相手の男を緊急逮捕。女児の遺体の背中や手足には多数のあざがあった。』という見出しを見れば、交際相手の男が女児に暴行をしていた端的に思ってしまう。
それはどこかで交際相手の男が暴力をふるって、子供を死なせた記事を目にしたことがあるからだろう。
物語の中では虐待していたのは母親であった。転落死は自殺に近い事故であることがわかるが、交際相手の男は自責の念に駆られて「僕が殺してしまった」と咄嗟に言っ -
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久しぶりに辻堂ゆめ先生の作品を読みました。
小さなニュース記事から始まり、その事件が起こるまでに何があったのか短編で描かれていて、とても興味深かった。
ニュース記事の断片からでは全くわからない事件の裏側。女児の虐待転落死の記事があれば、『母親の恋人が犯人なのかなぁ』となんとなく想像していたけど、その裏側は全くの逆。
高齢者夫婦が熱中症で亡くなった記事があれば『高齢者がまたエアコンをつけ忘れたのかな』と想像してたけど、その裏側はゆるやかな自殺だったり。
ニュース記事だけではわからない、人間模様や動機、結末はニュース記事で知っているから切なさだったり醜さだったり取り返しのつかなさだったり、いろんな -
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たまたまYouTubeで辻堂ゆめさんが本屋さんで買い物する企画を見て、あらすじを読んで興味が湧き買ってみたけど、読んでよかった!
戸籍の有無についてこれまで考えたことがなかったが、日本には今も数百~数千人もの無国籍者がいるらしい。当然のことながら親が出生届を出し育ててくれたこと、仕事や住む場所を選択できる当たり前の日常にありがたみを感じたし、それらは生まれた瞬間から自動的に与えらえたものじゃないんだなとひしひしと感じ、色々考えされた。それと同時に無知は怖いなと改めて思い、勉強にもなった。
重いテーマながらも、先の気になる展開、主人公のまっすぐさや刑事たちの頭の回転のよさ、不自然さもなく腑に -
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巻末の大矢博子さんによる書評まで含めて、「この物語からなにを読み取ればよいのか」をひたすら丁寧に整えた作品という印象を受けました。
ふつう一人称視点の小説では「語り手による自己申告に基づく物語」が描かれるものですが、カウンセラー2人が「意図的に隠された部分」のベールを剥がす構成は、私にとっては新しい体験になりました。確かにコロナ禍は断片的な情報から分断がおこったことも多くあったような(今もそうかもしれませんが)
コロナ禍に人生をめちゃくちゃにされた5人の独白は、少なからず読者自身も経験してきた惨状と重なります。正直、昨今忘れかけた古傷をひらくようで読んでいて非常にしんどいものがありました。が -
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子育てエッセイです。仕事に対するように育児に向き合ったらこうなる!合理的だけど、やっぱり基本は愛情たっぷりの育児が新しくて面白かったです。
子育て中の面白い発見とか、成長とか、発言って、こうやって文に残しておかないと忘れちゃうんですよね。辻堂家、うらやましいぞ。
在宅すれば子ども預けなくてもなんとかなるっていう発想、本当に育児なめてんなと思っていたけど、辻堂家がこの本の最後に引っ越したエリアは在宅が保育園入所得点の減点にならないとは、素晴らしい。うちも子どもが保育園の時に社宅→ちょっと大きい社宅→自宅購入で3回、引っ越し後の保育園がフルタイムの人には厳しい(4/1はお休みとか、親子遠足とか)カ