温又柔のレビュー一覧

  • 来福の家

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    「好去好来歌」「来福の家」の2編がおさめられている。
    私は読後感がすっきり幸福感が残る後者が好き。
    2編とも台湾生まれ日本語育ちの作者でしか書けない、気づけないエピソードがちりばめられているようで興味深かった。自伝的小説?次のほかの作品を読んでみたい。また、2編とも親戚や祖父母さらにはその上の世代までの血縁の強いつながりを感じさせるお話だなぁと思う。私がそういったつながりをあまりもたないので、敏感になってしまっているのかも。
    「好去好来歌」は黒髪のほっそりした主人公で姚愛寗を想像しながら常に映像を観るように読みすすめた。映画にできそう。台湾人で日本語が不得意な母との衝突に悲しくなってしまった。

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    2016年02月12日
  • 来福の家

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    わたしとほぼ同年代の、日本で育った台湾国籍の女の子の話。悲痛な1話目も、ほんわかした2話目もどっちも作者が感じたことがある気持ちなんだと思う。1話目が鋭くてよかった。言葉の話がメインだったけど、生活習慣でも色々なエピソードがあるんだろうな。

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    2014年05月04日
  • 来福の家

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    装丁がかわいい。

    読みやすかった。
    台湾語と中国語と日本語が混じる生活。
    台湾に住んだからかその感覚が少し分かる気がした。

    もう少しでやっぱりまた台湾に住もうかなーと思ってしまった。日本語教育を受けた世代がまだ生きているうちに。

    あと分かる。田中くんの気持ちも。
    必要ないんだけど、自分の中国語が試してみたくなってしまうのだ。通じるかなーって。

    中華料理屋でそう思う事よくある。

    「幸福の家」読んでまた日中学院通いたいなと思った。
    いつかまたね。

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    2013年06月01日
  • 恋恋往時

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    台湾出身、日本育ちの著者が、おそらく自身の家族のことも含まれていると思うが、血縁関係や近所の方との世代を超えた関わりや思いを綴った作品。台湾では血縁関係がかなり広いようで登場人物の関係性が覚えられず、どの人だっけ?と探しながら読んだ。近い国だけど親戚関係一つとっても日本との差異があって興味深かった。日本、台湾それぞれの親戚関係は一長一短だけど、どちらもいいものだなと思った。

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    2025年09月05日
  • 恋恋往時

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    日本語、台湾語、中国語が出てきて混乱して、登場人物の名前が覚えられなくて、誰が喋っているのか時々混乱して、ストーリーに集中し損なった。もっと楽しんで読めるように努力したい。静かに進んでいくけど、日本統治時代、男尊女卑などが出てきてチクチク胸が痛む。

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    2025年08月04日
  • 私のものではない国で

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    私も嫌な経験はかなりある。
    なんて言えばいいのか、難しいのだが、無意識に差別する人と意識的に差別する人がいる。

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    2025年06月21日
  • 恋恋往時

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    著者初読み。

    台湾と日本の関係、知っているようで実は詳しくないので少し戸惑うところもあり。

    流(東山彰良)を読んでいた時となんだか似ている。
    2つの国や言語を持っている人を羨ましく思っていまうが、なかなかに複雑なんだと。

    中国語の発音が書かれているけど難しい。
    お菓子の名前、言語によって美味しさ感が違うなんてなるほど気付かなかったなぁ。

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    2025年06月18日
  • 魯肉飯のさえずり

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    本屋さんで表紙に惹かれてずっと気になってた本。
    やさしい文体ながら、台湾語と中国語の混ざったカタカナ表記の言葉はやや読みにくい。母と娘の関係を軸に、妻と夫の関係性も描かれる。
    文化や言葉が違うから異質、だからわかりあえないという思い込みが剥がれたときにすっきり腑に落ちる。

    ただ、台湾・中国・日本の歴史的背景をしっかり理解できていない自分としてはよくわからない部分も多かったように思う。

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    2025年06月13日
  • 私のものではない国で

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    日本人にとっての国と海外の人との国のあり方は違うんだろうな。
    親が転勤族で出身どこですか?と聞かれて、咄嗟になんと言っていいか分からない感覚がちょっと近いような…。グローバル化、インクルーシブ化バリアフリー化色々難しい問題を孕んでいる。
    移民受け入れが困難な日本の体質なんだろうな。

    ◎人種と人種の間でモノを書く人々
    李良枝
    ジュリー オオツカ
    カリ ファハルド アンスタイン
    トニ モリスン
    ニケシュ シュクラ

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    2025年05月18日
  • 祝宴

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    台湾、中国、日本を行き来する主人公と家族のアイデンティティや差別、ジェンダーの多様化の話も出てきて色々考えさせられる内容でしたが、家族愛を感じる物語でもありました。

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    2025年02月09日
  • 真ん中の子どもたち

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    ネタバレ

    ⭐︎3.5
    台湾人のお母さんと日本人のお父さんを持つ主人公、琴子が、母の言葉である「中国語」を学ぶことで、自分のルーツ・アイデンティティを模索する物語。

    親族に同じような境遇の子どもがいることもあり、興味深く読みました。

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    2024年11月25日
  • 真ん中の子どもたち

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    台湾と日本のハーフの子どもたちが上海で中国語を学んだ学生生活で中国語の発音やアイデンティティーの問題を抱えて成長していく姿を描いた話し。

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    2024年07月23日
  • 魯肉飯のさえずり

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    ネタバレ

    改行の仕方が合わなくて読むのに疲れた。
    外見が可愛らしい大人しい女性視点。可愛らしさ従順さを好む支配欲の強い男性に流されるまま結婚してそれからの話で、個人的に共感出来るところはなかったが、
    想像はできた。

    自分にも他人にももどかしいと感じる気持ちが伝わってきた。

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    2023年12月21日
  • 魯肉飯のさえずり

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    夫が最悪すぎる、、、
    就職氷河期で仕事を得られず、こうした選択をするしかなかった女性は多かったのだろうか。

    雪穂夫婦の関係性が素敵だった。

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    2023年10月13日
  • 鉄道小説

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    鉄道をテーマにした5つの物語。温又柔さんは以前『魯肉飯のさえずり』を読んだので、あの時の台湾の雰囲気をもう一度感じられて良かった。そして、澤村伊智さんの名前を見てお気づきの方、大正解。1つだけホラーテイストです。

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    2023年09月22日
  • 鉄道小説

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    ネタバレ

    5人の作家による短編集
    鉄道は背景の一コマ的な扱い。滝口氏の「反対方向行き」の目的地の宇都宮と逆方向の電車に乗ってそのままあえて小田原まで行く車内で祖父を回想する時間、空間が、ごとごと揺れるリズムとともに心に残った。
    犬の散歩の話、台湾からの帰化の話、宝塚線中山駅のホラー、青森のトラム、それぞれ作家さんの持ち味が出ていて面白かったです。

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    2023年06月29日
  • 祝宴

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    温又柔さんの作品を久しぶりに読んだ。

    著者の生い立ちを想起させるお話で、アイデンティティを確立できず悩む瑜瑜の様子は他の作品の登場人物でも見たことがあった。著者の過去の苦しみを追体験しているようで苦しかった。心がチクチクした。
    娘について、理解できない父の言動の描写が、とてもリアルというか、わかるなぁという気持ちになった。お互いを尊重しあえる未来を感じさせるラストの描写にほっとした。

    国民党とともに、中国から台湾に来た人々の当時の市中での立場や、その後の運命など、歴史的にも興味がある記述もあり勉強になった。
    20230528

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    2023年05月31日
  • 祝宴

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    どこで生まれ、育ったか。
    どんな人を好きになるか。
    子供を産むことは当たり前のことなのか。
    父と娘、家族の思いが交錯してわかりあっていく。
    おいしそうな小籠包を食べて、明日も楽しく過ごしてほしい家族の物語。

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    2023年05月28日
  • 祝宴

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    中国から台湾に渡り、現地で結婚
    主人公は出世して、半導体の会社の副社長
    日本で暮らし
    今は上海、台北、東京など忙しい
    二人の娘は日本人のように育ち
    台湾人でも日本人でも、ましてや中国人でもない
    妹は日本人と結婚
    その日に、姉は自分は同性の恋人がいると告白
    父親はその事を受け入れられず
    悩む
    自分に良く似た娘のことだから
    そして、向き合おうとする

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    2023年05月21日
  • 鉄道小説

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    【収録作品】「犬馬と鎌ケ谷大仏」 乗代雄介/「ぼくと母の国々」 温又柔/「行かなかった遊園地と非心霊写真」 澤村伊智/「反対方向行き」 滝口悠生/「青森トラム」 能町みね子

    日本初の鉄道が新橋~横浜間に開業した1872/10/14から150年を迎えることを契機に立ち上げた「鉄道開業150年 交通新聞社 鉄道文芸プロジェクト」の一環として制作した短編集とのこと。

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    2023年05月13日